Netflixで配信中の話題のドラマ『フォーハンズ~2人のソナタ~』で注目を集めているイ・ジュニョン。作品ごとにまったく異なる役柄を演じ、「え、これ全部同じ人!?」と思わず二度見したくなるほど、その振り幅は驚異的。
本記事では、『新入社員カン会長』『弱いヒーロー Class 2』『おつかれさま』の出演作3作品を通して、イ・ジュニョンの沼深き魅力をご紹介します。

■『新入社員カン会長』

最初に紹介したいのが、イ・ジュニョン主演作『新入社員カン会長』。実は本作、大ヒット作『財閥家の末息子~Reborn Rich~』の原作者サンギョン氏による同名ウェブ小説が原作という注目作。さらに『ペントハウス』シリーズなどで知られるキム・スノクがクリエイターとして参加していることでも話題となりました。韓国では初回3.7%でスタートしたものの、口コミとともに視聴率がぐんぐん上昇。最終回では自己最高となる13.6%を記録し、大きな支持を集めたヒット作です。

チェソングループを率いるカン・ヨンホ会長(ソン・ヒョンジュ)は、ある日、後継者候補である双子の子どもたちが起こしたひき逃げ事件を知り、事業承継を取り消そうとします。しかし、その直後に事故に遭い、サッカー選手ファン・ジュニョン(イ・ジュニョン)と魂が入れ替わることに。しかも、息子たちが自分にひき逃げの罪を着せようとしていることを知ったカン会長は、会社を守るため、ジュニョンの姿のまま“新入社員”として自分の会社に潜り込むことになります。

「財閥会長が若者の身体に入り、自分の会社の新入社員として働く」という、設定からしてもう抜群に面白いですよね(笑)。普通、逆ではないですか???事故に遭った若者の魂が、会長に入ってしまい財閥家に復讐するならまだしも。会長の魂が入るのかよ!!という驚き(笑)。
しかも、何十年も会社を率いてきた会長が、若者の姿で新入社員として右往左往するという、この状況だけでもう面白い…!

韓ドラらしいぶっ飛んだ設定ながら、財閥家のドロドロ権力争いあり、復讐あり、家族ドラマありと、先の読めない展開にどんどん引き込まれていきます。コミカルに笑っていたかと思えば、次の瞬間には「え、そういうこと!?」とひっくり返されるような展開が待ち受けていて目が離せません。

そして何より注目したいのが、イ・ジュニョンの演技の振り幅!中身は長年会社を率いてきた“ビジネスの神”とも呼ばれるカン会長なのに、外見は若手サッカー選手のジュニョン。この難しい役どころを、立ち姿や話し方、視線までガラリと変えて演じ分ける姿は圧巻…!

特に面白いのが、見た目は完全に若者なのに、ふとした瞬間に中身の会長がにじみ出てしまうところ。若々しい顔をしているのに、立ち居振る舞いや表情からどうしても隠しきれない“おじさん感”が漏れ出ていて、見ているこちらまでニヤニヤしてしまうんですよね(笑)

コミカルな芝居では思い切り笑わせながら、シリアスな場面では一転して圧倒的な存在感を放つ。“若い身体に宿った熟練会長”という唯一無二のキャラクターを見事に演じきったイ・ジュニョンの演技力には脱帽です。笑って、ハラハラして、最後には「やっぱりイ・ジュニョンすごい!」とうならされる。彼の演技の振り幅をたっぷり味わえる一作です。

▼配信情報
『新入社員カン会長』Leminoで配信中

■『弱いヒーロー Class 2』

笑顔の裏に狂気をのぞかせるゾッとするほど鋭い目つきで、イ・ジュニョンの“危険な男”の魅力を存分に味わえるのが、Netflixシリーズ『弱いヒーロー Class 2』。
前作『弱いヒーロー Class 1』で大切な友人を失い、心に深い傷を負ったヨン・シウン(パク・ジフン)は、新たな学校へ転校することに。そこで出会ったのは、明るく人懐っこいパク・フミン(リョウン)ら新たな仲間たち。しかし、転校先でも待ち受けていたのは、学校を牛耳る連合と、想像を超える暴力でした。
シウンは仲間を守るため、再び巨大な敵に立ち向かっていきます。

前作から続く壮絶なアクションが魅力の本作ですが、タイトルとは裏腹に、本作で描かれる“強さ”は腕力だけではないんです。頭脳と覚悟、そして「誰かを守りたい」という意志こそが、“本当の強さ”として描かれているのが面白いところ。けんかが強いわけではないシウンが、冷静な観察力で相手の弱点や周囲のものを利用して戦う姿には、普通の学園アクションとはひと味違う緊張感があります。「学園ドラマはちょっと…」という人にこそ観てほしい!緊張感あふれるアクションと人間ドラマに、気づけば一気見してしまうはず。

そして何より刺さるのが、アクションの裏側にある“友情”。一人で戦おうとしていたシウンが、新たな仲間を信じ、今度こそ誰かを守ろうとする姿にはグッときます。そして、シリアスで重い物語の中にある、少年たちの何気ないやり取りや友情がまた良い! 激しいアクションにハラハラしながらも、彼らの絆に胸を熱くさせられるはず。

そんな本作で異彩を放っているのが、イ・ジュニョン演じるクム・ソンジェ!ソンジェは、学校を牛耳る連合の一員としてシウンの前に立ちはだかる、けんかっ早くて自由奔放な問題児。とにかく「強い相手と戦うこと」に快感を覚えるタイプで、敵なのか味方なのかすら読めない危うさがあります。狂気を感じさせる一方で、メガネ姿も相まってどこか知的な“インテリ感”が漂うのもまた良い…!

個人的に『Class 2』でベストシーンを挙げるなら、シウンとソンジェが屋上でぶつかり合うあのシーン。激しい戦いを経て2人の関係性にも変化が生まれ、「今度こそシウンの味方になるのか!?」と思わせておきながら、そう簡単にはいかないのがソンジェという男(笑)。


自由気ままで、何を考えているのか分からない。戦うことそのものを楽しんでいるような危うさがありながら、どこか憎めない。まるで懐いたと思ったら噛んでくる野良猫のような予測不能な魅力がたまらない…!ソンジェが登場するシーンはどれも強烈なインパクトを残し、イ・ジュニョンの振り幅の広さを改めて実感させてくれる一作です。

▼配信情報
Netflixシリーズ『弱いヒーロー Class 2』独占配信中

■『おつかれさま』

イ・ジュニョンが一躍注目を浴びたのが、2025年にNetflix配信され、「歴代級名作」ともうたわれた『おつかれさま』。『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』の監督と『椿の花咲く頃』の脚本家、さらにIU&パク・ボゴムという、向かう所敵なしの最強布陣で挑んだ本作は、1950年代の済州を舞台に、済州島で生まれ、自らが与えられた運命に立ち向かうヒロインのエスン(パク・ボゴム)と、彼女を一途に愛し続ける誠実な男グァンシク(パク・ボゴム)の冒険に満ちた一生を描く物語。

エスンとグァンシクの初恋を1~3話の“春”に盛り込み、夫婦が子どもを育てていく時期が“夏”に描かれるというように、全16話で1960年代から2025年までのある家族の約70年にもわたる歳月を描き出します。過酷な境遇でも腐らず前を向いて立ち向かっていく夫婦の、壮大なラブストーリーであり、家族の物語が展開していきます。

こちらまで思わずほほ笑んでしまう幸せな瞬間から、胸が張り裂けそうなほどつらい瞬間まで、彼らの人生史が濃密に描かれるのですが、妻、夫として、親として、そして誰かの子どもとして、だれもが自分の家族を思い浮かべて、共感して、涙してしまう…全世代の心を震わせる脚本は、正直レベチの域!

ラスト4話は、家族の絆と、無性の愛に嗚咽(おえつ)するほど大号泣してしまい、次の日はとんでもなく目が腫れました。なんですが、決して激重なわけではなく、たまにクスッと笑わせてくれるのも、さすが「ドラマ史に残る名作」とうたわれる『椿の花咲く頃』のイム・サンチュン作家!

イ・ジュニョンが演じるのは、エスンの娘・クムミョン(IU)の恋人として途中から登場する、ひたすら一途でまっすぐな青年パク・ヨンボム。このクムミョンとヨンボムのロマンスが、中盤の核といっても過言ではない重要なエピソードとなります。どこか危うさや鋭さを感じさせる役を演じることも多かった彼が、本作では一転、好きな人の前では分かりやすく表情が緩む、愛すべき純情男子に。

何より刺さるのが、彼の繊細な表情演技。
幸せそうに笑う姿から、愛する人との別れを受け入れようとする切ない表情まで、ヨンボムの複雑な心情を目線や表情の変化だけで見せる演技が秀逸…!

なかでも忘れられないのが、クムミョンとの別れのシーン。クムミョンの気持ちをなんとか変えようと何度も食い下がる一方で、次第に「もう本当に終わりなんだ」と悟り、崩れ落ちていく表情があまりにも切ない…!このシーンだけで、それまであまり濃く描かれなかった2人の長い恋愛の時間まで伝わってくるような、IUとイ・ジュニョンの圧巻の演技はまさにレジェンド級。視聴者の間でも大きな反響を呼び、作品屈指の名シーンとなりました。

本作で、「イ・ジュニョン、こんなにロマンチックな男も似合うんか……!」と沼落ちする人が続出したのも納得。(筆者も猛烈に惹かれて検索の旅に出ました。笑)これまでとはまた違う“純情男子”としての魅力を存分に見せつけ、イ・ジュニョンの新たな一面を印象づけた一作です。

▼配信情報
Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信

(文:DramaWriter Nana)
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