ライターの端くれである筆者が、人より少しだけ自信を持っているのがタイピング能力です。仕事で文章を打つのはもちろん、暇なときにはストレス発散がてらタイピングゲームで遊ぶこともあります。
ですが最近、Xで話題になっていたあるゲームでは、逆にとんでもないストレスを溜め込む羽目になりました。
その極悪なゲームの名前は、「おそらく日本一意地悪なタイピングゲーム」です。
■ 最初はタイピングすらさせてくれない「おそらく日本一意地悪なタイピングゲーム」
個人でゲーム開発を行う「めれりん」さんが、先日Xで公開した「おそらく日本一意地悪なタイピングゲーム」は、タイトルそのままの超高難易度、というより超意地悪なタイピングゲーム。
ブラウザでできるのでさっそく遊んでみると、まずゲーム開始前から一苦労。「画面をクリックしてください」という指示から始まるのですが、いくらクリックしても始まらない。
システムボイスが「なぜクリックしないのでしょうか」と問いかけてきますが、こちらとしては「さっきからクリックしてるっちゅーねん」という話。
どうやらこのゲームの世界でのクリックといえば「左クリック」ではなく「右クリック」だそう。さっそく意地悪です。
言われた通り右クリックをします。しかしただ右クリックをしただけでは意味がありません。3秒間長押ししなければならないのです。
おまけに3秒長押ししたら自動で次の画面に遷移するのではなく、2.9秒~3.0秒“だけ”押し続ける必要があります。短くても長くてもだめ。難しい。
タイピングゲームなのにタイピングをやらせてくれないどころか、タイピングの対極であるマウスゲーをさせるという鬼仕様。お肉を食べられると思って来たのに、まず野菜を食べなさいと言われたような気分です。肉食わせろ、肉。
■ ようやくゲームのスタート画面へ……入力判定、厳しすぎない?
どうにかマウス長押しをクリアして、ようやくスタート画面。下部の入力スペースに「スタート」と入力すると始められるようです。タイピングゲームだとたまにありますよね。
が、いくら「すたーと」と入力しても弾かれる。正確に入力しているはずなのに「すたーot」などの誤タイピングが起こる。は?
どうやら右上にあるメーターが満杯になる前に入力しなくてはならないそう。ただ早すぎても遅すぎてもダメで、適切なテンポで入力しないと弾かれるようです。
タイピングといえば速さが1つの指標。だというのにそれをいきなり覆されます。
何度か繰り返しているうちにどうにか「すたーと」が通り、次の画面へ。ようやく開始かと思いきや、今度は注意・確認事項への同意を求める画面へ。
注意・確認事項には「このゲームをプレイ中、周辺機器を破壊する可能性があります」「このゲームをプレイするとタイピング能力が上がり、ストレス耐性も上がり、女の子にもてます」といったことが書かれています。このゲーム、リスクもリターンも大きすぎますね。
ここでもやはり「どういする」を、適切なタイミングで入力しないと通れない。しかも何度もミスっているとシステムボイスが煽ってくる。「同意するはdouisuruと打つんですよ」。そこじゃねーんだよ。
■ やっとゲームスタート!そして繰り返されるゲームオーバー&システムからの煽り
どうにか入力を終えて、ようやくゲームがスタートです。基本のルールは画面中央で色を変えながら大きくなったり小さくなったりする文字を、入力画面に打ち込むだけ。
最初のステージは「たいとる」ですので、「たいとる」と打ち込めばいい……だけではありません。色に応じて入力すべき文字が変わるのです。
「たいとる」とそのまま打ち込めばいいときもあれば、別の単語を打ち込まなければならないときもある。しかも入力時には「すたーと」や「どういする」と同じく、独特のテンポが求められます。
ただタイピングをすればいいのではなく、タイミングやテンポを意識しなければならないのが非常に厄介。テンポが掴めなければ何度やっても入力できず、タイミングを逃せば入力できてもゲームオーバー。
そうなるとタイトルに戻され、再び「すたーと」を入力するところからやり直しをさせられます。
しかも戻るたびにシステムボイスが「スタート入力するのが好きなんですね」「こんなにミスする人がこの世に存在するんですね」とチクチク刺してくるのです。うるせー!!と危うくキーボードをクラッシュしかけました。
ステージは「たいとる」「つづける」「しゅうりょう」などと入力する単語が変わっていく形で進行していきます。筆者が1~2時間ほど粘って辿り着けたのは「こんてぃにゅ」と入力するステージ。
ブラウザゲーであることを踏まえると「1~2時間もかかったんだから終盤と考えてもいいのでは?」と思いましたが、作者のめれりんさんには「(到達地点としては)2、3割くらい」と言われてしまいました。はい?
クリアを目標に挑んだのですが、さすがにこれ以上続けると仕事道具をオシャカにしてしまいそうなので、半分もいかずに断念。
■ 一体どうしてこんなゲームが生まれてしまったのか 作者自身も「誰だよこれ作ったの」
一体どうしてこんなゲームが生まれてしまったのか。めれりんさんにお話をうかがうと「私が今回投稿したサイトであるunityroomではタイピングゲームがとても人気であるため、みなさんに遊んでもらえるのではないかと考えたためです」とのこと。
加えて他作品との差別化のために、ただ文字を入力するだけではない「独自のゲームシステム」を盛り込んだことで、本作が誕生したとのこと。
制作にあたっては「わかりやすい意地悪にこだわりました」とめれりんさん。プレイヤーが想像もつかない意地悪を行い、そのうえでテキストやボイスでヒントを与えるという作りにすることで、意地悪は意地悪でも「理不尽」にはならないようにしているとのことです。
たしかに意地悪がすぎたら「もういいや!」で諦めがつくのですが、ギリギリどうにかできそうな意地悪なので「あともう1回」となってしまう魅力があります。生殺しというか、ある意味では一番意地悪かもしれません。
めれりんさん自身もデバッグ中は第1ステージで1~2時間近くゲームオーバーを続け、「誰だよこんな意地悪なゲームを制作したやつ」と思ってしまったそうです。誰なんでしょうね、本当に。
7~8時間ほどぶっ通しでデバッグをし、その間に10回ほどクリアしたというめれりんさん。製作者ですら1時間でクリアできるかどうか、なんて恐ろしすぎます。めれりんさんは「とんでもないゲームを制作してしまった」と話しています。
「おそらく日本一意地悪なタイピングゲーム」はタイトルに偽りなしの意地悪さが詰まった作品。
ですが、ステージをよく見てクリア条件を見極める謎解き的な楽しみ方があるため、イライラしながらもやめ時がわからなくなります。タイピングのテンポについても繰り返すうちにコツが掴めてくるので心配は不要です。
ストレスが溜まること間違いなしということは理解しつつ、時間をかけてでもクリアしてみたい癖になるゲームでした。実況配信も大歓迎とのことなので、配信者の方々はぜひ視聴者も巻き込んでイライラしてみては。
ちなみに記事執筆にあたってめれりんさんにインタビューをしましたが、意地悪とは無縁な優しくて温かい方でした。本当になんでこんなもの思いついたんですか。
<記事化協力>
めれりん さん(@t9LKWG8Nlc15532)
(ヨシクラミク)
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