2024年5月15日、韓国・東亜日報は「来年度の医学部の入学定員の拡大可否を判断する裁判所の決定が16~17日に出される見通しの中、医師団体と政府は日本の事例を挙げてそれぞれの主張の正当性を強調している」と伝えた。

記事によると、大韓医師協会は最近、ソウル高等裁判所に嘆願書、日本の医師需給分科会の会議録、日本の医師増員決定過程の資料などを提出した。

医師団体は「日本の場合、医学部の入学定員を徐々に増やし、17年間で計1778人を増員した」と説明している。元ソウル大学医学部教授協議会非常対策委員会会長のチョン・ジンヘン氏は最近、自身のSNSで「日本は基礎自治体まで必要医師数を推計し、7人、13人、14人と少数の漸進的な増減を計画した」と主張した。

また、医師らは「日本は会議録などを包み隠さず公開している」とも主張している。ソウル大学医学部教授協議会のキム・ジョンイル会長は13日に行った政府提出資料の検証発表で「政府は2000人の増員を決定した会議録を提出していないが、日本の場合はすべての会議資料と議論の結果が厚生労働省のウェブサイトに公開されている」と述べたという。

一方で韓国政府は、医師団体が日本の事例を「都合よく解釈している」との立場を示している。保健福祉部は14日に提出した資料で「日本は2006年に起きた妊婦の救急搬送受け入れ拒否事件をきっかけに医学部の定員を大幅に増やすことにした。

当時医師会も医師不足に共感し、対立が生じることなく増員された」と説明し、「韓国の場合、医師らの反対により27年間増員できずにいるため、2000人の増員は不可避だ」と強調した。

会議録の公開については「会議内容などを包み隠さず、忠実に公開してきた」とし、「日本のように実名を公開できないのは、医師社会で人身攻撃の対象になる可能性があるため」と反論したという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「定員を増やした日本は政策失敗を認め、再び減らしている」「20年前の医師は7万人、現在は14万人。韓国も2倍に増えている」「政府はなぜ27年間1人も増えていないかのように言うのか」「日本は医師数の増員を諦めた。理由はお金がたくさんかかるから」「増加する医療保険料は誰が出す?人口は減っていっているのに。後世に負担を押し付けてはならない」「人口が減っている中で医師を大幅に増やせば大きな副作用が表れる」「なぜ診療報酬は日本と比較しないの?診療報酬も一緒に比較するべきだ」「医師らの反対が重要なのではなく、政権が代わるたびに一貫性なく政策を展開することが問題」などの声が寄せられている。

(翻訳・編集/堂本)