ウォール・ストリート・ジャーナルが先ごろ掲載した記事「誰もが中国車を愛している、中国人を除いては」は、「中国の最新モデルの自動車は発売されたほぼすべての地域で販売台数が急増している」と「中国の5月の新車販売台数は前年同月比22%減となり、自動車メーカーの利益が圧迫されている」という二つの現象を結び付け、「国内市場で試練に直面する中、中国の自動車メーカーは輸出事業の拡大を加速させている」と結論付けた。
中国の自動車輸出が急増しているのは、本当に国内で売れなくなり、やむを得ず「過剰生産能力」を海外へ振り向けているからなのだろうか。
中国の乗用車市場のデータを仔細に分析すれば、この主張が方向性の異なる二つのデータを無理に結び付けたものであることが分かる。中国自動車流通協会乗用車市場情報連席分会が発表した5月のデータによると、国内販売台数減少の主因はガソリン車販売の急減にある。ガソリン車は同月の市場シェアが37.1%だったが、前年同期比での乗用車販売台数減少の82%を占めた。この変化の第一の要因は、中東情勢による原油価格高騰がガソリン車需要の急減を招いたことだ。同時に、消費構造の転換が「ガソリン車からEVへの移行」を加速させた。5月の国内販売台数上位10車種は全て新エネルギー車となり、ガソリン車は初めてトップ10から完全に姿を消した。新エネルギー車の販売比率は62.9%と過去最高を記録した。
この流れは、世界的なグリーン・トランスフォーメーション(GX)とも足並みをそろえている。中東情勢に排出量削減圧力も加わり、世界市場では新エネルギー車需要が急増している。
言い換えれば、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事が挙げる二つの論拠には、「論点のすり替え」の疑いがある。中国国内の乗用車販売台数の減少は主としてガソリン車販売の落ち込みによるものであり、海外販売の急増を支えているのは主として新エネルギー車なのだ。
もう一つの問題は、本当に中国人は「中国車を好まない」のかという点だ。
中国自動車流通協会の統計によると、1~5月には、新エネルギー車のうち超小型車とコンパクトカーの販売台数は前年同期比でいくらか減少したものの、それ以外のクラスはいずれも増加した。特に高級新エネルギー車は全カテゴリーの中で最も高い伸びを示しており、市場需要が低価格帯の「足代わりの乗り物」から中・高価格帯の質の高いモビリティへと段階的に移行していることを反映している。
したがって、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事は、一見データに基づいて論じているように見えるが、実際には国内の周期的な変動、エネルギー価格の影響、政策調整のタイミング、国際競争力の向上を一緒くたにして論じているのだ。(提供/人民網日本語版・編集/NA)











