IKURA’S American Automobileせっかく乗るのなら世界観ごと楽しみたい! 1955年式〈ポンティアック〉スターチーフ サファリ

これぞまさに古きよきアメリカ。そしてアメリカンヴィンテージカーの連載にふさわしいクルマだ。

全体のフォルムはもちろん、細部にまで趣向を凝らした〈ポンティアック〉 スターチーフ サファリは、すれ違えば誰もが振り返る、男が憧れる1台だ。

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IKURA’S American Automobileせっかく乗るのなら世界観ごと楽しみたい! 1955年式〈ポンティアック〉スターチーフ サファリ
「日本に1台しかないんじゃないかな? それぐらい珍しいアメ車だよ」。太陽の下で映える美しいオレンジをまとった1955年式〈ポンティアック〉のスターチーフ サファリは、日本においては見るだけでもレアな1台だ。当時のアメリカといえば、空前の好景気に沸く黄金期とされる時代。そんな時代背景が、このクルマの豪華な作りに見て取れる。「アメ車のワゴンって好きなんだよね。〈シボレー〉のノマドにも乗ったことあるけど、陽気な雰囲気がいい。当時は好景気を受けてのレジャーブームで、こんなワゴンに乗って旅行とか行ったんじゃないかな? 一応ファミリーカーではあるけど、2ドアってところがいいよね」。全体のスタイリングから細部パーツまで、どこを取っても豪華な作り。「とにかく曲線が多い。ディテールも凝っていて、ヘッドライト上の眉毛みたいな飾りがかわいいなぁ(笑)。リヤサイドのウィンドウなんてわざわざカーブさせているんだよ? イマドキのクルマではあり得ない」

IKURA’S American Automobileせっかく乗るのなら世界観ごと楽しみたい! 1955年式〈ポンティアック〉スターチーフ サファリ
1950年代のアメ車らしい大径ハンドル。
メーター類はもちろん、パネルのあざやかな色もゴージャスさを引き立てる。「もはや芸術だよ。特にこの1台は状態もすごくいい」

1950年代のアメ車といえば派手なテールフィンが有名だが、この車種で採用されるのは、その後の年式となる。「そこがむしろいいんだよ。1950年代らしさがありながら、やりすぎ感がない。品がいいよね」。 この時代はアメ車にとって重要で、アメリカ国民がクルマに趣向性や豪華さを求めるようになった時代だ。「だから格好いいアメ車がたくさんあるんだよ。〈シボレー〉のベルエアとか、〈キャデラック〉のフリートウッドとかね。もちろん市場でも人気は抜群。すぐに走れる状態のものなら、アメリカでもかなり高額で取引されているよ」。マニアも多い年代とあって、まさに見るだけでも眼福な1台というわけだ。


IKURA’S American Automobileせっかく乗るのなら世界観ごと楽しみたい! 1955年式〈ポンティアック〉スターチーフ サファリ
ボンネットにはジェット機のようなオーナメントが。「先端のアクリル部分には、ネイティブアメリカンの酋長の顔があるんだよ。ちなみにライトをつけるとこれも光るよ」

アメ車の黄金期とされる1950年代。その真っ只中に生まれたのが〈ポンティアック〉のスターチーフ サファリだ。初代の1955年式は、生産台数が少ないこともあってコレクター人気が高い。「当時としては走りもよかったんだよ。V8エンジンに加えて自動変速機も搭載していたからね」。とはいえ、70年以上前のクルマとあって注意点もあるとか。「日常で乗るなら電気系統はリフレッシュしたいところ。エンジンは絶対にオリジナルのままがいい。もはやエンジンだけでも希少だから。まぁ、インジェクションに替えたほうが乗りやすいけど……」

当時、最新だったストラト・ストリークOHV V8エンジン。
排気量は4700cc で180馬力程度。「シンプルだよね(笑)。でもこのエンジンは比較的頑丈だから、手を入れれば普通に走るよ」

スターチーフは〈ポンティアック〉の中でも最上級車種に付けられる名前。だから内装も実にゴージャスだ。細部にまでクロームを施した内装に、もはや自宅のソファかと思うほどクッションが効いたシート。それでいて、あくまでワゴンとあってシートを倒せばかなりの積載量を確保できる。「全長は約5.1mで全幅は2m以下。意外に大きくないから日本の道路でも普通に走れるよ」。

テールランプはより曲線を多用した凝ったデザインに。「とはいえ大ぶりなテールフィンじゃないから控えめで上品。ゴールドカラーをあしらったV8の飾りが誇らしいね」

乗り心地はゆったりとしているため、海岸線をクルージングするには最高だ。「そもそも飛ばすクルマじゃない。
調子に乗って飛ばしてヘコませたりしたら、板金代が超高いと思うよ(笑)。クロームパーツも多いから、サイドのスターパーツだけでもイチから作ったらいくらかかることやら」。そんなことも含めて、大切に乗り継ぐ価値のある1台。だから乗るときはその世界観も楽しみたい。「助手席にはやっぱりポニーテールにロングのフレアスカートを穿いたピンナップガールを乗せたいよね。瓶のコーラとか飲んじゃってさ。こういうアメ車に乗るなら、それぐらいなり切ったほうが格好いいよ」

上下に開閉するリヤゲート。後部座席は前方に倒すことが可能。「荷物が積めるどころか、人が寝られる。後部座席は、いざ座ると窓が大きくて多いからかなり開放的に感じるよ」



IKURA
これまで300台以上乗り継いできた生粋のカーマニア。アメリカンカスタムカルチャーの祭典“アメフェス”の主催者としても有名。
URL:https://ikura61official.com

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INFORMATION

※『Safari』9月号182~183ページ掲載

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写真=瀬田秀行 文=安岡将文
photo : Hideyuki Seta text : Masafumi Yasuoka cooperation : Luminox, Almond Surfboards, Digna Classic, Deus Ex Machina, M-Spec

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