建設ラッシュの続く中国では、かつて「豆腐渣工程」という言葉が大きな問題となった。これは「手抜き工事」を意味する言葉であり、最近はめっきり耳にする機会は減っているものの、今でも「手抜き工事」がなくなったわけではない。


 自分の住んでいるマンションの安全性を信用していない中国人は多く、大抵の人は大地震が来たら倒壊するだろうと思いながら住んでいるものだ。中国の動画サイト・西瓜視頻ではこのほど、ある中国人が「日本には手抜き工事がない」と紹介している。

 動画の中国人配信者は日本の住宅地を歩きながら、日本には「手抜き工事をする業者はまずいない」と伝えている。主な理由は「法律」が厳しいためで、地震の多い日本では建物に一定の耐震性が求められる。基準を満たしていなければ、設計の段階で許可が下りないとした。

 基準が定められているのは中国も同じだろうが、「設計どおりに施工するかどうか」が日本との違いだろう。
動画では、「日本では手抜き工事に対する国民の目は厳しく、手抜き工事が明らかになると誰もその工務店に頼まなくなるので倒産してしまう」と厳しさを伝えた。配信者は、日本人には「武士道精神」があるため、何をするのもまじめで「中国人には頑固に感じるほどだ」と伝えている。

 この動画に対する視聴者の反応は2つに分かれた。まずは素直に日本人のまじめさと責任感をたたえるものだ。「民度が高いから先進国になれた」など称賛のコメントが見受けられた。

 それと同じほど、中国に見られる手抜き工事は「仕方がない」というコメントが多かったが、これは必然と言えそうだ。
「良心の問題だけでなく、制度の問題」という人や、手抜き工事をしなければ作業員の給料が出ない現実を指摘する人もいた。一部には「手抜き工事をしない日本人は中国人ほど賢くないということだ」と悪びれる様子もない人がいたが、これが本音なのかもしれない。中国の手抜き工事問題は根が深いと言えるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)