家庭へ直接支援を続けるNPO 物価高騰で貧困拡大に警鐘 フードバンク愛知
フードバンクについて学ぶ中学生
 「だれも取り残さない社会」を目指して19年に設立したフードバンク愛知。企業から寄贈された食品や日用品を子ども食堂や福祉施設に提供しながら、支援を求める家庭からの電話を受け、直接物資を提供する活動を行っている。


 近年は物価高騰で輸送コストの上昇や提供する食材の不足など課題もあるが、支援を求める電話は増え続けており、厳しい現状に警鐘を鳴らす。学生へのボランティア講習や行政との連携など活動の輪を広げながら、貧困にあえぐ家庭を支えている。

 フードバンク愛知は、運送会社のジェイ・ロジコム(蟹江町、寺田覚社長)が、海外にも拠点を作り、事務所や工場の移転、物資の輸送などに取り組む中で、コロナ禍が始まり窮状にあえぐ国内の状況を何とかしようとNPO法人として立ち上げた。

 北名古屋市の同社倉庫を事務所に活用し、準備を整え20年から子ども食堂などへ提供を始めた。23年度に提供した食品、飲料は合計1300t以上。子ども食堂などの団体だけにとどまらず、支援を求めるひとり親や子育て家庭の約3000世帯にも毎月、食品や日用品を提供している。

 物資は様々で、食品メーカーをはじめ食品スーパーやコンビニを展開する企業からも。食品ロス削減のため品質に問題がない規格外品、行政や企業が買い替えで必要なくなった防災食なども集めている。

 食材を調理して提供する子ども食堂では使いにくかった防災食だが、同団体では家庭に直接提供しているため、活用しやすく食育にもなるという。

 また家庭で使いきれない未使用食品を持ち寄ってもらうフードドライブの推進にも取り組む。

 寺田社長は「家庭への支援は3000世帯で限界に近いが、問い合わせは多く、6000世帯くらいまでは増やしていきたい。そのためには安定して食品を提供していただける企業を増やすなどネットワークを広げていかなければならない」。


 支援の輪を広げていくためボランティア講習も随時行っており、中学生や高校生も受け入れている。その中には、フードドライブの市民団体を設立し、フードバンクへの支援につなげる学生もいる。

 さらにフードバンク同士や食支援団体のつながりの強化、ノウハウの共有などを目的に「とうかいフードバンクネットワーク」を設立。東海3県を中心に100以上の団体が参加し、単独では届きにくい家庭や地域の支援を行っている。

 寺田社長は「あしなが育英会と連携し、子どもたちに食品を提供しているほか、防衛省と協定を締結し自衛隊の炊き出しで協力してもらうなど様々な取り組みを行っている。やれることをやっているが、もっと支援の輪を広げていくためにも、多くの企業や団体に協力をお願いしたい」と話している。

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