レトロ遺産を掘り返す山下メロ氏
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、平成後期にスマホが普及し、令和の現在も変わらず使い続けられているため、平成といえば携帯電話というイメージがあります。今回は携帯電話の始まりを振り返ってみましょう。
もともと移動電話は船舶電話から始まり、自動車電話へつながっていきます。自動車に積み込む想定ゆえに巨大で重かった自動車電話にバッテリーをつけて肩にかけて持ち歩けるようにしたのが、平野ノラさんでおなじみのショルダーフォン。さらにそれを片手で持てるよう小型軽量化していくのが携帯電話の黎明期です。
日本初となるハンディタイプ携帯電話、TZ-802型。約900g。1987年4月発売。同年、映画『私をスキーに連れてって』にも登場
日本で最初のハンディな携帯電話は、昭和末期の1987年4月に登場したNTT(現NTTドコモ)のTZ-802型。片手で持てるといってもレンガブロックのようなサイズ感と重量で、なんと約900gもありました。
ショルダーフォンに比べると一気に小型軽量化されたものの、片手でつかんで持ち上げるのは大変で、バンドに手を通してないと通話中に落としそうになる重さと大きさです。
そこから進化し、次のTZ-803型が登場したのが2年後の1989年2月。
TZ-803型。平成元年の1989年2月発売。軽量化されるも重量約640g
平成になっても携帯電話はまだこのサイズ。電池の持ちも悪く、高額なこともあり一般化しませんでした。TZ-803型発売からわずか数ヵ月後の1989年10月、手のひらに収まるサイズでTZ-803型の半分以下の重量約303gを実現した米モトローラ社の「マイクロタック」をDDIセルラー(現au)がHP-501として発売。
手のひらに収まる携帯電話で大きく後れを取っていたNTTは、ここから一気に小型化を目指し、その後のmovaシリーズにつながるのです。
米モトローラのHP-501は1989年10月にDDIセルラー(現au)から発売。TZ-803の半分以下の約303g。写真はHP-501と同デザインの後継モデルとして1992年6月に発売されたHP-521
撮影/榊 智朗
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