◆JERAセ・リーグ 巨人11―5広島(21日・東京ドーム)

 巨人の山崎伊織投手(27)が待望の今季初勝利を飾った。右肩の違和感から復帰2戦目で、6回途中6安打2失点。

114球の粘投で昨年9月19日以来、305日ぶりの白星をもぎ取った。好調の打線も初回に3点、2回にも3点と序盤からたたみかけ、今季最多タイ16安打、今季初の2ケタ得点となる11点とがっちり援護。4戦連続2ケタ安打も今季初と好調だ。勝負の9連戦の3カード全てで勝ち越しを決め、貯金も2年ぶりの2ケタとなる10に。阪神と並んで首位をキープした。

 これまでの日々が報われた。開幕から88試合、自身2度目の先発で今季初白星。305日ぶりにお立ち台へ上がった山崎は「東京Dに早く帰ってきたかった。チームが勝ったことがすごく嬉しい。1軍でこうやって試合に出られることが幸せ」。復帰後初の本拠登板。割れんばかりの伊織コールにバンザイで応えた。

 MAX152キロで5回2/3を2失点。0を並べて迎えた6回に捕まり天を仰いだが、エースを鼓舞するように打線が11得点と爆発。今季最多114球を投じる力になった。喜怒哀楽を隠さず表情豊かに投げる姿。野手顔負けのスイングで今季初安打を中越えの二塁打にする打撃センス。随所でらしさを示し「勝つことが一番大事。(投球で)もっとよくできる部分はある」と兜(かぶと)の緒を締めた。

 「青春ジャイアンツ」と題して行われる広島3連戦。学生時代は自称「ダメ人間」だった。嫌いなものは練習。右肘のトミー・ジョン手術明けだったプロ1年目には、きついリハビリを避けたこともある。だが、天才は勝負の厳しさを知り「練習せな試合で勝てへんってことに気付いてしまった」。

故障中の4月。課されたメニュー以上の本数を自主的に走り終えた後、かつての自分を懐かしんだ。

 1軍復帰までの3か月半は毎朝6時半に球場入り。トレーナー室の扉を一番に開け、アーリーワークを終えてから故障班の後輩たちと全体練習を始めた。帰宅もリハビリ組で最後。近くで支えてきたスタッフは言う。「リハビリは苦しくて、途中で(心の)火が消えてしまう選手も多い。でも伊織は、燃えた火を消さず本当に頑張った。チームのためはもちろん『家族のために働くんだ』という気持ちがすごかった」

 妻の手料理に支えられた毎日。その中で朝食だけは決まってG球場の寮で食べるようにしていた。「朝早いから迷惑かけんように。奥さんもゆっくり寝たいやろうから」。

愛用するネックレスには結婚指輪を通し、肌身離さずトレーニングの励みにした。

 離脱中もチームは首位争い。今、しびれる舞台で投げられていることに感謝している。今後は登板機会の関係で一度登録を外れるが、「1年目の竹丸とか(井上)温大とか、若い選手がすごい頑張っていた。前半戦は何の力にもなれなかったので、ここから最後まで頑張りたい」。シーズンは残り55試合。巻き返す準備を整えた。

(堀内 啓太)

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