江戸城を無血開城へと導いた幕末から明治維新にかけての偉人、勝海舟の偉業を顕彰する「第20回勝海舟フォーラム2026」が、勝海舟の出身地である東京・墨田区の曳舟文化センターで開催された。毎年「海の日」の恒例行事として、今年も7月20日に実施。

海舟の三女・逸(いつ)の夫で日本の近代化を牽引した目賀田(めがた)種太郎をテーマに、海舟の玄孫(やしゃご)で種太郎のひ孫であるライター・高山みな子氏の基調講演などが行われた。

 開催に先立ち、会場スクリーンには区役所うるおい広場に建立されている勝海舟像が映し出され、献花式が行われた。出席した山本亨区長は「勝海舟先生が生きていれば203歳。このところの中東情勢やロシアとウクライナの問題、勝先生がいたらどのように収めるのか。日本の平和もとより世界をどう平和に導くのかと考える」とスピーチ。主催者の勝海舟顕彰会・廣田健史会長は「本フォーラムを2003年に始めて23年。コロナで3年休んだが、今年で節目の20年目になった」と感慨深げにあいさつ。区議会の坂井ユカコ議長も「このフォーラムは墨田区の夏の風物詩の1つ。すみだが生んだ偉人の精神を引き継ぎ、後世に伝えていく取り組みは大きな意味がある」と話した。

 勝海舟ゆかりの人物として取り上げられた目賀田種太郎も墨田区出身で、日本人初のハーバード大学卒業生として法制度や財政整備、専修大学や東京芸術大学の創設に携わった。一族子孫で元中央大学法学部教授の目賀田周一郎氏に加え、吉本興業所属の歴史好き芸人でお笑いコンビ「ブロードキャスト!!」の房野史典氏と高山氏らの特別鼎談では、房野による「目賀田家の平安時代から江戸時代につながる何百年を5分ぐらいにまとめます」と“特別講義”の時間も。

 戦国武将の織田信長が安土城を築いた安土山は、もともとは平安時代に大納言藤原道綱の次男・道忠が拓(ひら)いた目賀田山で、安土桃山時代に信長に譲って取り入るも、本能寺の変で明智光秀に加担したとして一度は没落。

それでも江戸時代に再び徳川家に仕官して旗本に上り詰めたストーリーを「8分かかっちゃいました」と芸人の話術で分かりやすくまとめ、参加者の理解をサポートした。

 2027年のNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」でも勝海舟が描かれる。海舟のライバルでよき理解者だった主人公・小栗忠順を松坂桃李が演じ、海舟役の大沢たかおは自身の公式SNSのストーリーズに墨田区の海舟像を見に訪れた写真をアップ。そのエピソードを来賓出席者の墨田区観光協会・森山育子理事長が紹介しながら「それぐらいの意気込みを持って役作りをされているのは大変嬉しい。観光協会としても何かできないかと考えていますので、勝海舟ファンの皆さんはぜひお楽しみいただければ」と話した。

 フォーラムには福島県の東白川郡矢祭町から佐川正一郎町長も訪れた。同町出身の吉岡良太夫(ごんだゆう)は、日米修好通商条約批准の際に勝海舟やジョン万次郎、福沢諭吉らとともに咸臨丸で日本初の太平洋横断任務に就いたことで知られる。勝海舟ゆかりの偉人の輪が改めて広がり、彼らの功績を語り継ぐとともにその精神の継承する貴重な1日となった。

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