美術をはじめとする幅広い知識を生かし、「出没!アド街ック天国」などテレビ番組でも活躍した評論家でタレントの山田五郎(やまだ・ごろう、本名・武田正彦=たけだ・まさひこ)さんが、14日、原発不明がんで死去した。67歳。

公式YouTubeチャンネルで22日、所属事務所のマネジャーが発表した。24年にがんを公表し、闘病していた。葬儀は18日、親族や仕事関係者で執り行った。

 黒縁めがねとキューピーヘア、歴史からカルチャーまで多岐にわたる分野のディープな解説でお茶の間に親しまれた山田さんが天国へと旅立った。この日投稿された動画には、マネジャーが出演。「2026年7月14日火曜日夕方、山田、天国へ行ってしまいました」と訃報を伝え、「本当に病気が憎い。孫としゃべれるまでと日々小さな目標を立てて治療に立ち向かっていました」と最期の様子を明かした。

 晩年は病魔との闘いだった。2011年に初期の食道がんを手術。24年10月には、原発不明がんを患ったことを同チャンネルで公表した。人間ドックでエコーをした際にがんが判明し、リンパ節や骨に転移しており「ステージ4Bで化学治療するしかない」と明かしていた。

 今月17日には、生前に収録された動画が公開された。

スーツ姿で鼻にチューブを装着した状態で「3月に昏睡(こんすい)してからさ、歩けなくなって車いすになったじゃん。腹水と胸水がたまって呼吸が困難になって」と病状の悪化を説明。「この俺がだよ、飯が食えなくなって。とどめにさ、この俺がだよ、たばこ吸えなくなった。もう死ぬよ」と訴え、視聴者から心配の声が広がっていた。

 山田さんは上智大文学部に在学中、オーストリアのザルツブルク大学に1年間遊学し、西洋美術史を学んだ。卒業後は講談社に入社。「ホットドッグ・プレス」の編集長など雑誌編集を担当し、次々と人気企画を生んだ。同社に勤務しながら、テレビ朝日系「タモリ倶楽部」のミニコーナー「五ツ星り」に、お尻研究の第一人者として出演。美術品のように女性のお尻を評価する姿をきっかけに人気を得た。

 98年から約28年にわたり、「街に詳しい」コメンテーターとして、テレビ東京系「出没!アド街ック天国」にも出演。幅広い知識を生かした解説を披露し、番組に欠かすことのできない存在として愛された。

同局によると、亡くなる6日前の今月8日まで同番組収録に参加。最後の出演回は8月8日に放送されるという。

 ◆原発不明がん 転移したがんは見つかっているもののCTなどの画像検査、内視鏡、病理検査などを行っても最初にがんが発生した臓器を特定できない病気のこと。ステージ4Bは、がんが離れた臓器やリンパ節まで広がった進行状態を指す。治療はがんの組織型や遺伝子の特徴、患者の体力や全身状態を調べたうえで、抗がん剤、免疫療法、分子標的薬などから適切な方法を選ぶ。

 ◆山田 五郎(やまだ・ごろう)本名・武田正彦。1958年12月5日、東京都生まれ。上智大卒業後、82年講談社入社。「TOKYO1週間」副編集長、「ホットドッグ・プレス」編集長などを務め、2004年退社。テレビ番組のコメンテーターやコラムニストとしても活躍。25年、第17回伊丹十三賞を受賞。芸名は、雑誌編集者時代に落とし物コーナーに放置された高級シャープペンシルに「Yamada」と記名されていたことが由来。

編集部おすすめ