大相撲名古屋場所14日目(25日、IGアリーナ)

 関脇・安青錦が西前頭13枚目・尊富士を寄り倒し、2敗で単独首位を守った。千秋楽の本割で勝てば3場所ぶり3度目の優勝が決まる。

大関から陥落して特例で復帰を決めた場所で賜杯を抱けば、現行の制度となった1969年名古屋場所以降で初の快挙。関脇・熱海富士は西前頭14枚目・獅司を押し出し、初Vへ3敗をキープ。優勝は安青錦と1差で追う大関・霧島、熱海富士の3人に絞られた。

 勢いは圧倒的に1差で追う熱海富士にある。獅司が右上手を取りにきても、お構いなしに197キロの大きな体をぶつけた。左のまわしは取れなくてもグイグイと重戦車のように前に出た。体も動いていて、足も出ていた。体調の良さは体の張りが証明している。文句の付けようのない一番だ。

 安青錦には不安が残った。勝因は尊富士の右上手が深く、命綱の左を使えたことにある。浅く取られていたら、違う景色が広がっていたに違いない。

相撲内容も受け身だった。大関復帰を決めて一瞬だけ気が緩んだのか、左足首にさらに痛みが増している印象だ。

 条件的には王手の安青錦が有利だが、ベクトルは熱海富士に向いている。今年の初場所の優勝決定戦で負けた悔しさを千秋楽の土俵にぶつける覚悟も見える。霧島を含めたともえ戦の優勝決定戦になっても、熱海富士が一気に駆け抜ける。

 霧島にとっても大事な千秋楽である。12勝ならサイコロの目は来場所への夢の継続になるが、11勝で終わったら振り出しに戻る。運命を分ける大関対決だ。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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