大相撲名古屋場所14日目(25日、IGアリーナ)

 関脇・安青錦が西前頭13枚目・尊富士を寄り倒し、2敗で単独首位を守った。千秋楽の本割で勝てば3場所ぶり3度目の優勝が決まる。

大関から陥落して特例で復帰を決めた場所で賜杯を抱けば、現行の制度となった1969年名古屋場所以降で初の快挙。関脇・熱海富士は西前頭14枚目・獅司を押し出し、初Vへ3敗をキープ。優勝は安青錦と1差で追う大関・霧島、熱海富士の3人に絞られた。

 執念の相撲に館内がどよめいた。安青錦は尊富士に立ち合いで左四つ、右上手を許して胸が合った。土俵際まで寄りたてられたが、上手を引いたところで体を入れ替え、最後は相手の投げに乗じて寄り倒し。辛くも白星を手にし「自分の相撲でなかったが、体が反応して勝てて良かった」と話した。優勝争いでは単独首位を守り「最後まで熱い闘いを見せられたら」と冷静に語った。

 場所前から左足に不安を抱えていたが、8日目の取組で左足親指付近を負傷。痛みに耐えながら11日目に10勝目を挙げ、特例で来場所の大関復帰を決めた。師匠の安治川親方(元関脇・安美錦)も「いつも冷や冷やしながら見ている。10番勝って、また痛みを感じたと言っていた」と、満身創痍の舞台裏を明かした。

 今場所前。サッカーW杯で史上初の6大会連続出場&ゴールを達成したポルトガル代表のC・ロナウド好きを明かした。母国ウクライナではサッカーが盛んで「周りは(アルゼンチンの)メッシのファンが多かった。目標に向かってストイックにやっているところが、男から見てもかっこいい」とロナウドへの憧れを表明。日頃からYouTubeなどで研究し「他の競技のトップ選手の精神面や生活面を、いろいろ試してみることが上にいくためには必要」と、どん欲に学ぶ。

 幕内優勝を2度経験しているが、千秋楽を単独トップで迎えるのは初めて。大関から陥落して特例での復帰は、過去6人で7例(安青錦を除く)あり、これまで最多だった19年秋場所・貴景勝の12勝に並んだ。大関復帰を決めた場所で賜杯を抱いた例はない。自身が本割で敗れれば、優勝決定ともえ戦なども想定され、本割で優勝を決めたいかを報道陣に問われると「特に。いろいろなパターンに対応できるようにしたい」と余裕も伺わせた。憧れのロナウドような史上初の偉業に、22歳が挑む。(大西 健太)

 ◆欧州勢の幕内優勝 過去2回している安青錦(ウクライナ)が最多。

琴欧洲(ブルガリア)、把瑠都(エストニア)、栃ノ心(ジョージア)が1回ずつ。欧州勢以外では、モンゴル勢が白鵬の45回を筆頭に通算104回。米国勢は武蔵丸の12回など過去27回。

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