サッカー北中米W杯では、磐田U―18出身のDF伊藤洋輝(27)=バイエルンミュンヘン=、FW後藤啓介(21)=フライブルク=が日本代表に選出され、ともにW杯の舞台に立った。しずおか報知では次代のサムライブルー候補として、同じく磐田の下部組織で育ったMF西岡健斗(18)の単独インタビューを行った。

(取材・構成=伊藤 明日香)

 W杯で日の丸を背負った伊藤らと同じ浜松市出身で、ボランチを務める西岡は、高校2年生だった今年3月に“飛び級”でプロ契約を締結した。トップチームでは明治安田J2・J3百年構想リーグのプレーオフ2試合に出場。並行してユースチームの主将としても半年間を過ごした。

 「プロ契約して、見られ方も変わってくる中で、ユースではチームを勝たせられなかったのは責任を感じています。一方、トップでは特別大会で、したいと思っていたプロデビューができたのはよかった」

 ボランチに定着したのは高校2年から。にもかかわらず、昨年10月には英紙「ガーディアン」で世界の有望株60人に日本人として唯一選出された。

 「小学校ではトップ、サイドハーフ。中2の頃は県リーグで少しだけボランチをやっていました。高校1年生の頃から、自分の能力的にもボランチが安定していると感じていた。高い舞台に行くなら、そこしかないなと思っていました」

 トップでも指揮を執った安間貴義監督(57)の下で、ボランチとしての礎を築いた。前への仕掛けを求められる中で、特別大会を通じて攻撃面にも手応えを得た。

 「半年間で、得点につながるラストパスだったり、自分が入って点を取るという部分は、すごく成長を感じました。

(プレーオフのFC大阪戦では、縦パスで先制点の起点に)横パスしている時から縦の意識があった。ユースで培っていたからこそ、相手の空いているところが見えて、いいところを突けたと思います」

 ユースの練習では、ミーティングでW杯戦士のプレー動画をチーム全体で見る。世界を見据える18歳にとって、大切な教材だ。

 「鎌田(大地)選手の攻撃力や、佐野海舟選手の守備のダッシュ力や運動量というのは、自分がああいった舞台を目指すなら目指していきたい」

 4年後の30年W杯は、スペイン、ポルトガル、モロッコの3か国共催となる。代表への思いを問われると、目線を上げた。

 「海外に早めに行けたら、次のW杯の代表に選ばれるチャンスもあります。ただ、そこでダメになると、次は26歳になる。そう考えると、早めに一回経験しておきたい。だからこそ、まず(海外移籍を)狙わないといけない」

 同じ磐田出身の後藤は、今回、21歳でW杯初出場を果たした。年齢が近い先輩から刺激を受けている。

 「明確に目標を持っていて、それをかなえるために淡々と努力している。代理人も同じなので、そういう話もよく聞いたりするんですが、本当にすごい選手」

 昨オフに磐田を訪れた後藤と一緒に練習し、言葉を交わした。

 「覚えている言葉としては、『シュートを打つ時に、ファーサイドとニアサイドのどちらにも打てる体の向きを作れた方がいい』と言ってもらいました」

 先輩からの金言を胸に、西岡がまずは磐田のJ1復帰へ全力を注ぐ。

 ◆西岡 健斗(にしおか・けんと)2008年7月14日、浜松市生まれ。18歳。モラール90、ホンダFCの下部組織を経て、磐田U―15からU―18に昇格。昨年は2種登録選手として天皇杯1試合に出場。また、9月にはU―17日本代表入りした。172センチ、64キロ。利き足は右。

 【取材後記】 下部組織での成長にも話は及んだ。今では172センチに伸びた身長だが、中学入学当時は150センチ前半。「背が低くて、自分としてもあまり試合に出られなくて、悔しい思いをしました」。努力で出場機会を増やし、次第に主力へ定着した。

「中学の時はパッとしない選手でしたけれども、それでもやり続けたのが自分の一つの強み」と振り返る。高校1年になると、磐田OBで当時の磐田U―18監督だった元日本代表の西紀寛氏による起用が転機となった。「大きかったです。自分はいい選手じゃなかったなと思っていますが、プリンスリーグで使い続けてくれて、自信がついた。今の自分があるのは、そのおかげです」と感謝。磐田のエンブレムを胸に、これからも成長への歩みを続けていく。

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