J1清水のプロ契約第1号として活躍し、監督、GMも務め、現在は静岡県サッカー協会会長を務める「清水東三羽烏」の一人、大榎克己氏(61)に地域版「しずおか報知」最後の特別企画としてインタビューを実施。サッカー王国復権への道のりや、「しずおか報知」との思い出などを聞いた。

(取材・構成=伊藤 明日香)

 ―現在、県サッカー協会会長として2期目を迎えた。最初に出てきたのはサッカー人口増への取り組みだった。

 「WEリーグのチームを一つつくりたいという思いはあります。(女子サッカーに力を入れる狙いは)サッカー人口を増やす意味で大切。開拓の余地もありますし、経験した人がお母さんになった時、子どもたちに教えるという循環も生まれると考えています」

 ―今年は静岡学園が全国高校総体で初V、30年ぶりの県勢優勝を果たした。一方で、男子プロの年代ではタイトルを獲れないでいる。サッカー王国復権に必要なことは。

 「しっかり種をまいて、肥料、水を与えてだと思う。すぐ高校生から強くなることはないので、環境づくりが大切だと思っています」

 ―清水東時代に長谷川健太さん、堀池巧さんとともに全国高校サッカー選手権(1982年度)で優勝を飾るなど活躍し「清水東三羽烏」と呼ばれた。仲間とは今も交流がありますか。

 「百年構想リーグの清水の開幕戦で、長谷川さん、堀池さんに会いました。今後の話をして、長谷川さんは現場をやりたい思いが強いと思う」

 ―92年に清水のプロ契約1号、その後は監督、GMも務めました。

一番思い出に残っていることは。

 「初めてタイトルを取った、96年のナビスコ杯の優勝。寄せ集めで選手がきて、いいところまで行くシルバーコレクターと言われていたことを脱却した瞬間でもありましたかね」

 ―ライバルと言われた清水市商(現清水桜が丘)出身でU―23日本代表監督の大岩剛さん(54)が、来年3月から日本代表監督を務める。

 「この年になったらライバルどうのこうのじゃない(笑)。元をたどれば、大岩さんも清水FCの後輩。静岡から代表監督が出たことに喜びを感じています。(清水東の後輩である)内田篤人さん(38)や高原直泰さん(47)を含め、静岡の人が監督を務めることが増えてくれれば」

 ―最後に、しずおか報知との思い出は。

 「報知は巨人が載ることが多かったけど、その中でしずおか版があり、サッカーを取り上げてもらった。俺が監督になる時も(記者が)張り込むんだよね。執念、記者根性を感じました。テレビもサッカーを取り上げる機会が減っている。メディアにはいろんなところでサポートしていってもらいたいという思いはあります」

 ◆大榎 克己(おおえのき・かつみ)1965年4月3日、清水市(現静岡市清水区)生まれ。

61歳。清水東―早大―ヤマハ発動機を経て、91年に清水入団し、2002年に引退。J1通算252試合10得点。日本代表通算5試合無得点。04年に早大監督、08年から清水ユース監督、14、15年に清水監督。19年にGM。24年から県サッカー協会会長を務める。

編集部おすすめ