歌舞伎俳優の片岡仁左衛門が2日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた「秀山祭九月大歌舞伎」(26日千秋楽)の夜の部「沼津」に出演した。

 寛永11(1634)年に岡山藩士の渡辺数馬が、義兄の助太刀で仇(かたき)の河合又五郎を伊賀上野で討ち取った「伊賀超の仇討ち」が題材。

本懐を遂げるまでの全11段のうち、「沼津」は6段目。荷担ぎの平作(中村歌六)から荷物持ちをさせて欲しいと頼まれた呉服屋十兵衛(仁左衛門)は平作の娘お米(片岡孝太郎)に一目ぼれ。そのまま立ち寄った平作の家で、衝撃的な事実が明らかになる…。

 仁左衛門が歌舞伎座で勤めるのは初役の2001年以来、25年ぶり。コミカルな冒頭から緊張感あふれる幕切れまでを風格たっぷりに演じ、場内に素朴で美しい沼津の景色を映し出した。さらに歌六の雲助平作は爽やかな十兵衛と対照的な滑稽で憎めないキャラクター。物語の佳境では涙を誘う場面もあった。

 十兵衛は松本幸四郎とのダブルキャスト。それぞれで物語は同じだが、大道具の転換に違いがあり、注目だ。

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