◆第11回紫苑S・G2(9月6日、中山競馬場・芝2000メートル、重=3着馬までに秋華賞の優先出走権)

 雨を切り裂くように黒いシャドーロールが弾んだ。水を含むタフな馬場もマスターソアラにはお構いなし。

中団追走から中山の急坂を勢いよく駆け上がり、真っ先にゴールした。「返し馬から馬場はこなしそうな感触でしたし、手応えもありましたので、差し切ってくれるかなと思って乗りました」。2000メートルになった07年以降でもっとも遅い決着を、大野は笑顔で振り返った。

 策が見事にはまった。気性の幼さが力を出し切る弊害になり得ると判断した陣営は、2月のクイーンC4着後は実戦を使わずに成長を促した。さらに復帰戦でも先々を見据えてミッションを課した。「先生とは秋華賞とか先々を考えて、折り合いを第一にと話していました。思ったよりポジションを取れて、リラックスして走ることができて最高の形になりました」と鞍上。明るい光が差し込む初タイトルとなった。

 父シスキンはジーティーマイカが中京2歳SをV。産駒が重賞初制覇を飾っただけでなく、2歳で世代リーディングトップに立っている。翌週には3歳からも重賞ウィナーが誕生。

オーナーサイドは体調を見ながら次走を決めると表明したが、その動向次第ではG1秋華賞(10月18日、京都)でも台風の目になる。(浅子 祐貴)

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