味の素冷凍食品は、今秋の新製品において、中東情勢などを要因とする原材料高騰を受け、生活者の「生活防衛意識」の高まりに寄り添った大容量・低価格帯から、「プチ贅沢」を満たす高付加価値商品までラインナップを拡充することで、冷凍食品市場のさらなる活性化を図る。

7月10日、東京・銀座の本社で専門紙向けに2026年秋季新製品・リニューアル品発表会を開き、マーケティング方針について杉田博司取締役常務執行役員マーケティング本部長が話した。


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家庭用製品では、すべてを節約するのではなく「たまには贅沢をしたい」というメリハリ消費のニーズに対応する。素材にこだわった贅沢なハンバーグ〈頂肉〉や、名店「兆徳」監修の〈黄金炒飯〉を展開する一方、コスパ志向や健康・簡便ニーズ向けに〈羽根パリッ パクパクぎょうざ〉、鶏むね肉を使用した〈生姜香る白だし唐揚げ〉などを拡充し、価値と価格の納得感を生活者に伝えていく。

フードサービス向け(業務用)では、価値を分かりやすく伝えられる「北川半兵衛商店」の宇治抹茶を使用した抹茶スイーツや、〈ほめられかぼちゃのバスクチーズケーキ〉を展開する。また、ホテル等の朝食や人手不足の厨房に向け、スチコン等の調理機能や簡便性に特化した製品を強化し、現場の課題解決を図る。

家庭用冷凍食品の新製品については、マーケティング本部リテール事業部リテール製品戦略第2グループマネージャーの江藤桂介氏が説明した。

冷凍食品市場が着実に拡大する中、生活者の間では生活防衛の動きが見られる一方で、「たまには贅沢をしたい」という「メリハリ消費」の傾向も同時に強まっている。また、食の嗜好も画一的なペルソナからパーソナライズ化が進行している。同社はこうした多様化する生活者一人ひとりのニーズに応える製品展開を通じ、市場のさらなる拡大を目指す方針だ。

今秋、家庭用では米飯、餃子、から揚げ、焼売、スナック、ハンバーグという主要カテゴリーでそれぞれ1品ずつ、計6品の新製品を発売する。

〈米飯カテゴリーの「黄金炒飯」を最注力商品に〉


今秋の新製品では米飯カテゴリーの〈黄金炒飯〉を最注力商品と位置づける。冷凍米飯市場は米価高騰を背景に「相対的なお得感」が認知され拡大しているが、直近でその成長を牽引しているのが「あっさり上品系」のフレーバーだ。日常食として重すぎない食事を求める層から支持されており、ウェブ調査でも「あっさり上品派」が35%を占めることがわかった。しかし、量販店の店頭ではガッツリとした濃い味のチャーハンが多く、あっさり系の商品数が少ないというホワイトスペースが存在していた。


これに応えるため、東京・本駒込にある玉子炒飯の名店「中華兆徳(ちょうとく)」が監修した新製品〈黄金炒飯〉を発売する。釜炊きによるふっくらパラッとしたお米の食感、中華料理店の高温の鍋で煽った卵や油の香りを再現した特製香味油、そして味の素のアミノ酸研究を活かしたコク味素材により、シンプルでありながら洗練された味わいを実現した。具材は卵の色合いを引き立たせるためチャーシューではなく鶏肉を採用している。内容量は400gで、オープン価格だが店頭想定価格は400円を切る手頃な価格帯を見込む。
味の素冷食、生活防衛対応からプチ贅沢対応までラインナップを拡充/家庭用では主要カテゴリーで6品の新製品、最注力は名店監修〈黄金炒飯〉
黄金炒飯_味の素冷凍食品
黄金炒飯_味の素冷凍食品

〈餃子カテゴリーではコスパを重視した新製品〉


餃子カテゴリーでは、コスパを重視する層に向けた新製品〈羽根パリッ パクパクぎょうざ〉を投入する。冷凍餃子市場は堅調なものの、未購入者がまだ5割以上存在するが、中では小学生のいるファミリー層の購入率が伸長している。親が子どもの食べづらさや好き嫌いに悩むなか、家族みんなで一緒に食べられるおかずとして開発した。

子どもが好む「ギョーザの羽根」を定番品と同じ品質で再現しつつ、玉ねぎとニラを不使用、にんにくやしょうがを控えめにした。鶏肉と野菜の優しい味わいをベースにしたやや甘めの味付けで、子どもがパクパクと食べやすいよう設計している。また、トレイを使わず袋に直接24個入の大容量パッケージを採用し、定番品よりも1個あたりの価格を安く設定している。
味の素冷食、生活防衛対応からプチ贅沢対応までラインナップを拡充/家庭用では主要カテゴリーで6品の新製品、最注力は名店監修〈黄金炒飯〉
AJINOMOTO BRANDギョーザ 羽根パリッ パクパクぎょうざ_味の素冷凍食品
AJINOMOTO BRANDギョーザ 羽根パリッ パクパクぎょうざ_味の素冷凍食品

〈ヘルシーで脂っこくない鶏むね肉のから揚げ〉


から揚げ(鶏肉)カテゴリーでは、鶏むね肉を使用した〈生姜香る白だし唐揚げ〉を発売する。むね肉のから揚げ市場は、ヘルシーで脂っこくない点が支持され、過去4年間で3倍以上に拡大している。調査でも好きな部位としてむね肉を挙げる人が45%いるが(もも肉は83%)、市場ではSKU数が少なく、にんにくが効いた味付けのものが主流となっていた。本品はにんにく不使用でお弁当や昼食でも使いやすく、焼津産の鰹節をベースにした白だしと生姜を効かせた「あっさり上品系」に仕上げている。
一枚肉を使用し、カロリーを抑えながらたんぱく質を摂取できる。
味の素冷食、生活防衛対応からプチ贅沢対応までラインナップを拡充/家庭用では主要カテゴリーで6品の新製品、最注力は名店監修〈黄金炒飯〉
生姜香る白だし唐揚げ_味の素冷凍食品
生姜香る白だし唐揚げ_味の素冷凍食品

〈「XO 醤香る肉焼売」を刷新し、新製品として発売〉


日常のおかずとして需要の高い焼売カテゴリーでは、昨年発売した〈XO 醤香る肉焼売〉を刷新して新製品として発売する。より買い求めやすい価格を実現するため、内容量を15個入りから12個入りへと規格変更するとともに、肉の配合を増やしダイスカットの肉を加えることで食べ応えを向上させたほか、ラップなしでも電子レンジ調理ができるよう仕様を改良し、利便性を高めた。
味の素冷食、生活防衛対応からプチ贅沢対応までラインナップを拡充/家庭用では主要カテゴリーで6品の新製品、最注力は名店監修〈黄金炒飯〉
XO醤香る肉焼売_味の素冷凍食品
XO醤香る肉焼売_味の素冷凍食品

〈アレルギー特定原材料等28品目を不使用 子ども向けおやつも〉


スナックカテゴリーでは、「それいけ!アンパンマン」シリーズから新製品〈それいけ!アンパンマン おいものおやつ〉を発売する。子どもを持つ親が抱える「体に優しいものを食べさせたいが、子どもは甘いものを食べたがる」という理想と現実のギャップに応える、罪悪感なく子どもに食べさせられる商品だ。アレルギー特定原材料等28品目を不使用、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草の緑黄色野菜を練り込み、不足しがちなカルシウムも配合した。国産の焼き芋ペーストを35%配合し、甘すぎず子どもが喜ぶ自然な味わいに仕上げており、お弁当や普段の食事にも活用できる。
味の素冷食、生活防衛対応からプチ贅沢対応までラインナップを拡充/家庭用では主要カテゴリーで6品の新製品、最注力は名店監修〈黄金炒飯〉
それいけ!アンパンマン おいものおやつ_味の素冷凍食品
それいけ!アンパンマン おいものおやつ_味の素冷凍食品

〈「贅沢・ご褒美」ニーズに応える冷凍ハンバーグも〉


そして、メリハリ消費における「贅沢・ご褒美」ニーズに向けた商品として、高価格帯のハンバーグ〈頂肉(いただきにく) ブラックアンガス牛 100%ハンバーグ〉を発売する。

冷凍ハンバーグ市場において、量販店やECサイトでも1,000円前後の高価格帯商品が増加しているトレンドに対応。オーストラリア産のブラックアンガス牛を100%使用し、赤身と脂のサシのバランスが良い贅沢な味わいを実現した。二重包餡(にじゅうほうあん)製法により食感のコントラストを持たせ、オーブンでしっかり焼き上げることで完成度を高めている。大きさはボリューム満点の160gで、ソースではなく別添のピンク岩塩で肉本来の旨みを味わう本格的な設計としつつ、電子レンジ4分で外食店品質を実現する。店頭想定価格は798円で、今後はECや百貨店、カタログギフトなど新たな販売チャネルの開拓にも挑戦するという。
味の素冷食、生活防衛対応からプチ贅沢対応までラインナップを拡充/家庭用では主要カテゴリーで6品の新製品、最注力は名店監修〈黄金炒飯〉
頂肉 ブラックアンガス牛100%ハンバーグ_味の素冷凍食品
頂肉 ブラックアンガス牛100%ハンバーグ_味の素冷凍食品

〈「ひとりひとりの食卓に、もっと。」を一層推進=南良社長 〉


味の素冷凍食品の新製品発表会の冒頭、南良勉社長があいさつし、世界情勢の不透明感や国内の人口減少が続く環境を踏まえ、今秋は社会情勢を背景にした節約ニーズと、「たまには贅沢をしたい」というメリハリ消費ニーズのそれぞれに対応する商品を展開する方針だと話した。
また、今年1月に発表した新たなブランドステートメント「ひとりひとりの食卓に、もっと。」を一層推進するとともに、価値を伝えるコミュニケーションを強化することで、多様化する生活者ニーズに寄り添ったアクションを展開するという。

近年のトレンドとして、共働き世帯の増加に伴い調理時間の短縮化(タイパ)が進む一方、品質が良ければ高くても購入するという価値重視思考も根強いと分析し、品揃えの幅により、多様なニーズに寄り添う。

直近の活動では、5月から開始した冷凍宅配「あえて、」を活用した置き型社食サービスのオフィス展開が、一食完結型の利便性から非常に好調であると言及。さらに環境への配慮として2月に設定した「選ぶだけでサステナブル」のスローガンのもと、角川ドワンゴ学園と連携した環境学習プログラムの実施など、次世代へ向けた資源循環の取り組みも紹介した。

今秋は生活者の変化に確実に応える製品展開を通じ、さらに感動の笑顔を届けるとともに、同社が掲げるパーパスの実現を推進していく。

〈冷食日報2026年7月13日付〉
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