「問題はインファンティーノではなくFIFAそのもの」 英紙が...の画像はこちら >>

インファンティーノ会長に批判が集中しているが…… photo/Getty Images

問われるべきは何か

ワールドカップ(W杯)の商業権を新会社へ移管する構想を撤回し、ジャンニ・インファンティーノ会長への辞任圧力が高まるなか、英『The Guardian』は「インファンティーノは報いを受けている。しかし、なぜサッカー界はここまで長い間FIFAに反旗を翻さなかったのか」と題したコラムを掲載した。



筆者のジョナサン・リュー氏は、現在の危機について「インファンティーノ会長が長年受けるべきだった報いを受けていることには一定の満足感がある」としながらも、「本当に問われるべきなのは、なぜ今になって各連盟が反発し始めたのかだ」と指摘する。

記事では、今回の「FIFA Forward Enterprise(FFE)」構想だけが問題ではないと強調。2018年にはソフトバンクとクラブワールドカップ拡大などを巡る商業構想があったことや、2022年カタールW杯、2034年サウジアラビアW杯開催決定、クラブW杯拡大など、これまで数々の問題があったにもかかわらず、多くのサッカー関係者は大きく反発してこなかったと振り返っている。

そのうえで、「今回の騒動によって変わったのは道徳心ではなく、インファンティーノ会長を追い落とす機会が訪れたという政治的状況なのではないか」との見方を示した。

さらにリュー氏は、FIFAについて「10年以上前にイングランドサッカー協会(FA)の元会長デービッド・トリーズマン卿が『マフィア・ファミリー』と表現したが、その評価は今も変わらない」と紹介。「FIFAは通常の政治や経済の枠組みを超えて独自のルールで動く組織だ」と厳しく批判している。

また、FFE構想そのものについても、「一人の買い手、200億ドルという根拠の乏しい評価額、期限を区切った交渉という手法は、資産価値を最大化したい組織のやり方とは思えない」と疑問を呈した。

記事の終盤では、インファンティーノ会長だけを問題視する風潮にも異議を唱える。

リュー氏は「インファンティーノは症状であり、FIFAが病そのものだと言われることがある。しかし実際にはFIFAですら症状に過ぎず、本当の病は利益を最優先し、人間性を軽視するシステムそのものだ」と主張。仮にインファンティーノ会長が退任しても、その構造が変わらない限り、同じ問題は繰り返されると警鐘を鳴らした。

今回のコラムは、インファンティーノ会長個人への批判だけでなく、FIFAという組織、そして現代サッカーを取り巻く統治のあり方そのものに疑問を投げかける内容となっている。

編集部おすすめ