TOKYO FMグループの「ミュージックバード」が制作し、全国のコミュニティFMで放送中のラジオ番組「デジタル建設ジャーナル」(毎週日曜 15:00~15:55)。建設経営の伴走型AI/DX共創により、全国の中小工事会社の経営課題解決を支援するクラフトバンク株式会社が、全国各地で活躍し、地域を支える建設業の方をゲストにお迎えするインタビュー番組です。
建設業界の魅力と可能性を、全国のリスナーへ広く伝えます。

今回の放送では、埼玉県熊谷市に本社を構える株式会社アケボノ(以下、アケボノ)に注目。代表取締役の細田健一(ほそだ・けんいち)さんをゲストに招き、新築工事をしないこだわり、企業におけるAI活用について話を伺いました。

AI診断と品質管理で大規模修繕の新たな価値を生み出す 株式会...の画像はこちら >>

(左から)株式会社アケボノ 代表取締役 細田健一さん、パーソナリティのクラフトバンク株式会社 中辻景子



◆アケボノが「新築工事」に注力しない理由

アケボノは、埼玉・群馬・栃木を中心に、マンションやビル、工場などの大規模修繕を手がける会社です。1971年に塗装工事業として創業し、現在は塗装・防水工事を主軸に大規模修繕事業を展開しています。

同社の特徴は、「新築工事はおこなわない」という方針です。細田さんは、新築では仕様が決められているため施工会社が提案する余地は少ない一方、塗装・防水を中心とした大規模修繕では建物の状態や要望に応じて塗料や施工方法を選び、「お客さんに合った、要望に合った提案ができることが強み」だと話します。

塗料はメーカーごとに特性が異なるため、建物に合わせた最適な材料を見極めることが重要です。約10人の施工管理と約300社の協力業者が連携し、専門知識を生かした高品質な施工を実現しています。また、塗装や防水工事の魅力について、「古くなった建物が綺麗になる」「お客さんに喜ばれる商売」と語り、建物をよみがえらせる仕事ならではのやりがいを紹介しました。

35歳でアケボノに入社した細田さんは、この20年で「下請け比率100%」だった会社を、「元請け比率100%」へと転換しました。利益を確保しやすい経営基盤を築くまでには、20年の歳月を要したと振り返ります。


その背景にあるのが、「既存の建物の再生事業」という考え方です。建物ごとに最適な材料や工法を提案する姿勢を大切にし、材料選びを化粧品に例えながら、人によってあう化粧品が異なるように、「建物によってもこの材料が、あの材料がいいというものがある」と説明しました。さらに、「品質の価値を認めてくれない仕事はやらない」と語り、価格ではなく技術や品質で選ばれる会社を目指してきたといいます。

こうした取り組みにより、売上と利益は着実に成長。細田さんは「社員さんの所得も上げていっている」と話し、会社の成長を社員へ還元する経営を続けていることも明かしました。

◆AI活用で修繕の品質と効率を向上

DXやデジタル化への取り組みについて話題が及ぶと、細田さんは、自社開発の「AI建物劣化診断サービス」を紹介しました。

このサービスは、外壁や屋上防水、シーリングなどの劣化箇所を撮影した写真をAIが解析し、約20分で診断書を作成するというものです。以前は担当者が現地で確認していましたが、営業担当者が撮影した写真を送るだけで診断書が完成し、「半日かかっていたのが30分ぐらいでできるようになりました」と、大幅な効率化を実現しています。

AI建物劣化診断サービスでは、建物の状態を判定し、「すぐに施工が必要です」「まだ大丈夫です」といった診断もおこないます。細田さんは、「4段階で判定するので、お客さんにとってはいいサービスだと思います」と、そのメリットを語りました。

品質管理では、「膜厚測定」にも取り組んでいます。塗膜の厚さを専用機器で測定し、規定どおりの塗料が使用されていることを施工報告書で証明するものです。


塗装工事は下塗り・中塗り・上塗りの3工程が一般的ですが、細田さんは「中塗りを省いてしまう業者さんがたまにいます。なので、そういった不正ができないようにします」と説明。さらに「保証書も発行しているので、品質の管理は重要だと思っています」と話し、見えない部分まで品質を可視化する姿勢を大切にしているといいます。

また、「AI修繕ビフォーアフター生成サービス」も導入。塗料の色ごとの仕上がりを事前にシミュレーションできるため、お客様は完成後のイメージを具体的に確認できます。

AI診断と品質管理で大規模修繕の新たな価値を生み出す 株式会社アケボノのDX最前線

(左から)株式会社アケボノ 代表取締役 細田健一さん、パーソナリティのクラフトバンク株式会社 中辻景子



◆挑戦を支えるDXと働きやすい環境づくり

こうした新サービスが次々と生まれる背景について、細田さんは「コミュニケーションが多い会社ですし、社員には挑戦しろと言っています」と社風を紹介。2026年6月にはDX推進委員会も発足し、全社でデジタル化を進めています。

将来的には、現地の営業担当者が図面や動画をクラウド経由で本社へ送り、本社が見積書や仕様書を作成する体制を構想。さらなる業務効率化を見据えています。

DXを進める目的について、細田さんは「無駄を省いて効率的に売り上げを増やしていくことで、もっと社員の休日も作れるようになるかもしれない」と話します。さらに、「家族を大事にしてもらいたいですし、みんなが誇りを持って働ける会社作りを目指したい」と、社員の働きやすさへの思いも語りました。

一方で、「それをどうやって両立していくかがこれからの課題」ともいいます。
そのうえで、「DXをしっかり構築して、うまく使っていけば、たぶん実現できる」と、会社の成長と働きやすさを両立できる未来への期待を口にしました。


<番組概要>
番組名:デジタル建設ジャーナル
放送日時:毎週日曜 15:00~15:55
パーソナリティ:中辻景子・田久保彰太・津吉沙織里・金村剛史(いずれもクラフトバンク株式会社)
番組Webサイト:https://musicbird.jp/cfm/timetable/kensetsu/
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