「日経平均は上がっているのに、自分の保有株は全く上がらない」という声が聞かれます。そのようなケースの裏には「負けパターンの売買」が見受けられることがよくあります。

今日は、そうしたパターンにはまらないためのコツをクイズで学びましょう。


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今日のクイズ:売るならどっち?

<第1問> 以下A社とB社の株価チャートをご覧ください。


 3週間前にA社株とB社株をそれぞれ100株ずつ買いました。その後、A社は値上がり、B社は値下がりしています。


 ここで、急に資金が必要となり、どちらか一方を売却しなければならなくなりました。A社株かB社株、どちらを売ったらよいと思いますか?


<A社株価チャート>
【投資クイズ】保有株が上がらない?負けパターン脱出術を学ぼう
出所:筆者作成

<B社株価チャート>
【投資クイズ】保有株が上がらない?負けパターン脱出術を学ぼう
出所:筆者作成

<第2問> 以下C社とD社の株価チャートをご覧ください。


 6カ月前にC社株とD社株をそれぞれ1,300円で100株ずつ買いました。その後、C社・D社とも一時1,400円まで値上がりしました。ところが、そこから明暗が分かれました。C社株は悪材料が出て1,250円まで下がりました。D社株は、好材料が出て1,450円まで値上がりしました。


 ここで、急に資金が必要となり、どちらかを売らなければならなくなりました。C社株かD社株、どちらを売ったらよいと思いますか?


<C社・D社株価チャート>
【投資クイズ】保有株が上がらない?負けパターン脱出術を学ぼう
出所:筆者作成

小型株の不振が続く

日経平均株価が上がっているのに、保有株が上がらない」という方は、小型株ばかり持っているのかもしれません。小型株の中でも、特に東証グロース(旧東証マザーズ)市場に上場する銘柄は低調な値動きが続いています。


<日経平均と東証グロース市場250指数の動き:2016年末~2026年6月末>
【投資クイズ】保有株が上がらない?負けパターン脱出術を学ぼう
出所:2016年末の値を100として指数化。QUICKより筆者作成

 チャートをご覧いただくと分かる通り、東証グロース市場250指数(旧東証マザーズ指数)は、2020年に急騰していますが2021年の秋をピークに、大きく値下がりしたまま低迷が続いています。日経平均が大きく上昇しているのと、真逆の動きです。


 不振が続いている最大の理由は、東証グロース市場上場のネット企業やバイオ企業の業績が期待外れだったことです。


 2020年には東証グロース上場のネット関連株やバイオ関連株が大きく上昇しました。


 コロナ禍で人々が外出できなくなり、ネットの中だけで消費活動を完結する動きが加速したためです。こうした中、東証グロース上場のネット企業には、創業以来、初めて黒字を計上する企業も増えました。待ちに待った高成長がいよいよ実現したと期待を抱かせました。2020年はコロナに対する不安から、バイオ株も買われました。


 ところが、2021年以降、東証グロース市場にとって投資環境は暗転しました。コロナからのリオープン(経済再開)が進むにつれて、人々の活動はネットからリアル経済に戻りました。一時黒字を計上した東証グロースの新興企業には再び赤字に転落する企業が増えました。


 政府が主導していたデジタルトランスフォーメーション(DX)が期待ほど進まず、諸外国に比べて日本が出遅れてしまった影響もあり、東証グロース市場のネット企業の業績低迷が長引いています。


 もちろん、東証グロース市場の全ての銘柄がダメだったわけではありません。中には、業績を大きく伸ばした銘柄もあります。そういう銘柄は、大急ぎで東証プライム市場へ移る傾向があります。結果的に、東証グロース市場は業績が伸びていない銘柄が中心となりがちです。


 東証グロース市場から東証プライム市場に移った小型グロース株に今、投資妙味があると私は考えています。


正解

【第1問】B社を売るべきです。株価チャートを見ると、B社はさらに値下がりするリスクがあります。


 一方、A社は、売るべきではありません。株価チャートを見ると、さらに値上がりする期待があります。投資のための余裕資金があれば、A社は買い増ししてもよいところです。


 B社は、5月には、売買高を伴って株価が上昇していました。ところが、6月に入ると、上値が重くなり、売買高が減少しつつあります。売買高が減る中で、安値をつけつつあるので、ここからさらに値下がりする可能性が高いでしょう。


 A社の株価チャートは、B社チャートを「上下逆さ」にして作ったものです。A社株価は、5月には下落していましたが、6月には下げ止まり、売買高を伴って、底打ちしつつあります。ここから、さらに上昇が期待できるところです。


 以上は、テクニカル分析(株価チャートから需給を読んで株価の先行きを予想する手法)による、投資判断です。テクニカル分析の読みは、必ずしも当たるとは限りません。それでも、ここから大きなファンダメンタルズの変化がなければ、テクニカル分析の読み通りに動く可能性が高いといえます。


【第2問】C社を売るべきです。株価チャートを見ると、C社はさらに値下がりするリスクがあります。


 一方、D社は、売るべきではありません。株価チャートを見ると、さらに値上がりする期待があります。投資のための余裕資金があればD社は買い増ししてもよいところです。


 C社は、売買高が急増して、株価が急落しています。

何らかの悪材料によって、投資家が大急ぎで売り始めたことが見て取れます。まだ下げ始めて日が浅く、売り材料は新しいので、ここからさらに売りが増えて値下がりするリスクが高いと思われます。


 D社は、売買高が急増して、株価が急騰、高値を更新しています。何らかの好材料が出て、投資家が大急ぎで買い始めたのが分かります。ここからさらに買いが増えて値上がりする期待があります。


 お気づきかと思いますが、第1問・第2問ともに、正解は「損切り」です。「利益確定はするけれど、損切りは絶対しない」という人は、両方とも不正解になります。


悪い銘柄ばかり残す「悪いクセ」

 冒頭の問いに戻りましょう。日経平均が急騰しているのに、保有銘柄が全く値上がりしていないとしたら、原因は何でしょう?


 利益確定は喜んでするが損切りは絶対しない「売買パターン」が原因の可能性があります。すると良い銘柄はさっさと売り、悪い銘柄ばかり残すことになります。


 今日のクイズで2問とも不正解だった方は、その売買パターンがクセになっている可能性があります。大きく上がる銘柄を早く売ってしまい、大きく下がる銘柄をいつまでも持ち続けることになるので、注意しましょう。日経平均が最高値なのに保有株は全然上がらない、という結果を招きかねません。


 売買する時は、利益確定であるか、損切りであるかに関係なく、悪い銘柄を売って、良い銘柄を手元に残すことを徹底しましょう。「利益確定は遅く!損切りは早く!」肝に銘じてください。


テクニカル分析、ファンダメンタルズ分析を詳しく勉強したい方へ

 最後に、株式投資を書籍でしっかり勉強したい方に、私の著書を紹介します。ダイヤモンド社より、株価チャートの読み方をトレーニングする「株トレ」(黄色の本)と、決算書の見方などを学ぶ「株トレ ファンダメンタルズ編」(水色の本)が出版されています。どちらも一問一答形式で株式投資の基礎を学ぶ内容です。


【投資クイズ】保有株が上がらない?負けパターン脱出術を学ぼう
「株トレ」 シリーズ2点 書影

(窪田 真之)

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