今日は、読者の方からいただいた質問への回答を掲載します。


【質問】貯金250万円で日本株に投資したいのですが、一括投資か積み立てかで迷っています。

積み立てならいくらずつするのがいいでしょうか?


貯金250万円で日本株に投資。積み立てと一括投資、どっちが良...の画像はこちら >>

投資のリスクをなるべく低くするにはどうしたらよいか?

 まとまった貯金があって株式に投資すると決めた時、一括投資か積み立てか、迷う方はたくさんいます。私の考えを述べる前に、まず株式投資にともなう三つのリスクについて説明します。


 株式投資には、大きく分けて三つのリスクがあります。


【1】銘柄選択リスク
【2】投資タイミング・リスク
【3】株式市場リスク


 この三つのリスクをどこまで取るべきか、選別する必要があります。まず、どういうリスクか説明しましょう。


【1】銘柄選択リスク

 日本株に投資して、「日経平均株価がどんどん上がっているのに投資した銘柄は値下がり」となることもあります。それは、銘柄選択の失敗です。もし皆さまが東証グロース市場の銘柄に投資していたとすると、近年はほとんど値上がりしていません。


<日経平均と東証グロース市場250指数の比較:2022年4月~2026年7月10日>
貯金250万円で日本株に投資。積み立てと一括投資、どっちが良い?(窪田真之)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 銘柄選択リスクを回避するには、日経平均や東証株価指数(TOPIX)に連動することを目指して運用されるインデックスファンドに、投資信託(または、上場投資信託[ETF])を通じて投資すればよいです。市場平均にほぼ等しい投資成果を得ることができます。


【2】投資タイミング・リスク

 日経平均は、長期的に大きく上昇しています。ところが、あなたが日経平均インデックスファンドに全ての貯金を使って投資した途端に、日経平均が暴落するかもしれません。それは投資タイミングの失敗です。


<日経平均株価の週次推移:2023年末=100、2024年~2026年7月10日まで>
貯金250万円で日本株に投資。積み立てと一括投資、どっちが良い?(窪田真之)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所作成注:▲記号はマイナスを示す

 日経平均は2024年からの2年半で約2倍に上昇しました。すばらしいパフォーマンスです。

ところが、日経平均への投資タイミングが悪いと、短期的に大損することもあります。


 2026年3月には中東危機があって、日経平均が一時的に約15%も下がりました。2025年4月にはトランプ関税ショックがあって、日経平均が約24%も下がりました。2024年7~8月には「令和のブラックマンデー」と言われるショックで、日経平均が約26%も下がりました。


 株式投資は簡単ではありません。質問者さんは250万円というまとまったお金を持っていて、いつ投資しようか迷っています。一括投資すると、運が悪いと、投資タイミングの失敗で、短期的に大きなダメージを受けることもあります。


 投資タイミングのリスクを低減するには、積み立て投資がおススメです。毎月一定額を、日経平均インデックスファンドなどに積み立て投資していけばよいと思います。積み立てを始めてから、日経平均が大きく下がったら、すでに買った分が値下がって残念ですが、これから投資するのは安く買うことができます。


 逆に積み立てを始めてから、日経平均が大きく上がったら、すでに買った分が値上がりしてうれしいのですが、これから投資するのは、高くなったところで買うということになります。上がっても下がっても一長一短なので、あまり短期的な上げ下げを気にしない方がいいと思います。


 結論として、インデックスファンドへの積み立て投資が、銘柄選択リスク、投資タイミング・リスクを軽減する方法として、最も適した手法の一つと考えられます。「長期・分散・積み立て投資」が、資産形成の王道と言われるゆえんです。


 次に考えることは、月々いくら投資するか決めることです。それを決めるためのヒントを後段で解説します。


【3】株式市場リスク

 最後に、決して回避することができないのが株式市場リスクです。私は、インフレ時代の資産形成にとって、株式投資が有効な選択肢の一つとなると考えます。


 短期的な価格変動リスクを取らないようにすることは可能ですが、長期的な株式市場の変動リスクは回避できません。このリスクは、取っていくべきと思います。


<参考:銀行預金と株式投資の違い>

銀行預金


貯金250万円で日本株に投資。積み立てと一括投資、どっちが良い?(窪田真之)
出所:筆者作成

株式投資


貯金250万円で日本株に投資。積み立てと一括投資、どっちが良い?(窪田真之)
出所:筆者作成

 銀行預金は、銀行を通じて資金を企業に振り向ける方法で、間接金融と呼ばれます。個別企業の業績悪化や倒産リスクは銀行によって吸収されるので、預金者には直接及びません。その代わり、預金者に支払われるリターン(利息)は、相対的に小さくなります。


 一方、株式投資は、直接投資と言われます。期待リターンは相対的に高くなるものの、リスクも高くなります。

インデックスファンドへの投資で、個別銘柄の投資リスクは低減できるものの、株式市場の長期的な変動リスクは、負う必要があります。


毎月いくらずつ積み立てたらよいか

 質問者さんは、貯金を250万円お持ちで、月々いくら投資していったらよいか迷っています。


 いくらずつ積み立てるか、ご自身で決めるしかありません。ただ、決める際に考慮すべきことが二つあります。それをお伝えします。


【1】今お持ちの貯金250万円をつくるのに、何年かかりましたか?
これから、貯金をさらに250万円増やすのに、何年かかると思いますか?


→ 年数が短ければ短いほど、リスク許容度は高いので、1カ月の投資金額は大きくて良いと思います。もし1年で250万円貯金し、あと1年でさらに250万円貯金できるなら、今ある250万円は一括投資でも良いと思います。


 250万円ためるのに5年かかり、さらに250万円増やすのに5年かかるならば、1カ月の投資金額は小さい方が良いと思います。


【2】数年以内に大きな出費をともなうライフイベントはありますか?

→ 数年以内に使うことが決まっているお金は、リスクを取って投資するのに向きません。


「はっきり決まっているわけではないが、その可能性はある」ならば、1カ月の投資金額は小さくしておいた方が良いと思います。


 質問者さんのリスク許容度をはかるには、他にも考慮すべき要素はあります。年齢、家族構成、金融資産保有額、負債(ローン)保有額、住居形態(持ち家/借家)、人的資源(将来受け取ると予想される所得の現在価値)などによって、リスク許容度は変わります。


 リスク許容度が高ければ毎月の積み立てを増やし、低ければ減らすのが良いと思います。


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(窪田 真之)

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