7月17日(金)、日経平均株価は後場に一時4,000円超下落、およそ1カ月ぶりに6万3,000円を割り込む場面があった。引けにかけて下げ幅を縮小させたものの、連休を前に不安を抱いた投資家も多いだろう。
日経平均「暴落」の裏でなにが起きていたのか?
トウシル編集部(以下、編集部):本日、日経平均株価が一時4,000円を超えて下落しました。引けにかけて下げ渋ったものの、2,694.42円は歴代5位という下落幅、土信田さんはどのように見ていますか?
土信田雅之(以下、土信田):そうですね。まず、最近の日経平均は、韓国の総合株価指数である「コスピ(KOSPI)」と連動する場面が非常に増えています。このコスピという指数自体が、メモリの世界的な大手である「サムスン電子」と「SKハイニックス」というトップ2社の動きに大きく左右されるのですが、ここ最近は日経平均もその2社の値動きに振らされる展開が目立っていました。
今回、日経平均は4.03%の下落となりましたが、実はコスピの方は6.37%下げています。そういった意味では、日経平均もその流れに足並みをそろえて下落したと言えるでしょう。
特にメモリやストレージといった記憶系の銘柄は、直近まで非常に株価が上昇していました。そのため、いざ売りに回った際の利益確定売りが集中したことに加え、信用取引などで取引をされている個人投資家の方々から追証(おいしょう)が発生し、強制的な手じまい売りを余儀なくされたことが、下げ幅を加速させる一つの要因になってしまったと考えられます。
編集部:韓国市場ではコスピ連動型の上場投資信託(ETF)も話題になっており、それが世界連動のような形にもなっていますよね。個人投資家の追証を含めたバタバタとした動きが、結果として市場の不安を増幅させた側面もありそうです。
半導体市場の見通し…もう「楽観」ではいられない?
編集部:半導体全体の見通しについて、土信田さんはどのようにお考えでしょうか。
土信田:これまで半導体関連株が買われてきた理由を整理すると、いわゆるチャットベースの生成AIから、フィジカルAIやエージェントAIへと、AIの守備領域が拡大してきたことが挙げられます。
AIがやれる範囲が増えれば、当然ながら処理するデータ量も増えます。
ただ、ポイントは、その期待を先取りして株価が上がってきたという点です。
今後は、「現実がその期待に追いついているかどうか」を確認しなければなりません。例えば、話題のキオクシアホールディングス(285A)は7月31日に決算発表を控えていますが、売り上げや利益、あるいは今後の見通しが、市場の期待に応えられているのか、冷静に見極める必要があるでしょう。
さらに、すでにAIに巨額投資を行っている米国のハイパースケーラー(メタ・プラットフォームズ、アルファベット、マイクロソフトなど)についても同様です。
彼らは今後も投資を続けなければならない立場にありますが、本当に投資をし続けられる財務体力があるのかどうか。再来週に集中しているハイパースケーラーの決算動向を見極めたいという心理が、今回のポジション手じまいにつながったのではないでしょうか。
下落幅だけを見るとうろたえてしまう部分もあるかもしれませんが、今後の決算次第では今回の下落が「買いのチャンス」になる可能性もあります。冷静に対処することが何よりも重要です。
3連休明け…個人投資家はどう動けばいい?
編集部:今日は3連休前というタイミングでもありました。この状況が、市場の不安をさらに加速させた側面はあるのでしょうか?
土信田:おっしゃる通りです。3連休前だからこそ、「余分なポジションを落としておこう」という心理が働きます。今日の取引はもともと下げてスタートしましたから、早めに手じまおうとする動きの中で下げ幅が拡大し、それを見て「私も、私も」と追随する動きが連鎖的に発生した側面はあるでしょう。
編集部:その中で、個人投資家は具体的にどのような一手を打つべきでしょうか。
土信田:今、AI・半導体相場に対する楽観的な見方と慎重な見方がちょうどぶつかり合っています。その中で、AI半導体以外の銘柄、例えば高配当株や銀行、商社、あるいは内需・インフラ関連といった銘柄に分散していく視点が非常に重要です。
また、株価指数でいえば、日経平均は4.03%下がっていますが、東証株価指数(TOPIX)は2.72%の下落にとどまっています。グロースとバリューの観点や、あえて「非AI」というセクターを自身の取引の選択肢に入れておく必要があるでしょう。
テクニカル分析で見る今後の「落ち着きどころ」
編集部:テクニカルの観点から見ると、日本株はどのような状況にあるのでしょうか。落ち着きどころをどう探ればよいか教えてください。
土信田:日足チャートを見ると、かなり下方向への意識を強めているのが分かります。これまで、株価が下がっても25日移動平均線がサポートとして機能し、上昇トレンドを支えてきましたが、足元ではこの25日移動平均線を大きく下抜けています。これを見ると、短期的にはもう一段下を探る動きが出てもおかしくないでしょう。
さらに時間軸を長くして、3カ月程度の値動きの中心線である13週移動平均線で見ても、本日の下落でこのラインを下抜けています。つまり、中長期的な上昇トレンドも勢いを失いつつある状況です。
よって、仮に今後反発したとしても、以前のように直近の高値を超えてぐいぐい上昇するというよりは、高値付近で上値が重くなり、もみ合う展開が想定されるでしょう。
編集部:この荒い相場展開は、まだまだ続くのでしょうか。
土信田:値動きの荒さという点では、今日のような大きな振れ幅は徐々に落ち着いてくるのではないかと見ています。
先ほど韓国のコスピの話をしましたが、韓国株市場は個人投資家の参加率が高く、信用取引やレバレッジ型ETFをフル活用している投資家も多いのが特徴です。上昇局面では推進力になりますが、下がってしまうと追証や強制決済、あるいはレバレッジ型ETF特有の「下がった時に倍のスピードで売られる」という性質が働いてしまいます。
ただ、ここまで株価が下がると、取引を控える動きも出てくるでしょう。高値を付けるまでに積み上がってきたポジションが整理されていけば、需給面での乱高下は収まっていくはずです。
投資家の皆さんは、今の激しい値動きに一喜一憂せず、まずは自身のポジションを冷静に調整し、今後の決算という「現実」をしっかりと見極めていくことが肝心です。
編集部:嵐のような相場ですが、焦らずに次の一手を考える冷静さが求められる局面ですね。土信田さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
(トウシル編集チーム)

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)







![NHKラジオ ラジオビジネス英語 2024年 9月号 [雑誌] (NHKテキスト)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Ku32P5LhL._SL500_.jpg)
