アルファベットの2026年12月期2Qは、24.2%増収、30.4%営業増益。検索広告、ユーチューブ広告とも順調。

グーグル・クラウドは前年比、前四半期比とも好調。大型投資が続いているため、設備投資が営業キャッシュフローを上回る状態になっている。会社側は6月に大型資金調達プログラムを公表。目標株価を430ドルとする。


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決算レポート:アルファベット(グーグル・クラウドの好調が続く。6月に大型資金調達プログラムを公表)
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毎週月曜日午後掲載


本レポートに掲載した銘柄:アルファベット(GOOGL、GOOG、NASDAQ)


1.アルファベットの2026年12月期2Qは、24.2%増収、30.4%営業増益。

 アルファベットの2026年12月期2Q(2026年4-6月期、以下今2Q)は、売上高1,197.96億ドル(前年比24.2%増)、営業利益407.70億ドル(同30.4%増)となりました。今1Qの21.8%増収、29.7%増収から業績変化率がやや上向きました。ただし、設備投資の増加による減価償却費の増加、アルファベット独自のAI半導体(TPU)の外部顧客への販売を開始したことにより新たに在庫コストが発生したこと、YouTubeのコンテンツ取得コストの増加、研究開発費の増加などによって、営業利益率は今1Q36.1%から今2Q34.0%へ低下しました。


 今2Q当期純利益は1121.07億円(同3.98倍)となりましたが、この中に投資先企業の株式の未実現利益が含まれています(スパースXの寄与が大きいと思われる)。


表1 アルファベットの業績
決算レポート:アルファベット(グーグル・クラウドの好調が続く。6月に大型資金調達プログラムを公表)
株価(GOOGL) 344.82ドル(2026年8月21日時価総額 4,171,977百万ドル(2026年8月21日)発行済株数 12,238百万株(完全希薄化後、Diluted)発行済株数 12,099百万株(完全希薄化前、Basic)単位:百万ドル、%、倍出所:会社資料より楽天証券作成。注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。注2:EPSは完全希薄化後(Diluted)発行済株数で計算。ただし、時価総額は完全希薄化前(Basic)で計算。

2.セグメント別動向:グーグル・クラウドの好調続く。

 セグメント別に見ると、グーグル検索(主に検索広告収入)は632.71億ドル(前年比16.8%増)となり、今1Qの同19.1%増から鈍化しましたが順調な伸びは維持しました。金融、小売向けが増加しました。

Geminiの高性能化も寄与しました。


 ユーチューブ広告は110.55億ドル(同12.9%増)となり今1Qの同10.7%増よりも伸び率が高くなりました。2026年サッカーワールドカップにおいてYouTubeが優先プレミアムプラットフォームパートナーとなったことで広告が伸びました。


 グーグル・サブスクリプションとプラットフォーム&デバイスは129.11億円(同15.2%増)となりました。今1Qよりも伸び率が鈍化しましたが、YouTube Music、YouTube PremiumとGoogle One(オンラインストレージサービス)が増加しました。


 このため、グーグルサービスは売上高945.40億ドル(同14.5%増)、営業利益395.44億ドル(同19.6%増)となりました。


 グーグル・クラウドは、売上高247.68億ドル(同81.8%増)、営業利益88.14億ドル(同3.12倍)となりました。営業利益率は今1Q32.9%から今2Q35.6%へ上昇しました。AIエージェントブームの中で好業績が続いています。グーグル・クラウドの受注残高は、2025年12月末2,400億ドル、2026年3月末4,620億ドル、2026年6月末5,140億ドルへ増加しています。


 グーグル・クラウドでは大型設備投資が続いており、このため6月には総額847.5億ドルの資金調達計画を発表しました。この資金調達計画の一部、普通株(クラスA株(GOOGL。

議決権ありだが、アルファベットの議決権の過半数は創業者グループが保有しているため、現時点でアルファベットの買収はできない)、クラスC株(GOOG。議決権無し)による調達304.99億ドル、強制転換条項付優先株を裏付けとする預託株式の発行による調達(いずれも諸費用控除後)190.63億ドルが6月に入金しています。なお、普通株A株、C株による調達のうち100億ドルはウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが第3者割当で引き受けました(A株、C株とも50億ドルずつ)。これに加え今3Qに「ATM(アット・​ザ・マー⁠ケット)オファリング」を開始し、クラスA株とクラスC株を段階的に売却で​きるようにする見通しです。


 その他のベッツは売上高3.82億ドル(同2.4%増)、営業損失17.99億ドル(前年同期は12.46億ドルの赤字)となりました。このセグメントの中に、自動運転(Waymo、ウェイモ)、量子コンピュータ等の新規事業が含まれています。


 設備投資は今1Q356.74億ドル、今2Q449.24億ドルへ増加しました。一方で営業キャッシュフローは今1Q457.90億ドル、今2Q390.69億ドルへ減少しました。その結果、営業キャッシュフローを設備投資が上回る状態になっています。アルファベットの営業キャッシュフローは広告収入の季節性の影響と思われますが、10-12月期に最大となり、翌期の4-6月期に最低となる傾向があります。そのため、今3Q、今4Qと営業キャッシュフローが増加すると思われますが、大型設備投資が続くと思われるため、当面は広義のフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー-設備投資)が赤字の状態になる可能性があります。


表2 アルファベットのセグメント別業績(四半期)
決算レポート:アルファベット(グーグル・クラウドの好調が続く。6月に大型資金調達プログラムを公表)
単位:100万ドル出所:会社資料より楽天証券作成

表3 アルファベットの地域別売上高
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単位:100万ドル、%出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ1 クラウドサービス大手3社のクラウドサービス売上高
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単位:100万ドル、出所:各社資料より楽天証券作成、注:マイクロソフトは2022年7-9月期より開示区分を変更したため、それ以前と接続しない

グラフ2 アルファベットの営業キャッシュフロー、設備投資、営業利益
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単位:100万ドル、四半期ベース、出所:会社資料より楽天証券作成

表4 米国大手ITの設備投資額(暦年)
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単位:100万ドル出所:各社資料より楽天証券作成注:マイクロソフトは各年1-3月期~10-12月期の合計。会社予想はレンジ平均値。

3.引き続きグーグル・クラウドの好調が予想される。
2027年12月期設備投資はさらに増加へ。

 今3Q、2026年12月期通期、2027年12月期通期ともに、検索広告、ユーチューブ広告の順調な伸びが予想されます。


 グーグル・クラウドの好調も予想されます。大型設備投資が続いていますが、調達したAIサーバーが稼働開始して間もなくフル稼働になっていると思われるため、設備投資の増加がグーグル・クラウド事業の好調のもとになっています。会社側は2026年12月期通期の設備投資予想を前回予想の1,800~1,900億ドルから1,950~2,050億ドルへ引き上げました。前述のようにグーグル・クラウドの受注残高が積みあがっているため大型設備投資が2027年も続くと予想されます。


 全社で見ると当面はフリーキャッシュフローが赤字の状態が続くと思われますが、2027年または2028年以降に大型設備投資の効果によって営業キャッシュフローが大きく伸び、再びフリーキャッシュフローが黒字化する局面が来ると予想されます。


 楽天証券では、アルファベットの2026年12月期を売上高5,030億ドル(前年比24.9%増)、営業利益1,780億ドル(同37.9%増)、2027年12月期を売上高6,260億ドル(同24.5%増)、営業利益2,380億ドル(同33.7%増)と予想します。会計上は好業績が続くと予想されます。


表5 アルファベットのセグメント別業績(年度)
決算レポート:アルファベット(グーグル・クラウドの好調が続く。6月に大型資金調達プログラムを公表)
単位:100万ドル出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ3 アルファベット:グーグル・クラウドの受注残高
決算レポート:アルファベット(グーグル・クラウドの好調が続く。6月に大型資金調達プログラムを公表)
単位:億ドル、出所:アルファベット決算電話会議より楽天証券作成

4.アルファベットの今後6~12カ月間の目標株価を、430ドルとする。

 アルファベットの今後6~12カ月間の目標株価を、430ドルとします。


 楽天証券の2027年12月期予想1株当たり利益(EPS)17.31ドルに対して、成長性を考慮して想定株価収益率(PER)25倍前後を当てはめました。


 株式市場では、四半期ベースの営業キャッシュフローから設備投資を引いた広義のフリーキャッシュフローが当面は赤字になりそうであること、クラウド・サービス事業強化のための巨額資金調達を行っていること、最近AIの有力開発者、研究者がアルファベットを辞めて他社に移籍したり起業するケースが出ていることなどが嫌気されているようですが、クラウド・サービスには大きな成長性があると思われます。中長期で投資妙味を感じます。


本レポートに掲載した銘柄:アルファベット(GOOGL、GOOG、NASDAQ)


(今中 能夫)

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