<指数パフォーマンス比較~バリュー株orグロース株どっち優勢?~>
NISAで中小型株:「弱い9月」に逆行高!配当もある日経平均非連動の10銘柄
指数パフォーマンス比較~バリュー株orグロース株どっち優勢?~

8月の中小型株ハイライトは「グロース夏の祭典2026」

 この夏も、プライム市場は例年通りの夏枯れ相場(売買代金が減少すること)ではありましたが、多くの投資家に見限られていた東証グロース市場がまさかのフィーバーに。市場別指数でも、中小型株として断トツの好パフォーマンスだったのが東証グロース指数(前月比+17.2%)でした。


 日経平均株価の同+3.0%を大幅にアウトパフォーム、やればできるぞ! グロース市場!


 8月に入り、米ハイパースケーラーの好決算もあり、前月に歴史的な急落となっていたAI・半導体株の調整に一服感が出始めました。

日本でも、期初計画が慎重だったり、AI需要の恩恵を受けたり、円安恩恵を受けたり…製造業中心に第1四半期決算での通期予想の上方修正も相次ぎました。


 決算発表を消化する過程で日本株全体の予想1株当たり利益(EPS)が切り上がり、それに伴い株価も上がるという好サイクルに突入。日経平均も8月10~17日の5連騰で約3,600円上昇しました。


 このタイミングでは、非AI株全般にも物色は広がり、東証株価指数(TOPIX)も最高値を更新。ムードは非常に良かったのですが…8月18、19日の2営業日で約3,900円の急落。手前に上がった分を短時間で吐き出して7万円奪回に失敗、その後は6万6,000円前後でのもみ合いに終始しました。


 例年のことですが、8月はプライム市場の売買代金が激減しました。これは日本が夏休みでお盆休みも挟むこともありますが、海外勢がサマーバケーションで減少するためとされます。


 しかもそのタイミングで、人気のAI・半導体株(とくにキオクシアホールディングス(285A))の上値が重くなり、値動きが緩慢になったことも売買減少要因に。また、エヌビディア(NVDA)決算やジャクソンホールでのウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演といったイベント待ちムードも加わりました。


 結果、短期マネーが値動きの悪化したキオクシアHDなどAI・半導体株以外にその矛先を向け始めたのですが、まさか新興グロース株にその触手が伸びる展開になるとは…。東証グロース市場というのは、値動きが良くなると人が集まる習性があります。


東証グロース250指数の月間騰落率上位

※2020年以降


月 月間騰落率 2020年4月 27.6% 2020年5月 24.1% 2026年8月 18.4% 2020年8月 17.1% 2023年11月 10.5% 2025年5月 10.1% 2026年2月 9.8% 2026年4月 9.7% 2020年9月 9.4% 2023年6月 9.1% 2022年3月 8.9% 2022年7月 8.6% 2024年2月 8.5% 2022年10月 7.2% 2024年6月 6.9% 2026年5月 6.7% 2022年11月 6.4% 2023年1月 6.2% 2020年11月 5.2% 2021年6月 5.0%

 当日の地合いの良しあしは、グロース250指数の騰落率が指標になりますが、このグロース250指数の8月の月間上昇率がすごかった! 今年の8月の月間上昇率+18.4%は、2020年以降では3番目。実に6年ぶりの月間上昇率を記録したことになるのですが、これだけ指数が上がるのは巣ごもり特需期待で大フィーバーとなったコロナラリーの時以来。


 うれしい誤算ではありますが、指数が上がり、「地合いが良くなっている」のが伝わることで関与する投資家が増加。株価が上がることで買われ、買われるから上がる…その好サイクルが突如として発生しました。


NISAで中小型株:「弱い9月」に逆行高!配当もある日経平均非連動の10銘柄
グロース市場の売買代金とグロース250指数<過去3カ月>

 プライム市場の売買代金が減少する中、グロース市場の売買代金は8月下旬に激増しました。この市場の中小型株は空売り株の調達が難しいこともあって、信用取引も買いに偏り、信用残も買い残に偏る傾向があります。


 それだけに、株価が下がって塩漬け株だらけになると目も当てられませんが、株価が上がると回転が効き始めます(利食った資金で別の銘柄へ、といった動き)。


 とりわけ、軍事ドローン量産に期待のTerra Drone(278A)、自動運転関連の直近上場株ティアフォー(593A)が大活況。そのほか、8月はトライアルホールディングス(141A)、MTG(7806)、GO(581A)、フリー(4478)など時価総額上位の主力銘柄が月間+20%を超える大幅上昇となりました。


 時価総額の大きい株が上がって指数を押し上げている…この理由の一つには、前月コラムで取り上げたTOPIXの第2弾大幅見直しもありそう。8月末終値を判定基準日とし、浮動株時価総額の大きい銘柄が今年10月末よりTOPIXに加わることが可能な新ルール。組み入れ有力な大型株の買いカタリストになった可能性は高そうです。


NISAで中小型株!今月の銘柄アイデアは…「『弱い9月』に強い株は?」

 新興グロース市場にとって、6年ぶりのフィーバーとなった8月相場。その余韻のまま9月に入りましたが…月が替わった途端、「あれは何だったの?」ムードに(8月28日高値824.80ポイント→9月2日終値777.48ポイント)。


 市場が嫌っているのが金利の上昇。中東情勢の緊迫化を受けて再び原油価格が上昇したことが、インフレ再燃への警戒を強め、利上げ観測を後押ししているとされます。


 このタイミングで、日本は9月の日本銀行会合での利上げ思惑を強めていることもあって、日本の10年債利回りも30年ぶりとなる3%台を突破。金利が上がると、相対的にリスクの高い株式の割高感が意識されます。その際、予想株価収益率(PER)などバリュエーション水準の高い株が矢面に立たされることに。つまりは、グロース株に逆風ということです。


 そもそも、9月は株式市場が軟調になりやすい月として知られています。米株相場を分析する調査機関の調べで、過去70年超のデータをさかのぼっても、ダウ工業株30種平均は12カ月のうち9月の成績が最も悪い「最弱月」だそうです。


「9月が弱い」…このジンクスが気になり、東証グロース250指数で振り返ってみても、2025年9月がマイナス4.5%、2024年9月マイナス2.4%、2023年9月マイナス4.0%、2022年9月マイナス6.3%、2021年9月マイナス0.7%と、昨年まで5年連続で月間マイナスでした。


 昨年も、8月に東証グロース250指数は順調に上昇、指数で800ポイントに到達。

「グロース逆襲か!?」とザワついたものの、翌9月から変調。9月にマイナス4.5%すると、そのまま年末まで4カ月連続の調整となりました。金利上昇がバリュエーションの高い株の売り要因になる…これをメインシナリオとする必要がありそうです。


 世界的に金利上昇が株安要因になっており、日本でも9月1日ついに、30年ぶりとなる10年債利回り3%台に乗せました。債券に対して株の投資妙味が低下し、株は低調か…というと、9月1日までTOPIXが9連騰を記録しました(この状況を地合いが悪いとは到底言えません)。


 AI・半導体株が調整する一方、大型株でも情報通信でNTT(9432)、ソフトバンク(9434)、LINEヤフー(4689)、金利上昇メリットでみずほフィナンシャルグループ(8411)やりそなホールディングス(8308)のほか、日本郵政(6178)や日本製鉄(5401)などが9月に入って年初来高値を更新しています。


 金利上昇を嫌う中、逆行高している株の共通点は…ディフェンシブ株であること、ローベータ株(日経平均株価の値動きに対して感応度が小さい株)であること、そして高配当株であること。9月に入ったということで、3月決算企業の中間配当の権利月にもなります。


地合い悪化にも耐性アリ?中間配当も狙える中小型株

【条件】
(1)スタンダードorグロース銘柄
(2)時価総額300億円以上
(3)3月決算銘柄、中間配当利回り1%以上
(4)ベータ値(日経平均・90日)0.3未満
(5)年初来高値乖離率▲5%以内(=高値圏)
※9月1日終値時点、中間配当利回り高い順


コード 銘柄名 中間配当
利回り ベータ値
(日経平均) 4671 ファルコHD 2.2% ▲0.01 9368 キムラユニティー 2.0% 0.08 7292 村上開明堂 1.7% 0.18 6357 三精テクノロジーズ 1.7% 0.25 7823 アートネイチャー 1.6% ▲0.03 8117 中央自動車工業 1.3% 0.20 8066 三谷商事 1.2% 0.09 2114 フジ日本 1.2% 0.02 4771 エフアンドエム 1.1% 0.11 5273 三谷セキサン 1.0% 0.14 ※▲はマイナスを示す

 逆行高している大型株の特徴を、スタンダード、グロースの銘柄にも当てはめた形のスクリーニングを行ってみました。


 重要なのは、今逆行高できていることですので、9月1日終値時点で年初来高値に近接している銘柄の中から、時価総額300億円以上の3月決算企業、日経平均に対するベータ値が低く、今期の中間配当予想を株価で割った「中間配当利回り」が高い銘柄をピックアップしています。


 9月は調整しそう、上がっても上値は限られそう…そんな声が多い中、地合い悪化にも抜群の耐性を持つ中小型株は全てスタンダード銘柄でした。


(岡村 友哉)

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