2026年7月1日(水)から3日(金)までの3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで「第38回 ものづくりワールド」が開催されました。今回は「建築DX展+」と「物流DX展」が併催され、特に人手不足が深刻な両方の業界に向けた技術が多数展示されました。
その中でも「建築DX展+」の入口付近で来場者の注目を集めていたのが、小さな動物のようなUGV(無人走行車両)です。2輪で動く大きめの動物のような第一印象を与え、比較的ゆっくりと動きます。しかし、よく見ると車体の底部には旋回用の車輪がもう1つ付いており、実際には無人のトライク(3輪自動車)に分類されるモビリティです。
この車両は、会場内に敷かれた硬めの生地の上を走り回り、文字や模様を印刷するデモンストレーションを行っていました。一体、これはどのような機械なのでしょうか。
このUGVの正体は、建築業界で年々担い手が減りつつある技能「墨出し」を行うための無人機です。建設現場では、設計図の寸法通りに構造物を設置するため、床面などに実物大のガイドラインが引かれます。この作業は「墨出し」と呼ばれ、建物の精度を支える非常に重要な工程となっています。
これまで墨出し作業は、専門の業者が行う技能職でした。建物の測量と合わせて高い技術が求められますが、建築会社が自社で専門技術者を育成する余裕は少なく、外注業者に依頼するのが通例でした。しかし、近年の人材不足により墨出しの担い手は減少し、さらに建築業界全体でのスリム化も求められるなかで、より安価で正確な墨出しを行えるマシンへの需要が高まっていました。
この機械は、ヒューレット・パッカードが開発した「HP SitePrint」という製品です。
担当者によると、海外ではこのような機械を用いた墨出しはすでに広く行われているのだとか。ただし、日本国内では諸般の事情から自律型ロボットの導入ハードルもあり、これから本格的に展開していく段階だと語っていました。深刻化する人手不足の中、この小さな無人機がこれからの建築業界を支える存在となれるのか、その働きに関心が寄せられています。

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