三井海洋開発は2026年7月2日、ブラジル向けFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)「Gato do Mato(ガト・ド・マト)」の建造において、住友重機械工業横須賀造船所で船首セクションが完成したと発表しました。
完成した船首セクションは日本を出港し、中国で建造中の船尾セクションと統合される予定です。
FPSOとは、海底油田・ガス田から採取した原油や天然ガスを洋上で処理・貯蔵し、タンカーへ積み出す船型の生産設備です。「Gato do Mato」は就役後、日量約12万バレルの原油生産能力を備え、ブラジル・リオデジャネイロ南方約200km沖、水深約2000mの海域で操業する予定です。
同社は今回のプロジェクトで、複数の造船所で同時に建造を進める「マルチヤード方式」を採用しています。この方式では、造船所の能力を効率的に活用しながら工程を最適化し、品質と安全性を維持するとともに、プロジェクト遂行能力の向上を図ることができます。
本船は、三井海洋開発が開発した次世代船体設計「Next Generation Hull(NGH)」を初めて採用する船となります。NGHは建造性や拡張性を高め、プロジェクトの効率化に加え、今後さらに高度化・複雑化する海洋開発への対応を見据えて設計されています。
従来のFPSOは、プロジェクトごとに船体を大きく設計変更したり、中古タンカーを改造して建造したりするケースが多く、工期やコストがかかることが課題でした。NGHでは、船体構造を標準化することで複数の造船所で効率的に建造できるほか、油田ごとの仕様変更や設備追加にも対応しやすい設計となっています。
なお、同FPSOは、三井海洋開発にとってブラジル向けでは19基目のFPSO・FSO案件となり、シェルのブラジル事業向けとしては2基目のFPSOとなります。

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