西へと広がる「緑の線」

 高速道路の車線上にひかれた「緑のライン」を目にする機会が増えています。各地で導入が進むこの緑色の実線ですが、実は「全く異なる目的」で運用されている2種類が存在。

その意味がちょっと伝わりづらい側面もあるようです。

「あの線の意味は何?」高速道で「緑の実線」が増殖中! 「踏ん...の画像はこちら >>

 ひとつは「車線キープグリーンライン」と呼ばれる、渋滞削減を狙った施策です。左車線の両側に緑の線が引かれます。

 NEXCO西日本管内では、近畿道(下り線)の摂津北IC~摂津南IC間に導入されています。ここはサグ部(ゆるやかな上り坂)や合流が重なる関西有数の渋滞ポイントで、かつての大型連休や繁忙期には10km以上の激しい渋滞が発生することもありました。

 しかし、2026年お盆期間の速報値では最大渋滞長が5.6kmにとどまり、期間を通じて5km以上の渋滞もわずか3回に抑えられました。

 NEXCO西日本は設置理由について次のように説明します。

「摂津北ICの合流部付近では、一般道から高速道路へ流入する車両を避けるために、多くの車が追越車線に車線変更をします。追越車線に車両が集中することで渋滞が発生することを確認しているため、追越車線への集中を避ける目的で車線キープグリーンラインを設置しています。」

 近畿道に導入されたのは2023年8月とのことでしたが、この「車線キープグリーンライン」は東日本が発祥です。

 NEXCO東日本管内で2021年から導入され、追越車線への過度な集中を抑えてキープレフトを促すことで渋滞緩和に実績を上げてきました。最初に導入された関越道 東松山IC付近の下り線では、月の渋滞回数が12回から8回まで減少し、設置後1年で交通量が約4000台増えても渋滞回数は変わらなかったといいます。車線がまんべんなく使われるようになり、交通容量が増加、結果として渋滞しづらくなっているそうです。

 その後、名古屋高速が2022年に鶴舞南JCTの合流部で導入。翌年には前述したNEXCO西日本管内へと、だんだん“西”へ広がっていきました。

やっぱ「意味分からん」って人も

 ただ、NEXCO西日本によると、導入当初は緑ラインのみだったため「あの緑色のラインは何の意味か?」という問い合わせがドライバーから寄せられたといいます。そこで、路側に「渋滞緩和のため左車線キープ↑」という案内看板を追加設置したそうです。NEXCO東日本や名古屋高速でも同様に看板とともに運用しています。

「あの線の意味は何?」高速道で「緑の実線」が増殖中! 「踏んじゃダメ」「跨いで走って」の2種類が混在!?
摂津北ICランプを一般道側から。「本線合流後 左車線キープ」と看板で促している(乗りものニュース編集部撮影)

 さらに、緑の実線には「車線キープ」とは全く別の“意味”も存在します。それが「車両誘導線」と呼ばれるものです。

 こちらは暫定2車線区間などで、中央分離帯のワイヤーロープへ接触・突入する事故が相次いだことを受けて登場しました。車線の中央付近に緑の実線が1本ひかれており、ドライバーは「運転席の下に線がくるように(線をまたいで)走行する」ことで、自車線の適切な走行位置を保てる仕組みです。

 車両誘導線は東北地方の高速道路から始まりましたが、関西では和歌山県内の京奈和道の一部、関東でも千葉県内の圏央道の一部など、既存区間の安全対策として導入エリアを広げています。

 もちろん、どちらの緑線も黄色の実線のような「規制標示」ではなく法的拘束力はありません。しかし、緑の線を「跨がずに車線をキープするため」と「跨いで走るための車両誘導線」という、正反対とも言える2つの役割が共存しています。

初見では困惑する人もいるので、走る区間の状況や周囲の看板表示をしっかり確認して走行したいところです。

【意味が全く違う!】これがもう一つの「道路に引かれた緑の実線」です(写真)

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