◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 高校野球を見ていると、ふと学生時代を思い返すことがある。アイスホッケーに熱中した大学時代。

あるコーチが練習のたびに「時間は限られている。あっという間だから」と言っていた。30代半ばになってなお、身に染みる言葉だ。

 22歳で入社し、スタートは大相撲担当。眠い目をこすって朝稽古に通った。どの部屋でも番付の下の力士から稽古を行うのが通例だ。お目当ての関取衆の稽古までは、土で真っ黒になりながら目を輝かせる若い衆の稽古もよく見た。

 十両以上の関取になるのは、高校や大学からスター街道を歩んできたエリート力士がほとんど。無名の若い衆から関取になって“一人前”として認められるのは、ほんの一握りだ。

 2年少々の大相撲担当だったが、関取に昇進することなく夢をつかめず引退を決断した力士を何人も見てきた。引退後は大相撲界に残るという選択肢がほぼなく、異業種で新たな人生をスタートさせる。

 引退後に一気に花を開かせた元力士といえば、富栄ドラムだろう。

TBS系ドラマ「VIVANT」で大活躍。力士としては小柄な身長168センチだが、猛稽古で有名な伊勢ケ浜部屋で泥んこになっているのをよく見た。日馬富士や照ノ富士(現伊勢ケ浜親方)の取材に行くと、誰より必死に稽古していたのが強く印象に残っている。

 当時はおしゃべりで、よくたわいもない話をした。トーク力もなかなかだった。人生何があるか分からない。そんなことを考えていたら、自分の2026年は何も変わらずあっという間に半分以上が終わってしまった。(メジャー担当・安藤 宏太)

 ◆安藤 宏太(あんどう・こうた) 2013年入社。19年から現職。アラフォー突入。

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