最大震度7を観測した熊本地震では、工場の煙突が倒壊しました。東海地方の巨大煙突の地震対策はどうなっているのでしょうか。

三重県で最も高い建造物、火力発電所の巨大煙突を取材しました。

最大震度7を観測した熊本地震。震度6強を観測した八代市の日本製紙の工場では、約80メートルの煙突が地震の揺れで倒壊し、9人が亡くなりました。

高さ200メートルの“巨大煙突” 地震による倒壊への対策は?...の画像はこちら >>

国土交通省 金子恭之大臣 9月1日)
「煙突倒壊被害に関して再発防止を図るためにも、今回の地震 過去の地震の影響 劣化の状況などを含め、しっかりと倒壊原因を調査検証する必要がある」

国交省は、再発防止に向けた具体的な検討を進めるとしています。

高さ200メートルの“巨大煙突” 地震による倒壊への対策は? 基礎に524本の杭 煙突が折れない対策も
CBC

全国2番目の規模の火力発電所では?

巨大な建造物の倒壊リスク、東海地方の対策はどうなっているのでしょうか。

今回訪れたのは、三重県川越町にあるJERAの川越火力発電所。480万キロワットの発電能力があり、火力発電所として全国でも2番目の規模を誇ります。

バンテリンドーム26個分という広大な敷地には、愛知県の家庭で消費される1年分相当の電力をまかなうための燃料タンクが設置されています。

高さ200メートルの“巨大煙突” 地震による倒壊への対策は? 基礎に524本の杭 煙突が折れない対策も
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高さ200メートル 直径10メートルの巨大煙突

そして、この施設でひと際目を引くのが…

(川越火力発電所 勝谷元揮所長)
「こちらの煙突は(高さ)200メートルになっています。三重県では一番高い建造物と言われています」

高さ200メートルの煙突。約30年前に建てられた、三重県で一番高い建造物です。

(大石邦彦アンカーマン)
「煙突の真下に来ると、見上げんばかりの高さ」

高さ200メートルの“巨大煙突” 地震による倒壊への対策は? 基礎に524本の杭 煙突が折れない対策も
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(川越火力発電所 勝谷元揮所長)
「そうですね、本当に高いですよね。(煙突は)直径10メートルあります」

(大石邦彦アンカーマン)
「私が手を伸ばしても、全く歯が立たないくらいの直径」

高さ200メートルの“巨大煙突” 地震による倒壊への対策は? 基礎に524本の杭 煙突が折れない対策も
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地震対策はどうしてる?

地下には、地震の際に根元からの倒壊を防ぐ頑丈な基礎があると言います。

(川越火力発電所 勝谷元揮所長)
「この煙突の基礎には、524本の杭を打っています。深さは地中50メートル、地盤の硬い層まで杭を打っている」

杭の太さは直径60センチ。

液状化対策で地盤改良を施した地中に固定することで、巨大な揺れでも根元から折れることのない構造になっていると言います。

高さ200メートルの“巨大煙突” 地震による倒壊への対策は? 基礎に524本の杭 煙突が折れない対策も
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さらに…

(川越火力発電所 勝谷元揮所長)
Q.煙突が途中で折れたりしない?
「その対策で、3本プラス真ん中1本、煙突を配置している」

4本の煙突を1つにまとめることで、揺れにも強い構造になっていると言います。

高さ200メートルの“巨大煙突” 地震による倒壊への対策は? 基礎に524本の杭 煙突が折れない対策も
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高さ200メートルの煙突を建設した理由は?

今回特別に、煙突の上に案内してもらいました。エレベーターで3分、上がった先は…

(大石邦彦アンカーマン)
「すごい風だ。ガラスがなく風がダイレクト。これは絶景ですね」

高さ170m地点からは、濃尾平野・四日市コンビナートや伊勢湾が一望できます。

高さ200メートルの“巨大煙突” 地震による倒壊への対策は? 基礎に524本の杭 煙突が折れない対策も
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(川越火力発電所 勝谷元揮所長)
「温度計は60度を示しています。煙突を触ってみると非常に熱いのが分かるかと思います。この中に排気ガスが流れていて、その熱が伝わってくる状況」

煙突から排出される白い煙は無害な水蒸気だということですが、周辺環境への配慮から、あえて200メートルの高さで煙突を建設し水蒸気を拡散させています。

高さ200メートルの“巨大煙突” 地震による倒壊への対策は? 基礎に524本の杭 煙突が折れない対策も
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「防災対策は常にアップデートが大切」

しかし、超高層のため地震では大きく長く揺れるリスクがつきまといます。

(川越火力発電所 勝谷元揮所長)
「南海トラフ地震については、長周期地震動と短期の地震動が合成されたような地震動になっています。その両方を耐震評価をして、問題ないと確認しています」

内閣府の試算では、南海トラフ巨大地震で最大震度6強が想定される川越町。鋼鉄製の煙突は、南海トラフ巨大地震が発生しても倒壊することなく、多少の損傷を想定する程度だと言います。

高さ200メートルの“巨大煙突” 地震による倒壊への対策は? 基礎に524本の杭 煙突が折れない対策も
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(川越火力発電所 勝谷元揮所長)
「防災対策につきましては本当に終わりがない。常にアップデートをし続けるということが大切だと思っています」

想定を超えてくる地震にどう対応していくのか。働く人の安全と地域のインフラを守るための努力は続きます。

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