〈“年収5000万円”婚活女性と“養われたい”59歳おじさん〉「全然、真逆に見えない」婚活漫画家が指摘する2人の意外すぎる共通点
〈“年収5000万円”婚活女性と“養われたい”59歳おじさん〉「全然、真逆に見えない」婚活漫画家が指摘する2人の意外すぎる共通点

TBS系『マツコの知らない世界』にVTR出演し、「相手は年収1000万円以上じゃないと無理。子どものことを考えたら5000万円以上」と発言して“年収5000万円婚活”として話題を呼んだ綾瀬りえさん(28)や、フジテレビ系『ザ・ノンフィクション』で婚活が話題となった、元「ガッポリ建設」の小堀敏夫さん(59)。

 

一見すると、若さや高収入といった条件を求める綾瀬さんと、「お金持ちの女性に養ってもらいたい」という小堀さんの婚活は正反対にも映る。だが、漫画『独りで死ぬのはイヤだ 年収200万円、48歳独身漫画家の婚活記』で自身の婚活を描いた漫画家・中川学さん(50)は、2人には意外な共通点があるという。

「そんなにおじさん嫌なんだ…(笑)」

まず、中川さんを驚かせたのが、綾瀬さんの掲げる「年収5000万円」という条件だった。

「『相手に求める年収は5000万円』にはびっくりしました。でも、それが『子どもの英才教育のため』ということだったので、そこはすこ~しだけ納得しました。お相手に求める年収と若さを天秤にかけて、若さをとって年収800万円で妥協したところは、思わず笑ってしまいました。

高齢者と結婚するぐらいなら希望年収を4200万円下げてもいいという…。『そんなにおじさん嫌なんだ…』と思いました(笑)。綾瀬さんは、年収200万円でおっさんの自分にとっては、一生関わることができない遠い存在ですねー(遠い目)」

5000万円から800万円へ。数字だけを見れば大幅な「条件緩和」だが、そこからは綾瀬さんが収入だけを絶対条件としているわけではなく、相手の年齢など複数の条件に優先順位をつけていることもうかがえる。

では、自分の理想を簡単には曲げない婚活は「アリ」なのだろうか。

「それぞれの人の立場、スペックによってアリ・ナシがあるのではないでしょうか。綾瀬さんのようなスペックであれば、条件を曲げずに強気でいっても、ある程度うまくいく予感がします。

私みたいな者は、妥協に次ぐ妥協が必要です!」

中川さん自身は、48歳、年収200万円という状況から婚活をスタートした。その経験から考えると、婚活における「高望み」そのものが悪いわけではないという。

「とりあえず希望は謙遜せずに全部正直に吐き出して、それに見合う人を全力で探してみる。ある程度、期限とかを決めてそれでやってみて、ダメだったら徐々に妥協していくのがいいのではないでしょうか。婚活スタート時に理想を高く掲げることは、悪いことではないと思います」

最初から「自分には無理だ」と条件を下げるのではなく、まずは希望を明確にして挑戦する。そのうえで現実との折り合いをつけていく。中川さんにとって婚活とは、理想を捨てる作業というより、理想と現実の距離を測っていく作業なのかもしれない。

「私もお金ないので養ってほしいです(笑)」

一方、まったく別方向から婚活に挑んだのが、元「ガッポリ建設」の芸人・小堀さんだ。

『ザ・ノンフィクション』では、「お金持ちの女性に養ってもらいたい」という思いから婚活に挑む姿が注目された。一見するとかなり突飛な希望にも思えるが、中川さんは笑いながら理解を示す。

「気持ちはわかります(笑)。私もお金ないので養ってほしいです(笑)。

ある筋の情報によると(主にYouTubeと飲み屋情報ですが……)男性に収入を求めない女性も結構いると聞きますので、そういう動機で婚活するのもアリなのではないでしょうか」

一般的な婚活では、年齢や年収、職業といった条件で「釣り合い」を考えがちだ。

しかし、小堀さんの婚活は、そうした定番の物差しだけでは測りにくい。そして、その小堀さんにも、自身の生き方を受け入れてくれる女性が現れた。

この展開を伝えると、中川さんは驚きながらこう語った。

「養ってくれる人がいたんですね! すごい! 羨ましいです! 『ご縁』としか言いようがない、目に見えないサムシングに導かれたのでしょう! そういうことがあるから人生って面白いですよね」

もっとも、番組ではその後、女性に借金があることなどが明かされ、小堀さんがむしろ働いて彼女を支える姿が描かれていた。「養ってもらいたい」と始めた婚活が、思わぬ方向へ転がっていったわけだ。

スペックを比較し、条件を絞り込み、効率よく相手を探す。婚活にはそんな側面もある。しかし、人と人との関係には、条件表だけでは説明できない部分が確かに存在する。

表面的にはまったく逆に見える2人だが、中川さんには、むしろ似た者同士に映ると中川さんはいう。

「私には全然、真逆なタイプには見えないですね。おふたりとも世間からの冷ややかな目を気にせずに、自分の理想の相手を求めているように見えます。ただ、目指している場所は違いますよね。

綾瀬さんの行こうとしている場所は、世間的に普通に良しとされているところの、さらに向こう側。

小堀さんの行こうとしている場所は、世間的に普通に良しとされているところから逸脱したところ。普通より上を目指しても、逸脱しても、冷ややかな目で見られるという……」

「年収5000万円の男性と結婚したい」と公言しても、「お金持ちの女性に養われたい」と公言しても、世間からは「そんなの無理」「普通ではない」という反応が返ってきやすい。

方向こそ違うものの、2人とも「普通はこうする」という周囲の価値観より、自分の欲望や理想を優先しているというわけだ。

「必死に合わせても、いつか自分の本質的な部分が顔を出す」

では、婚活で本当に厄介なのは、理想が高いことなのか。それとも「この年齢なら、この程度」「この年収なら、この相手」といった世間の常識に自分を合わせすぎることなのだろうか。

中川さんは後者について、こう指摘する。

「世間の常識に過剰に合わせようとするのは良くないですね。必死に合わせても、いつか自分の本質的な部分が顔を出すし、自分を抑圧すると反動が起こりますからね。

たとえ世間の常識に合わせて結婚できたとしても、途中でボロが出てくるのではないでしょうか」

婚活をしていると、「48歳なら」「年収200万円なら」「女性なら」「男性なら」と、さまざまな“相場観”を突きつけられる。

もちろん現実的な条件を無視することはできない。それでも、結婚生活は婚活のゴールではなく、その先も長く続いていく。相手を見つけるために自分を演じ続ければ、結婚後にその無理が表面化する可能性もある。

そう考えると、綾瀬さんや小堀さんの婚活が支持されるかどうかは別として、少なくとも自分が何を望んでいるのかを隠してはいない。その潔さは、婚活において一つの強さともいえるのかもしれない。

そんな中川さん自身も、漫画のタイトル通り「年収200万円、48歳独身漫画家」として婚活に向き合ってきた。

現在は50歳。著書も出版され、以前より懐事情には少し変化があったのだろうか。

「はい、多少上がりました。多少ですが…。そういうこともありまして、秋に九州への小旅行を計画しております。福岡で三谷幸喜さんの新作舞台『アメリカン・ドリーム』を観劇し、熊本で城を見て馬刺しを食べ、微々たるものですがお金を落としてこようと思っております!」

「年収200万円」を掲げて婚活を始めた中川さんは、50歳になり、少しだけ懐にも余裕ができた。

5000万円を求める人がいれば、養ってもらいたいと願う人もいる。そして、200万円から人生を立て直していく人もいる。

婚活に万人共通の「正解」はない。

ただ、「普通ならこうだ」と自分の希望まで押し殺してしまうより、一度くらいは自分が本当に望んでいるものを正直に掲げてみる――。3人の婚活から見えてくるのは、そんな身も蓋もない、しかし大切なことなのかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部

独りで死ぬのはイヤだ 年収200万円、48歳独身漫画家の婚活記

中川学
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