アラフォー世代には懐かしいが、初代iMacを知らない世代にとっては「逆に新しい」。当時とにかく流行りまくった初代iMacについて思い出してみよう。
スタイリッシュなコンピューター! iMacの衝撃
1997年にCEOとしてアップル社に復帰したスティーブ・ジョブスが、翌年の1998年に世に送り出したエントリーレベルのマッキントッシュ、通称「初代iMac」。画一的で無機質な印象であったPCのデザインイメージを一気に覆し、世間に衝撃を与えたコンピュータだ。半透明のキャンディーカラーで彩られたカワイイデザインに、当時最先端であったPower Machintosh G3を搭載した15インチのオールインワンオブジェクト。付属するキーボードやマウス、電源ケーブルまで統一されたスタイリッシュなデザインは、今までコンピュータに興味のなかった女性や、初めてPCを購入する若者を見事に惹きつけたのだ。
また当時にとって、比較的お手頃な17万8000円という販売価格も話題となり、発売当日、秋葉原などにはiMacを買い求める行列ができ、テレビニュースなどで大きく報道された。
カラフルでカワイイ! 女性にも好かれたiMac
iMacはその後、本体のカラーをタンジェリン、グレープ、ライム、ストロベリー、ブルーベリーの5色展開に。印象的な明るいカラーバリエーションは、PC初心者や、PCをインテリアやアクセサリーと同等に考えたいオシャレなユーザーにとって非常に好評だったようだ。ちなみに、iMacは1999年度のグッドデザイン賞金賞を受賞している。
またこのカラフルなiMacは、その周辺機器ばかりか、ファッション業界や文具業界などといった別の業界にも影響を与えていった。
例えば、iMacの5色カラーでデザインされた女性用下着「iBRA」(Ru・Sudより)。シンプルでスタイリシュ、カラフルなデザインはiMacの要素そのものだったが、iMacの特徴の一つである"スケルトン感"は残念ながら(?)薄かったようだ。iBRAは当時、いくつかのメディアでも取り上げら、一躍人気商品に。
また、iMacカラーでデザインされた印鑑「iHanko」なるものも登場した。その他、様々な商品がiMacに影響を受け、ブームになった。
発売当時、角の取れた丸っこい風貌の形から「おにぎり」とも呼ばれ親しまれた初代iMac。PCを便利なもの、嗜好品など、日常生活に欠かせないツールに仕立てあげたiMacは、人類の文明においてとっても貴重な存在であろう。