コカイン使用疑惑が報道されていた俳優の成宮寛貴が、芸能界からの引退を発表した。所属事務所はコカイン使用の事実を否定しているが、成宮本人が引退の意思が非常に強かったらしい。

成宮が発表した直筆メッセージには、悲痛な心境が記されていたことも大きな話題になった。

成宮は今回、薬物疑惑が出たことで引退という道を選んだが、過去には薬物使用という失敗を乗り越えて"復活"した芸能人も数多い。

薬物使用で逮捕された槇原敬之


そんな人物の一人が槇原敬之だ。槇原は1999年8月26日、自宅でペンケースに入った1gほどの覚せい剤が見つかり、23歳の男と共に現行犯逮捕された。
槇原はこの逮捕で一カ月余りの勾留の後、300万で保釈。懲役1年6カ月(執行猶予3年)の判決が出された。音楽活動を復活することはできず、無期限の活動停止状態に追い込まれたのだ。


失敗を乗り越えた槇原敬之


ところが、槇原自身が語ったところによると名曲『世界に一つだけの花』の誕生には、この時の留置場生活が深く関わっているそうだ。
4人部屋の留置場に入れられた際、同室の人物に言われた言葉にハッとしたとインタビューで明かしている。
「『槙原さんが来るなんてびっくりした。苦労がない人だと思ってたから』と言われた。彼らからみると、順風満帆にみえる人の歌を聴いても『どうせ、おれたちの痛みなんて分からない』みたいなものがあるのかな」

この経験などを通して、「何が間違っていたか」を毎日考え続けたという槇原は、自分の歌を本当に聴いてほしい人に届いてないということに気がついたのだ。
この気づきにより、再び曲作りの火が灯ったという槇原は、次のようにも語っている。

「歌が、人の心の中で、本当の意味で必要なものでありたいと思ってから、急にすべてが変わりました。だからこそ、SMAPの歌が書けたと思う」

つまり、槇原は逮捕という失敗を通して学び、『世界に一つだけの花』という歴史に残る名曲を書き上げたといえる。逮捕やバッシングを乗り越え、今では第一線に戻り活動している槇原。その精神の強さには、改めて驚かされる。

※イメージ画像はamazonよりピアノソロ やさしく弾ける 槇原敬之ピアノソロアルバム (PIANO SOLO)