ウルトラシリーズのなかでウルトラセブンほど続編が作られたものは他にない
『ウルトラセブン』画像はAmazonより

ウルトラセブンが放送されていたのは今から50年以上も前のことだ。仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズと並んでウルトラシリーズは子どもから大人まで絶大な人気を誇っている。
そんなウルトラシリーズのなかにあって、ウルトラセブンという存在は独特な人気が高かったようだ。

ウルトラセブンはちょくちょくゲストで登場していた


ウルトラセブンは放送当時、戦闘を目的としていない恒点観測員340号として光の国から地球にやってきていた。そのため、他のウルトラヒーローとは異なり、カラータイマーを持っておらず、その見た目もかなり違う。『帰ってきたウルトラマン』から始まる昭和第2期ウルトラシリーズ以降にウルトラ兄弟の3番目にカウントされるようになり、宇宙警備隊隊員という設定になった異色の経歴の持ち主である。

ウルトラセブンは、地球を去った後も「ウルトラマンレオ」など後続のウルトラシリーズにも最も多く客演しており、ある意味では初代ウルトラマンより知られたウルトラヒーローだろう。

人気の高さを象徴する大量の続編シリーズ


他シリーズへの客演はもちろん、ウルトラセブンには「平成ウルトラセブン」というシリーズが存在する。ウルトラセブンが地球を去ってから約30年後の世界が描かれた続編として、94年に資源エネルギー庁とのタイアップで環境問題をテーマにしたテレビシリーズ『太陽エネルギー作戦』、『地球星人の大地』が制作、放送された。

さらにオリジナルビデオ作品として98年に『ウルトラセブン誕生30周年記念3部作』、99年には『ウルトラセブン1999最終章6部作』が立て続けに制作された。


これら「平成ウルトラセブン」シリーズは、セブンも多く客演したいわゆる「ウルトラシリーズ」とは別の、パラレルワールド的な世界観だったことが特徴だ。すなわち、「平成ウルトラセブン」シリーズは最初にウルトラセブンが登場した60年代以降、地球に他のウルトラヒーローがやってきていない世界の物語となっていた。あくまでも「ウルトラセブン」の続編だった。


ウルトラセブンは大人向け


もともと「ウルトラセブン」は高年齢層にアピールしうるものとして制作されたが、特に99年の6部作は大人向けの内容となっていた。ウルトラ警備隊の懐かしいメンバーの一部が当時の面影を残しつつも出演していたこともあって、彼らが年齢を重ねて出世している姿は、自分も彼らと同じように歳をとったんだなという気分にさせた。

大人向けだからこそ、人の死が描かれたり、ウルトラセブンの最後に選択した行動(ネタバレになるから詳細は書かない)に心打たれつつも後味の悪さを感じたりした。
もっとも、後味が悪いままなのは良くないと感じたのか、2002年に制作された『ウルトラセブン誕生35周年“EVOLUTION5部作”』でその後味の悪さを払拭していたが。

トサカをブーメランのようにして使用する武器「アイスラッガー」や、ペット的な味方のカプセル怪獣など、斬新で子供心を刺激する魅力を持ち合わせていたウルトラセブンは、大人をも魅了する特別なウルトラヒーローだった。

(空閑叉京/HEW)