今年の『NHK白歌合戦』の司会候補に、年末で解散するSMAPや、昨年オファーを断ったタモリ、さらに、今年3月にテレビ朝日系の報道番組『報道ステーション』を降板した古舘伊知郎の名前が挙がっている。

 だが、SMAPへの司会依頼はNHK籾井勝人会長の“延命”のためのパフォーマンスで、そもそも実現不可能。

タモリもオファーを断ったという情報が流れているだけに、残るは古舘だけ。彼と有働由美子アナウンサーの2人が総合司会で、昨年に続きV6井ノ原快彦が白組の司会、紅組は連続テレビ小説『とと姉ちゃん』のヒロインを務めた高畑充希に落ち着くのではないかという見方が有力だ。

 一方、水面下では、各レコード会社や芸能プロダクションとNHK紅白担当との間で、出場枠をめぐり、連日のように攻防が続いている。と同時に、レコード会社や芸能プロ関係者は、紅白に甚大な影響力を持つといわれている大手芸能プロ、バーニングプロダクションの周防郁雄社長に接近しているという情報も入っている。今年もまた、バーニングの息がかかった歌手が何組か出場することになるようだ。

 この“バーニング枠”に入るのでないかとみられているひとりが、キングレコードに移籍し、今年6月に移籍第1弾「霧の川」をリリースした演歌歌手の丘みどりだ。
デビューから11年、これまで無名だった彼女は、業界内で「バックにバーニングがついた」というウワサが流れるや、スポーツ紙に頻繁に露出し、『歌謡コンサート』をはじめ、NHKの歌番組にも次々と出演している。これはすべて、紅白に出場させるための布石だといわれている。紅白に1回でも出場すれば、営業ギャラは高騰。そこに、バーニングやその関連会社が一枚かめば、彼らの懐も潤うわけだ。果たして、そんな筋書き通りにいくのか、注目したい。

 政治的背景がウワサされる丘とは違って、曲のヒットで紅白初出場が確実視されているのは、俳優の桐谷健太だ。
彼は、携帯電話の“三太郎CM”で浦島太郎を演じているが、CMの中で沖縄の三線を弾きながら歌う「海の声」のネット配信が昨年12月に開始されてから、これまでに100万ダウンロードを突破。この数字は、今年一番のヒット曲にも匹敵する数字だという。そもそもオリジナルは、BEGINの島袋優が歌ったものだが、9月28日には桐谷が同曲を収録したアルバムをリリースしたことも出場を後押しそようだ。

 一部芸能プロと癒着している紅白担当に公正な人選を求めるのは、もはや不可能だと思うが、せめて選考経過だけはきちんと公開してほしい。
(文=本多