吉岡里帆が主演するフジテレビ系連続ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活(ケンカツ)』(火曜午後9時~)第5話が14日に放送され、視聴率は4.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、プライム帯では禁断の“5%割れ”を記録してしまった。

 同ドラマは初回7.6%でスタートし、第2話以降、5%台で低迷していたが、ついに4%台に転落。

フジの「火曜ドラマ」枠で5%を割ったのは、昨年10月期『明日の約束』(井上真央主演)第7話の4.3%以来の惨事で、“打ち切り圏内”に入ったとみていいだろう。

 フジのドラマは長らく低迷が続いていたが、こと今期にかぎっては、月9『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(沢村一樹主演)、木10『グッド・ドクター』(山崎賢人主演)が共に2ケタ台をマークする好調ぶりを示しているだけに、余計に『ケンカツ』の不振が目立ってしまっている。

 近年、系列のカンテレ(関西テレビ)が制作する同枠ドラマでは、草なぎ剛主演『37歳で医者になった僕~研修医純情物語~』、EXILE・AKIRA主演『GTO』第1シリーズ、竹野内豊主演『素敵な選TAXI』、草なぎ主演『戦争』シリーズなどのヒット作を生んでいる。

 しかし、2ケタ台を記録した、昨年4月期の小栗旬主演『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』を最後に、“若手中心路線”に転換。同7月期の窪田正孝主演『僕たちがやりました』以降、視聴率は低調で、今期の『ケンカツ』で5期連続1ケタ台に終わることが濃厚だ。

 そんな危機的状況の中、来る10月期は、高橋一生の民放プライム帯での連ドラ初主演作となる『僕らは奇跡でできている』がオンエアされる。
高橋が演じるのは、動物行動学を教える大学講師・相河一輝役。主人公は、興味のあることや好きなことには集中力が高く、気になることは徹底的に調べたり研究したりする一方、不得意なものは先送りにするクセがあり、時間やルールを守ることができないマイペースな男。偏見や先入観にとらわれることなく、自分の興味や好奇心に素直に従い“毎日を心豊か”に過ごす一輝の姿勢に、周囲の人々も次第に影響を受けていく……という物語だ。

 高橋は昨年1月期『カルテット』(TBS系)で評価を高め、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』、NHK連続テレビ小説『わろてんか』、同10月期『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?』(フジテレビ系)などに立て続きに出演し、ブレークを果たしたが、ネット上では「すでに旬は過ぎた」「ドラマに出過ぎて、もう見飽きた」といった声も聞かれる。また、今年2月には、15歳年下の女優・森川葵との“年の差熱愛”が写真週刊誌で報じられ、写真を撮られた際のファッションがダサかったこともあり、女性ファンを落胆させていた。

 高橋の連ドラ主演が「満を持して」なのか、「遅すぎた」のかは、微妙なところだが、“遅咲き”の彼にとっては、正念場となりそう。
ただ、フジ「火曜ドラマ」は、すっかり“爆死枠”と化してしまっただけに、視聴率を取るためには、視聴者を相当引きつけるモノが必要だ。

『僕らは奇跡でできている』の追加キャストとして、ヒロインに榮倉奈々、そのほか、要潤田中泯戸田恵子、小林薫といった演技派がズラリそろうことが決まった。榮倉は昨年6月に出産後、初の連ドラヒロインとなり、キャストだけみれば、ドラマ通には注目の作品となりそう。

 しかし、数字を取れるかどうかは脚本の問題もあり、スタートしてみないとわからない。高橋としては、高視聴率をマークして、自身を誇示すると共に、同枠の負の連鎖を断ち切りたいところだ。
(文=田中七男)