「その発想はなかった!」と思わず唸ってしまいました。

オフィス用文具で有名なキングジム。
乾電池でキビキビ動くデジタルメモ「ポメラ」をはじめ、アグレッシブな商品展開で、近ごろ何かと注目を集めています。

そんなキングジムが再びやってくれました。その名も「ショットノート」。これ、なんとiPhoneと連動するメモ帳なんです。

いくらデジタルのメモ環境が普及しようとも、やっぱり手書きメモの利便性にはかなわない。その一方で、メモがちらかったり、なくなったり、探すのに時間がかかったり。
そんなデメリットが、一気に解決されちゃったんですよ。

おかげで発表時から大反響で、なかなか手に入らない。発売日は2月7日、でも記事執筆時(2月16日現在)でAmazonの納期が1〜2ヶ月というから、その人気ぶりがわかるというものです。いやー、探すのに手間取りました。

このショットノート、一見するとただのメモ帳です。使い方も表紙をめくって、鉛筆やペンで好きなように書けばよろし。
イラストだって自由自在。メモってからペリッと破るか、破ってからメモるかは、お好み次第。iPhoneやノートPCなどと違って、紛失しても惜しくない。紙なんだから、気軽に買いなおせますよね。

というのも、実は僕もデジタルメモ派だったんですが、買ったばかりのiPadをアメリカで盗まれて意気消沈。すっかりアナログメモ派に転向しちゃいました。
iPadですか? ええ、金欠で買い直せていませんとも。短い命だったなあ……。

ただし、メモの上にある「No.」と「DATE」覧だけは、黒のボールペンなどで、はっきり書くのがオススメです。印刷されている8の字の波線にあわせて、カクカクとデジタル気味に書くといいでしょう。

んでもって、ここからがショットノートの本領発揮。iPhone3GS/4対応の無料専用アプリ「SHOT NOTE App」でメモを撮影すれば、そのままデータとして保存できるんです。
しかも番号と日付の数字が自動認識されて、後から検索したり、順番に並び替えられるんですよ。デジタルとアナログの境界を、軽やかにスキップしちゃいました。

やり方は簡単で、アプリを起動してカメラモードにしたら、メモを平らなところに置き、紙の四隅のマークを画面の各エリアに収まるようにして、撮影するだけ。多少斜めになっても、きっちり収まるように、自動的に補正してくれます。ちょっとだけ明るくしたり、暗くしたり、手動で調節することも可能。もし余力があれば、この時にタイトルやタグも入力しておくといいですね。


撮影したメモのデータは、本体に保存するだけでなく、メールで添付して送ったり、先日レビューした「エバーノート」に送る事もできます。あ、エバーノートってのはウェブの万能スクラップ帳のことで、どんなデータでも貼り付けて、サーバに保存できます。スクラップしたデータはPCやiPhoneで閲覧したり、編集したり、タグなどでサクッと検索できるので、ぜひ併用されることをオススメします。バリバリ活用すると有料ですが、サクッと使う程度なら無料で使えますよ。

ショットノートの凄いところは、iPhoneを紙のメモの周辺機器にしてしまったところ。なんたってメモは有料、でもアプリは無料ですからね。
この「斜め上」の連動には脱帽です。んでもって何でも自社でやろうとせず、エバーノートという外部のサービスをうまく活用している点。そして最後に手書き数字の自動認証の精度を、あらかじめ用意した波線に合わせて書かせる事で、ぐんと向上させているところ。いや、この「手の抜き加減」は良いですね。

サイズはLMSの3種類。表紙もが選べます。Sサイズならの専用カバーもご用意。いやー、目の付け所がハンパないっす。(小野憲史)