お題「芸能界の“暗黙の了解”を教えて下さい。」
バカリズム「ガチャピンは手洗い。ムックは丸洗い」
5月23日(土)に放送された大喜利王決定戦『IPPONグランプリ』(フジテレビ)。
絶対王者・バカリズムを始めとした歴代優勝者が集う中、レジェンド・板尾創路の電撃参戦が決まるなどなど、放送前から期待が高まった。
絶対王者バカリズム、レジェンド板尾創路はどっちが強いんだ。大喜利王決定戦「IPPONグランプリ」今夜 - エキレビ!

有吉弘行 / ウド鈴木(キャイ~ン) / 大久保佳代子(オアシズ) / 小木博明(おぎやはぎ) / 小出水直樹(現 : シャンプーハット こいで) / 設楽統(バナナマン) / 高橋茂雄(サバンナ) / 徳井義実(チュートリアル) / バカリズム / 又吉直樹(ピース)
予選Aブロック/Bブロック、決勝戦まで、壮絶なドラマを見せた大喜利バトルを振り返る。
予選Aブロック
メンバーは バカリズム/堀内健/徳井義実/板尾創路/狩野英孝
Bブロックの出場者5人が審査員となり、回答に持ち点2点で投票する。10点満点になれば「一本」となり、回答者に1ポイント。4問目終了時点で最もポイントを持っている者が決勝進出だ。
第1問:世界が涙した3千万部の大ベストセラー『白ねずみオペンペンの大冒険』の書き出しを教えて下さい
メルヘンタッチでも真面目路線でもいける間口の広いお題。お題を読み終わった途端に書き始めるバカリズムをはじめ、一本が続出した、
バカリ「※この物語は実話です」
徳井「父オパンパン母オピンピンの次男として生まれたオペンペンは」
板尾「おう!ようきたのワレ まぁあがっていかんかい」
堀内「ここはどこだ?オペンペンが目を覚ますと、頭上にフライパンを持った平野レミが立っていました。」
一方、善戦するも一本が取れない狩野英孝。「父から譲り受けたオリハルコンの剣と、母から譲り受けた魔法の盾を装備し、聖なる泉へ向かった」という答えが長すぎてフリップが2枚にわたり、それでも0ポイントという珍事も起こす。
1問目が終わって、バカリ1/堀内4/徳井2/板尾2/狩野0。
第2問「せっかく完成した透明人間になる飲み薬。あまり使いたくない副作用とは?」
板尾創路が「シャンプーの泡立ちが悪くなる」「声がアグネス・チャンみたいになる」と淡々と一本を取るなか、実はバカリズムがひっそりと苦戦していた。手数の多さが武器のバカリズム、この日も答えを連発するが、1問目では1ポイントしかとれていない。
2問目では「写真にはバッチリ映る」で一本を取るも、続く「宿便だけはバッチリ見える」で一本ならず。さらに「5リットルくらい飲んでやっとうっすら消え始める」で一本を取るも、続く「苦い」で一本ならず。
一本が取れた回答をアレンジして打率をあげようとするが、ポイントは取れず、焦りの中で一進一退が続く。松本人志も「バカリズムがなぜその答えを導き出したか全部俺はわかるぞ」と同情するコメントを寄せる。
一方、序盤では腕を組んで悩んでいたホリケン。後半では「いつもチーターにまたがった女性が見えてしまう」など一本を連発。徳井も食らいつき、狩野はやっと一本を取って記念にフリップを持ち帰る。
続く第3問「写真で一言ルーレット」終了時点のスコアは、バカリ6/堀内7/徳井6/板尾7/狩野2。4つどもえのまま最終コーナーへ。
4問目「芸能界の“暗黙の了解”を教えて下さい。」
板尾「アントニオ猪木の赤いタオルは局が用意する」
堀内「谷村新司よりヒゲを伸ばしてはいけない」
バカリ「ガチャピンは手洗い。ムックは丸洗い」
回答を書きためるバカリズム、左手で回答を出しながら右手でボタンを連打。追い上げをみせ、4問目終了時点でバカリズム、ホリケン、板尾の3人が8本で並んだ。
サドンデス「この試着室 なんかずっと居たい」なぜ?
バカリ「カーテンが実家と同じ」……8点
堀内「かわいいおばあちゃんがお茶を出してくれる」……7点
板尾「治外法権」……9点
バカリ「終電がなくなった」……9点
堀内「脱ぐ時タンバリンで応援してくれる」……一本!
過去のサドンデスでは、絵ネタの回答に時間がかかり早押しに負けていたバカリズム。今回は絵ネタを封印していたが、爆発力でホリケンに軍配が上がった。
なお、ここで敗退した狩野英孝、4問目では「ポンコツ芸人は1番組5回まで噛んでよし」という答えを自分で噛むというミラクルを起こしていた。大喜利の神様には愛されていないが、得体のしれないモノに愛されている。
予選Bブロック
メンバーは博多大吉/若林正恭/秋山竜次/千原ジュニア/斉藤司。
「やる気満々で来たんですけど、さっきの戦いを見てたら帰りたくなりました」ともう弱腰の大吉先生。
第1問はカルタの読み札のお題。袋を担いだ古代人が毛むくじゃらのウサギと触れ合っていて、右上には「け」。博多大吉が「毛皮目当ての密猟者」でBブロック最初の一本をとる。しかし、Aブロックの審査員が辛口なのか、なかなか一本が出ない。回答者にも「これが取れないか」という焦りがみえてくる。
この空気の中で自在に動いていたのがロバート秋山。「結局俺があげた袋使ってんじゃん!」と甲高くウサギを演じたと思えば、「県外からいつもきてくれてる子だよね」と野太い声で感謝してポイントを稼ぐ。
第2問「いつも「一言多いなっ」と言われる川田くんが告白。『好きです』の後に何と言った?」でも渋い展開が続く。一本を取ったのは大吉「Are you ready?」、ジュニア「あなた風に言うと”しゅき”です」の2つだけ。
3問目「写真で一言ルーレット」で抜きん出たのはジュニア。3回の回答全てで一本を奪取。この時点で大吉3/若林2/秋山2/ジュニア4/斉藤0。ジュニアがトップに躍り出て、最終問題へ。
第4問「彦摩呂が葬式で焼きあがったお骨を見て職業病が出てしまった一言とは?」
ジュニア「カルシウムの宝石箱や〜」
斉藤「まさに葬式界のホネノミクスや〜」
秋山「親族最後の肉フェスや〜」
若林「ホントどんくさい男やったわ。この骨で出汁とったら”ポン骨スープ”や〜」
おなじみの彦麻呂のキャラクターに「葬式」を乗せてアレンジする。「彦摩呂でボケる」というネタを作って攻めこんでいく芸人たち。
大吉「やっぱり火力やねんな」「ワンちゃんにあげるのもったいないで」「しょう油かけてみよっか」
「彦摩呂が言いそうなこと」と「葬式で言っちゃいけないこと」を1フレーズで見事にハメる。全ての回答で一本。合計6ポイントで決勝進出。放心した表情で目を泳がせ、手を震わせた。
決勝戦:堀内健 vs 博多大吉
まさに陰と陽、静と動、ネガティブとポジティブ。
にこやかに「エンジョイ!」とコメントするホリケンに対し、「もう若干飲まれていますけど」と目を伏せる大吉先生。
決勝戦は3本先取。一本を取った時点でお題が終了する、サドンデス方式。
先に回答したほうが勝ち……というわけでもない。普段なら1本がとれる答えでも「相手のも見たい」という審査側の心理でブレーキがかかることがある。先攻でインパクトをぶつけるか、後攻でじっくり攻めるか。
第1問では博多大吉が1本を先取。続いて第2問。
第2問「超一流スナイパー、ゴルゴ13は後ろに立たれることを嫌いますが、超三流スナイパー、ゴルゴ14は何をされると嫌がる?」
大吉「運転中にカーステレオをいじられる」
堀内「顔の目の前でジャンケンを出される」
堀内「鼻をかんだティッシュを見せられる」
大吉「既読スルー」
どれも会場で十分にウケていたのだが一本にならない。恐らく審査員の中に「ゴルゴやスナイパーに関係あるか」を求めた人がいたんだと思う。上のどの答えも「普通に嫌なこと」でお題に沿っていないからだ。結局、一本を取れたのはこの答え。
大吉「ゴルゴ13のモノマネを強要される」
これで博多大吉2ポイントでリーチ。続く4問目ではホリケンが1ポイント返す。第4問。
第4問「白ヤギさんからお手紙書いた 黒やぎさんたら読まずに食べた このやりとりの結末を教えて下さい」
ホリケンが「LINE送ったらスマホ食べた」で先攻するが取れず。
ここで出した博多大吉の答えが素晴らしかった。
「争いがやまない白ヤギさんと黒やぎさん。そんな2人の争いを止めたのは、白ねずみオペンペンだった」
誰もが忘れていたAブロック1問目の「白ねずみオペンペン」!
全ての伏線を回収するかのように、最後にもってくる離れワザ。
見事一本を勝ち取り、初優勝を勝ち取った。
榎並アナからの「この喜びを誰に伝えたいですか」という問いに「相方の華丸さんに」と答えたあと、小さく「やったぞ!」とつけくわた博多大吉。
トロフィーを持って祝福される姿は、「R1ぐらんぷり2006」で優勝したときの相方・博多華丸とかぶって見えたのだった。
榎並アナ「松本さん最後に一言お願いします」
松本人志「IPPONグランプリでした!」
(井上マサキ)

有吉弘行 / ウド鈴木(キャイ~ン) / 大久保佳代子(オアシズ) / 小木博明(おぎやはぎ) / 小出水直樹(現 : シャンプーハット こいで) / 設楽統(バナナマン) / 高橋茂雄(サバンナ) / 徳井義実(チュートリアル) / バカリズム / 又吉直樹(ピース)