週刊少年ジャンプで連載中の原作・附田祐斗、作画・佐伯俊のコンビによる人気マンガの第2シリーズ「食戟のソーマ弐ノ皿」の第2話が放送された。秋の選抜戦、第二試合、田所恵VS黒木場リョウ。
いわゆるジョジョ回だ。
田所恵がスタンドを出す「食戟のソーマ弐ノ皿」2話でありジョジョ回

ラーメン対決は、旨みの強さ対決!


東北と北欧、同じ港町出身の二人だが、キャラクターも作る料理も全くの正反対。ホスピタリティに溢れる郷土料理が武器の田所恵と、暴力的と言われるほど味の強さを求める黒木場リョウの対決テーマはラーメンだ。

海鮮を得意とする黒木場のラーメンは、「スープ・ド・ポワソンラーメン」。乾燥させたオマール海老の殻を粉々にして、出汁からバターにまで全てに練り込ませた南フランスのスープをラーメンにアレンジしたものだ。

その強烈な味の強さに対抗するため、田所が選んだのは「こづゆ鶏醤油ラーメン」。福島会津地方の郷土料理をベースに、干し貝柱や干し野菜などの出汁で旨みを強く引き出し勝負を挑む。
二人はお互いのラーメンを試食後、料理に込めた精神力を具現化させバトルを開始する。

私の『H&P』には、いかなる強敵にも立ち向かう『覚悟』があるッ!


食戟のソーマと言えば、試食後のリアクションも魅力の一つだ。可愛い女性キャラクターのお色気ももちろんあるし、ダンディな中年男性が裸になって踊り狂ったり、毎回どれだけブッ飛べるかも注目されている。

そのリアクションの中でも佐伯俊先生の画力を活かしたパロディパターンが人気を呼んでいる。今まで遊戯王、プリキュア、磯部磯兵衛などが登場しているが、中でも今回のジョジョパロディが一番ファンの反響が強かったようだ。

二人のスタンドはスープ・ド・ポワソンH&P(ホタテ&パイタン)。またこれが妙に上手い
構図も立ち方も画のタッチもニヤケてしまうくらいジョジョっぽいのだ。なんとなくイメージは5部だろうか?作者二人のジョジョ愛が滲み出ている。ちなみに、田所のセリフ「私の『H&P』には、いかなる強敵にも立ち向かう『覚悟』があるッ!」も、5部の主人公ジョルノ・ジョバーナがよく使う言葉“覚悟”と「このジョルノ・ジョバーナには夢がある」という有名なセリフを組み合わせて作られたものだ。

ゴミなんかじゃないよ!あの田所ちゃんがスタンドを出した!


あまりにも見事なパロディのせいで、原作を読んだ時は気づかなかった事がある。パロディで少しギャグ表現とはいえ、それは田所恵がスタンドで戦ったということだ。

スタンドというのは、生命エネルギーと精神エネルギーから作られた超能力を具現化したようなもの。
つまり精神力が強くないと決して出せないものだ。

それをあの弱虫ですぐ泣く田所ちゃんが、緊張をほぐす為に人という字を親の敵のように飲んでしまう田所ちゃんが、ずっと解説役に回ってきた田所ちゃんが、同学年No1の威圧感を持つ黒木場とスタンド対決を行ったのだ。黒木場に仲間をゴミ扱いされて悔しかったのか、精神的な成長を見せたのだ。

今回アニメで見て一気に「食戟のソーマ」の中でも感動する有数のシーンになってしまった。私の『H&P』には、いかなる強敵にも立ち向かう『覚悟』があるッ!も、なんか泣けてくる。田所ちゃんが初めて敵に牙を向けた勝負の行方は、また来週に持ち越される。

(沢野奈津夫)