連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第16週「アイアイ傘とノック」第94回 7月20日(木)放送より。 
脚本:岡田惠和 演出:堀内裕介
「ひよっこ」94話。急展開過ぎてびっくり、高子がリンゴ農家に嫁入りか
イラスト/小西りえこ

94話はこんな話


みね子(有村架純)と島谷(竹内涼真)はつきあいはじめて2ヶ月経った。順調に見えた、ふたりの恋だったが・・・。


様々な恋


みね子と島谷の恋の進展を描く前に、周辺の女性たちの恋の顛末を描く回。
高子(佐藤仁美)と愛子(和久井映見)の、内巻きボブにカチューシャ女子ふたり。それなりに年齢を経た(現代で言えば“独身をこじらせた”みたいな表現になるだろうか)彼女たちは、なかなか一筋縄ではいかない。

まず、高子にはびっくり。
高子の元には、奥茨城の太郎(尾上寛之)から、リンゴがたくさん送られてきて、それを使って省吾(佐々木蔵之介)が焼きリンゴを作る(これがとっても美味しそうだった!!)。
リンゴには「お嫁においで」(今年生誕80年、加山雄三の66年のヒット曲のタイトル)とシンプルな手紙が。

その手紙に高子が出した返事は・・・。
高子の描いたリンゴの絵のうまさにも驚いたが、まさかの決断には本当に驚かされた。
ほんとに、お嫁に行っちゃうの?

次に愛子(和久井映見)。
彼女は、省吾(佐々木蔵之介)に一目惚れして、せっせとすずふり亭に通う。
奥茨城の人ではないから、ハヤシライスではなく、エビグラタンを注文しているのか、ということはともかくとして、省吾が語りかけにくると、「調理場という舞台にいるスターに恋してる感じなんです」と言い出す愛子。
「憧れていても、いざ、話してみるとがっかり、なんてこともあるわけだし」なんてことも言って、さらに「ね、みね子さん」と続ける。
島谷は、話してみてがっかりではないのかにゃあ〜。
愛子のような、片思いが楽しいということもあるある。恋が実ると、また別途、現実(生活)が待っているので、一方的に、わくわくどきどき気分だけ楽しむのも、女の嗜みのひとつである。

さて、早苗(シシド・カフカ)のことも描かれたが、期待させて・・・特になし。オチ扱い。
年齢詐称問題といい、彼女は恋愛や結婚を実際、どう考えているのか、その胸のうちが知りたい!

でも、「看病は恋愛の醍醐味のひとつだから」という言葉はさすがである。

早苗を主人公にした漫画のほうが、当たるんじゃないだろうか。

というわけで、島谷が風邪を引き、みね子は、いそいそと、おかゆとネギ湯をつくる(ネギがテレビ画面からニオイ立つようだった!!)。
「お嫁においで」の加山雄三が、つい最近、体調不良で公演を延期したそうだ。
と、おカラダの具合は気になるけれど、2017年現在とのリンクは置いておき、ドラマのほうでは、島谷のお父さんがついに東京に来るらしい。
製薬会社の息子に、素人療法のネギ湯を処方するみね子という、ズレに、恋の危機を感じちゃったりして。
(木俣冬)