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「ユーキャン新語・流行語大賞2017」で考える。流行語はどうやって生まれるのか

2017年12月1日 18時00分 ライター情報:近藤正高
平成の終わる日が決まったきょう、昭和末より33年間続く毎年恒例の「ユーキャン新語・流行語大賞」が発表され、この1年を象徴する語に贈られる年間大賞には「インスタ映え」と「忖度(そんたく)」が選ばれた。このうち「忖度」は、《他人の心中をおしはかること。推察》(『広辞苑』第6版、岩波書店)という意味で古くより使われてきた言葉だが、今年は「上役や権力者の心を推し量る」という意味で用いられたことで、一躍流行語となった。

「忖度」は“硬派の流行語”?


日本語研究者の米川明彦による『俗語発掘記 消えたことば辞典』(講談社選書メチエ)によれば、流行語の多くはいわゆる俗語(改まった場では使えない、使いにくい言葉)だが、なかにはそうではない、“硬派の流行語”も存在するという。ようするに、改まった場でも使われる一般的な語や言い回しではあるが、別の含意を持って一時的に使われるような言葉を指す。「忖度」はまさにこれに当てはまるだろう。
米川明彦『俗語発掘記 消えたことば辞典』(講談社選書メチエ)。俗語のなかでも、現在はほとんど使われなくなった言葉を辞典風にとりあげたもの。巻末では、俗語とは何かあらためて考察するとともに、流行語についても言及されている。

『俗語発掘記』ではこうした“硬派の流行語”として過去の例もいくつかあげられている。たとえば、第二次大戦後、講和条約の締結に向けて日本政府が動いていた1950年、ソ連や中国など社会主義国も含めての締結(全面講和論)を主張する東大総長の南原繁に対し、時の首相・吉田茂は「曲学阿世(きょくがくあせい)の徒」と呼んで批判した。「曲学阿世」とは、学問上の真理を曲げて世におもねるという意味の熟語だが、これが吉田の発言により流行する。これについて評論家の大宅壮一は、《政治家として近代的感覚の不足を示すものとしてわざとしばしばこの言葉が引用される》と説明した(『現代用語の基礎知識 1951年版』自由国民社)。

流行語が生まれる4つの理由


前出の『俗語発掘記』では、流行語が生まれる理由として、(1)社会的理由、(2)心理的理由、(3)言語的理由、(4)言語感覚的理由の4つがあげられている。

(1)の社会的理由は、《社会の状況、世相、風俗を言い表すことばがなかったときに、またそれを風刺しようとするときにちょうどぴったりのことばが流行する場合》だという。今回、新語・流行語大賞のトップテンに入った語でいえば、真実ではない情報を指す「フェイクニュース」がこれに当てはまるだろうか。

社会的理由にはまた《あることがらが頻繁に起こる場合、それを報じることばがメディアを通じ必然的に多く使用されて流行語になる場合もある》と、『俗語発掘記』は説明する。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

「「ユーキャン新語・流行語大賞2017」で考える。流行語はどうやって生まれるのか」のコメント一覧 6

  • 匿名さん 通報

    マスゴミのごり押し。これ一点。

    5
  • 匿名さん 通報

    メディアが勝手に作り出すに決まってるじゃん

    4
  • 匿名さん 通報

    メディアの妄想と捏造・・ 三流審査員が決めてるじゃん・・

    4
  • 匿名さん 通報

    今年は、「 ユーキャン死ね 」とばかり思ってた

    3
  • 匿名さん 通報

    「婚外子、俵万子」が今年の名言

    1
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