顔出しNGの訳ありゲストを迎えて「そんなこと聞いちゃっていいの~?」という話を“ねほりはほり”聞き出す新感覚のトークショー『ねほりんぱほりん』(NHK Eテレ)で、「ナンパ教室」に通うという男が登場。MCの山里亮太さんが「番組史上一番ヤバいやつ来た」とも語っていた通り、Twitterなどネットでは大反響となっている。

50歳手前で「ナンパ教室」に通う男性


今回のゲストは、普段は企業に勤務しているが、今まで3万人もの女性に声をかけてきたというタカノリさん(仮名)。「顔出しNG」のゲストはブタの人形に置き換えられているため顔は見えないが、MCのYOUさんや山里さんの説明によると、タカノリさんは毛先をツンツンとだいぶ遊ばせた髪型をしており、見るからにチャラそうな感じらしい。




インタビュー開始早々、タカノリさんは「実はもうすぐ50っす」と衝撃発言。「ナンパ教室」には10年以上通っており、だいぶお金をかけているらしいのだが結婚していないから「大丈夫」なのだとか。ナンパ教室には36歳の頃から通っており、それまで交際経験すらなかったのだが、教室に通い始めて100人以上の「お持ち帰り」に成功したという。そしてナンパの極意を次々に語っていった。



ナンパの極意とタカノリさんの深い闇


一つ目は、あらかじめヘッドフォンをしていて、外した後に女性に声をかけるという技。すると「何かな?」と関心を寄せてもらえるのだという。

二つ目は、その場所にいる大義名分を持ち「ナンパをしに来ている」と相手に悟らせないこと。タカノリさんはそのために料理教室の本を持ち歩き、その帰りを装うのだという。他にも恵比寿では「代官山まで歩くとどれくらいかかるのか?」と聞いたり、表参道では「ラテアート講習の帰り」と言って声をかけるのだとか。

そして食いついてきたらその場ですぐデートに誘う。ここで三つ目のポイント。最初に個室で二人きりになるカラオケに誘い、ハードルを上げておいて、カフェにランクダウンしたり、「30分だけ」と時間を限定していくとOKを貰いやすいのだという。他にもさまざまなテクニックを紹介していった。

「ナンパ教室」は一回のレッスンに受講生が3人ほどという少人数制で、受講料は一回3時間の講義で一万円だという。タカノリさんは帰宅後には鏡の前で笑顔の練習や、マネキンでシカトしてくる人への対処法などを練習して勤勉なようす。

タカノリさんは「ナンパ教室」に通うまでは恋愛の仕方が分からず、部下に恋をしたことで会社でメールを大量に送ったり、返事がないと「お前を辞めさせてやる!!」と脅すなど、大きなトラブルを起こしたこともあった“ヤバいやつ”だったという。そのためYOUさんは最初タカノリさんに嫌悪感を抱いているようだったが、最後の方では「よくここまでたどり着いたね」と語り印象が変わったようだ。

Twitterなどでも「うわーこんな男最悪だ」「こういう大人にはなりたくないよね」という声が上がる一方で「更生したんだから凄いよ」「この人は自分から行動して自分を変えたんだ。立派なもんだよ」「凄く痛いやつだけど、これが現代の恋愛事情やコミュニケーション事情かと考えると深かった」と称賛の声も上がっていた。


「恋愛弱者」を狙ったナンパビジネス


番組の中でタカノリさんが「結局どうやって恋愛したらいいのか分からないままこうなっちゃったわけですよ」「これは絶対教えなきゃダメだって、自然に身につくものじゃないって僕は思ったんですよ」と語っているように、ナンパに嵌まってしまうのは恋愛が不得意な男性の可能性がある。「チャラい性格→ナンパする」の図式ではなく、非モテ男性がこじらせにこじらせた結果、なぜか行きついた先がナンパなのだ。

筆者が検索エンジンやSNSで少し調べてみただけで、膨大な量の「ナンパセミナー・講習」が引っかかった。自称「○人斬り」のナンパの達人が、ナンパの手ほどきをしてくれるというものだ。それらの内容説明を読んでいて目に付くのは、声かけした女性をその日のうちに「お持ち帰り」できるといったことに加え、「人生が変わる」「人間として成長」といった自己啓発的な文言。うさんくさいビジネス系の商材と同じような印象だ。もちろんこれらを受講するにはお金がかかるが、ナンパが確実にできるようになる保証はない。