パソコン・スマートフォンの普及で、文字を手書きする機会が減ってきた現代。いざというときのために、美文字を書く練習をしてみませんか?感謝やお礼の気持ちを伝えるフレーズ「お心くばり、恐縮に存じます」を美しく書くコツをご紹介します。
お礼状やちょっとした感謝のメモに
「お心くばり、恐縮に存じます。」という文章。暑中見舞いや、何かをいただいたときなどに目上の方への返答として贈る言葉です。
普段はあまり使うことのないかしこまった文章ですが、年齢を重ねたり、社会人歴が長くなったりすると使う機会が出てきます。いざというときに困らないよう、手書きで綺麗に書けるように美文字のコツを学んでおきましょう。
最初は「お心くばり」のコツ
「お心くばり」は、縦線を意識して書くことが大切なポイントです。細くて縦長のシルエットが、文字にスマートさを演出。文字がすっきり見えるので、大人っぽいひらがなになります。横長に書いてしまうと、文字がボテッと重たい印象になり、子どもっぽさも出てしまうので要注意。
そして、文章のなかにひとつだけ「心」という漢字が入ります。「心」の美文字のポイントは、2画目の跳ねる角度。しっかりと止めた後に、内側に向かう感覚で跳ね上げましょう。書き出しは第一印象を与える重要な部分なので、特に丁寧に書くことが必要です。
句読点のバランスも大事
句読点はさりげなく置くように意識します。縦書きだからといって、あまり長く直線的になりすぎないよう気をつけましょう。句読点も一文字と考え、しっかり一文字分のスペースを使うとバランスが良いです。詰め過ぎてしまうと読みにくい文章になります。
全体の印象を左右する大切な部分なので、符号の一つひとつも丁寧に書きましょう。簡単に打ってしまいがちな句読点ですが、文を区切る大切な役割があります。ここをきちんと書くだけで、グッと文章全体の印象が良くなりますよ。
ひらがなはふわっと書くことを意識
文章のなかでも、一番使用頻度が高いのがひらがなです。シンプルだからこそ、バランスやフォルムの美しさが重要。ひらがなの美文字をマスターすれば、文章の大半の部分を綺麗に書くことができるでしょう。
ひらがな部分は、タメを作らずに書くことが大事。美しく書くポイントは、ふわっと力を抜きながら入れて、また抜きながら書き終えるというイメージです。
ひらがなは丸みを帯びたやさしい文字が魅力的なので、ふんわり女性らしい文字に仕上げましょう。やわらかく流れるような、抜け感のある印象になるのがベストです。
ポイントを押さえて美文字を習得する
礼状や暑中見舞いに、この時期書く機会の増える「お心くばり、恐縮に存じます」の文章。全体のバランスを大切に、あらかじめ最初におおまかなレイアウトを決めると書きやすいですよ。
そして一番大切なのは、受け取った相手が読みやすいものかということ。コツの一つひとつは難しくないので、ポイントを押さえて美文字を習得しましょう。