『白鯨』のあらすじ簡単解説&ネタバレ

今回記事でご紹介するのはメルヴィルの小説『白鯨』のあらすじです。

本作は世界の十大小説の一冊に数えられ、アメリカ文学を代表する傑作として称えられています。

英国版タイトルは『The Whale』、米国版タイトルは『Moby-Dick; or, The Whale』ないし『Moby-Dick; or The White Whale』。

日本ではこれを原案としたアニメ、『白鯨伝説』が放送されました。

※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。

『白鯨』のあらすじ 

舞台は19世紀後半、捕鯨の全盛期。

主人公の男性イシュメールは、憂鬱な気分に襲われるたび水夫として船に乗り込み、航海に出る奇癖を持っていました。

出典:白鯨 (マンガの金字塔)

アメリカ東部のナンタケットを訪れたイシュメールは、港湾の木賃宿で銛打ちの大男・クイ―クェグと知り合い、共に捕鯨船ピークォド号に雇われました。

ピークォド号の船長エイハブは義足の老人でした。

彼は嘗てモビィ・ディックと呼ばれる白いマッコウクジラに片足を喰われ、復讐を誓っていました。

船には他にも個性的なメンバーが乗り込んでいます。

一等航海士スターバックは冷静沈着な男で、エイハブがモビィ・ディックに向ける、常軌を逸した憎悪にやや引いています。

二等航海士のスタッブはパイプを愛用する朗らかな男、三等航海士フラスクは真面目な青年。

銛打ちの黒人ダグーやインディアンのタシテゴもおり、誰もが捕鯨のプロフェッショナルでした。

敬虔な信仰の徒であるスターバックは、捕鯨を油や鯨骨をとる為の必要悪と見なし、無用な殺生を好みません。

故にことあるごとにエイハブと対立し、モビィ・ディックへの報復行為を嗜めますが、エイハブは全く耳を貸さず、他の乗組員に酒を強要して協力を誓わせました。

数年に亘る捜索の末、遂に日本沖でモビィ・ディックを発見したピークォド号。

最終決戦の直前、甲板に立ったエイハブは激動の人生を振り返り、五十過ぎて娶った妻を未亡人にしてしまうかもしれないと懺悔しました。

その後同じ妻帯者のスターバックに「お前は船に残れ」と告げ、この日の為に作らせた特製の銛で、モビィ・ディックに戦いを挑みます。

執念深い追跡のはてにモビィ・ディックは浮上し、自分の体に無数の銛を打ち込んだピークォド号に襲い掛かりました。

ピークォド号が噛み裂かれる現場を海上の小舟から見届けたエイハブは、「地獄の底まで追いかける」と高らかに宣言し、モビィ・ディックの腹に銛を突き刺すのでした。

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