今回の記事では佐山哲郎原作、高橋千鶴作画の漫画『コクリコ坂から』のあらすじをご紹介します。
『コクリコ坂から』の連載スタートは1980年、掲載誌はなかよし。本作は2011年に宮崎駿の息子、宮崎吾朗監督によってスタジオジブリで映画化されました。
カルチェラタンを舞台にした学生闘争や、高校生の男女の瑞々しい恋愛に、感動した方も多いのではないでしょうか。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『コクリコ坂から』のあらすじ
主人公の小松崎海(こまつざき うみ)は港南学園一年生。船員の父は10年前に船が遭難して行方不明となり、カメラマンの母は海外出張中の為、妹の空(そら)、弟の陸(りく)の世話をしているしっかり者です。

小松崎家には複数の下宿人が同居しており、彼女たちに毎朝食事を作るのも海の仕事でした。
新聞部部長の風間俊(かざま しゅん)は港南学園の問題児と評判で、生徒会長の水沼史郎(みずぬま しろう)と組んでミスター・ミス港南を選んだり、制服を廃止せよとストライキを起こしては、保守的な教師たちを悩ませていました。
風間に憧れる空や陸と対照的に、一連の騒動を冷めた目で眺めていた海ですが、制服廃止運動頓挫の責任を押し付けられた風間に同情し、衝動的に庇った事で絆が芽生えます。
やがて海と風間は交際を始めるものの、幸せな時間は長続きしません。ある日のこと、水沼は風間を呼び止め、「小松崎と付き合うのはやめろ」と真剣な表情で釘をさします。
実は水沼は海の母と面識があり、彼女の仕事を手伝った際に、衝撃的な事実を知ってしまったのです。それは海と風間の父親が同一人物で、二人が異母兄妹の間柄だということ。
風間はショックを受け、どうすればいいか苦悩します。結果、海に別れを切り出しました。当然海は納得せず問い詰めるものの、風間はハッキリ答えません。恋人の優柔不断な態度に海は幻滅します。
風間に失恋した海は自暴自棄に陥り、不良の広瀬 真(ひろせ まこと)と遊ぶようになりました。広瀬の素行の悪さを知っていた風間はさすがに放っておけず、彼に強引に迫られている海を救出。
帰宅後、海は祖父に真実を告げられました。自分たちが血の繋がった兄妹だと知り、翌日になるのを待ち、直接風間を問い詰めます。
その時の会話を広瀬の女友達が盗み聞きし、学校中にばらまいたせいで、海と風間は孤立しました。学校にも家にも居場所を失くした海は、現実逃避を兼ね、黙々と家出の準備にとりかかります。
海の異常を知った母は重い口を開き、過去の真実を語り始めました。


