今回の記事でご紹介するのは、木下麦監督と此元和津也が組んだ意欲作、『オッドタクシー』(ODDTAXI)のあらすじです。
『オッドタクシー』はP.I.C.SとOLMが共同制作したテレビアニメで、2021年4月から6月までテレビ東京で放映されました。
総集編に後日談を追加した劇場版『オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』も公開されています。
小学館より刊行されたコミカライズは全5巻、肋家竹一が作画を担当しました。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『ODDTAXI』(オッドタクシー)のあらすじ
主人公は都内で個人タクシー業を営む独身中年男性・小戸川 宏(おどかわ ひろし)。
この世界の住人は動物を擬人化したような姿をしており、小戸川は肥満体のオットセイとして表現されます。
個人タクシーの運転手として生計を立てる小戸川は、自他ともに認める偏屈な人嫌いで、煩わしいコミュニケーションを避ける傾向にありました。
彼が人付き合いに消極的になった背景には、幼少期の事故で家族を失った天涯孤独の身の上や、長年悩まされている不眠症も関係しています。
ゴリラの精神科医・剛力 歩(ごうりき あゆむ)は、小戸川の主治医と飲み友達を兼ね、クリニック通いを続ける友人に薬を処方しています。
剛力のクリニックで働くアルパカの看護師・白川 美保(しらかわ みほ)は、小戸川に関心がある素振りを見せるものの、どこまで本気かわかりません。
同じ頃、練馬区で起きた女子高生失踪事件のニュースが流れ、事件発生時に女子高生とよく似た客を拾った小戸川に疑いが掛かります。
犬の警察官大門兄弟の兄・大門 堅志郎(だいもん けんしろう)は、夜の街を流す小戸川に因縁をつけ、ドライブレコーダーのメモリーカードを没収。
その後、ヤクザのドブと密会し、メモリーカードを渡します。
数日後、職場を退勤した白川を拾った小戸川は、彼女がクリニックの薬品を盗んだ事実に言及し、なぜそんなことをするのか問い詰めました。
白川はDV彼氏のドブに脅されていると打ち明け、小戸川と距離を縮めます。
後日、ドブが小戸川に接触し、以前小戸川が乗せた青年・今井 旬(いまい しゅん)から宝くじの当選金10億円を奪う計画を持ち掛けました。
ドブはそれを「オッドタクシー作戦」と名付け、警察の追跡を巻いて逃げきるには優秀な運転手が必要だと説きます。
小戸川は協力の見返りに白川の解放を訴え、ドブと合意に至りました。
一方その頃、小戸川の言動を怪しんだ剛力は、以前彼を診ていた医者に会いに行き、衝撃の事実を知らされます。
いわく、小戸川は心の病が原因で、周囲の人間全てが動物に見える幻覚症状を患っていたのでした。