今回記事でご紹介するのは1991年に矢沢あいが『りぼん』で連載スタートした恋愛漫画、『天使なんかじゃない』のあらすじです。
単行本は全8巻完結済み、シリーズ累計発行部数は1000万部を突破しています。
本作の連載がきっかけで矢沢あいは人気漫画家の仲間入りを果たし、以降も『ご近所物語』『NANA』などのセンセーショナルなヒット作を連発しました。
作品のモデルとなった多摩市聖ヶ丘はファンの間で聖地化し、巡礼者が絶えません。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『天使なんかじゃない』のあらすじ
主人公は多摩市聖ヶ丘に住む高校生・冴島翠(さえじま みどり)。
常に元気で明るい翠は、中学時代から大勢の友人に囲まれていた人気者。
趣味特技は絵を描くことで、高校でも自ら率先し美術部を発足させるなど、目を見張る行動力で注目を集めていました。
翠が在籍する私立聖学園は創立間もない新設校で、ユニークな生徒が揃っていると評判です。
二学期開始早々、第一期生徒会役員選挙に担ぎ出された翠。

友人の頼みを断りきれず、緊張の面持ちでスピーチに赴く途中、以前から秘かに気にしていた男子、須藤晃(すどう あきら)が立候補者の列にまざっているのを見かけます。
晃はマイクコードに足を引っかけ転倒した翠をすかさずフォローし、翠は恋に落ちました。
投票の結果、揃って第一期生徒会役員に選出された翠と晃。
生徒会副会長として日々の雑務をこなす翠を、生徒会長の晃は男前に引っ張ってくれ、想いは募る一方です。
ある日のこと、晃の鞄の中に「ヒロコ」と書かれたプレゼントが入っているのを目撃した翠は、彼に恋人がいるとおもいショックを受けます。
後日、文化祭の企画立案およびスケジュール調整を任された聖学園生徒会。
催し物の打ち合わせをしている最中、美術部顧問を務める牧先生の下の名前が「博子」と知った翠は、彼女こそ晃の交際相手ではないかと勘繰り、ぎこちない態度をとってしまいました。
その後、翠に問い詰められた晃は、牧先生は中学時代の憧れの人で、彼女の存在が進路選びの決め手になったと認めます。
しかし牧先生には本命がいた為、それを察して身を引いたと語り、結果的に翠と両想いだった事実が判明しました。
交際スタートからほどなく、海外で絵の修行をしていた晃の腹違いの兄・将志(まさし)が帰国します。
将志と牧先生はもともと恋愛関係にあり、お互い未練を引きずっている模様。
大喜びで将志を迎える晃に対し、まだ先生が忘れられないのではと心配した翠は、中学の同級生・中川ケンが結成したバンドのライブに招かれ……。