Netflixの『テラスハウス』『あいのり』、Amazonプライム・ビデオの『バチェラージャパン』、Paraviの『恋んトス』など、今、動画配信サイトが制作する恋愛リアリティー番組がわんさかはびこっている。特にAbemaTVは、『オオカミくんには騙されない』『今日、好きになりました。

』『恋愛ドラマな恋がしたい』『恋する 週末ホームステイ』『恋愛学部交流会 ラブ キャンパス』など、数々の番組を世に生み出し、ティーン世代から支持を集めているようだ。

 そんな中、人気番組のひとつである『私の年下王子さま Winter Lovers』に、俳優・小越勇輝(24)の参加が発表され、若手俳優ファン、舞台ファンに大きな衝撃が走った。

“おごたん”の愛称で親しまれている彼は、2010年から14年まで上演された“テニミュ”こと『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』の全公演で、主人公・越前リョーマを演じ、「舞台『弱虫ペダル』シリーズ」や「ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ」など、人気2.5次元(マンガやアニメ、ゲームを原作・原案とする舞台やミュージカルのこと)作品で活躍。

 近頃は活動の場を広げ、劇場版『ドルメンX』(18年)や7月期の波瑠主演ドラマ『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)、先日最終回を迎えた『深夜のダメ恋図鑑』(テレビ朝日系)など、映像作品にも出演している注目の俳優だ。ちなみに、『テニミュ』では通算500回公演出演を達成し、“プリンス・オブ・テニミュ”の称号を手にした、紛れもない「王子様」でもある。

 そんなおごたんが恋愛番組に出演ということで、ファンは阿鼻叫喚、ネット上には賛否両論さまざまな声が寄せられた。
当たり前だ。番組である以上、フィクションでないとは言い切れないが、今回は「小越勇輝」として恋愛するのであって、舞台や映画、ドラマで役として恋愛するのとはわけが違う。「芸の肥やしになる」「知らない一面が見れる!」と、彼女たちが手放しで喜べない気持ちもわかる。公にならないところでよろしくやってくれたほうが、ある意味健全なのかもしれない。

 テレビに出る機会も増えてきた今、これがキッカケでさらにファンが増えるかもしれない。でもその一方で、これまで彼を応援してきたファンを切り捨てる……と言うと言葉が悪いが、配信番組とはいえ、正直、今回の出演はリスクのほうが大きいことは確かだろう。


 番組出演にあたり、今月8日に更新されたブログでは、

「人として等身大で恋に挑戦することにしました。まだまだ未熟ですが、仕事も恋も頑張りますので変わらぬ応援をして頂けたら幸いです。恋愛解禁、皆さまあたたかく見守って頂けたら嬉しいです」

 とつづっていたおごたん。青春真っ只中の高校生活をすべて『テニミュ』に捧げた彼にとって、恋は“落ちるもの”でなく、“挑戦するもの”らしい。

 元プリンスは、オトナ女子の王子様になれるのだろうか……(なれなかったらそれはそれで「何だったんだ感」が残るだろう)。

 おごたんの“挑戦”が始まった、『私の年下王子さま Winter Lovers』#7 からレビューしてみたいと思う。


■のっけからオトナ女子を魅了

 簡単に説明をすると、この番組は、

・番組執事からの指令を実行しなければならない
・振られても何度でも告白できる
・一度も告白されない女子は強制リタイア

 という3つのルールのもと、年下男子と年の離れたオトナ女子が出遭って恋をするという内容。今年7月から9月まで全12回配信され、11月から『Winter Lovers』としてシーズン2がスタートした。

 現参加メンバーは、

◇女優で大阪生まれのサバサバ系・とっきー(32)
◇モデルでEXILE系のオーディションを受けていそうな雰囲気のそう(23)
◇同じくモデルで前回とっきーに告ってフラれたクール系・よね(22)
◇これまたモデルで最年少のザ年下男子なとっしー(19)

 の計4人。これに7話から、

◇リポーター・ジャズシンガーでワンレンストレートヘアのまあや(27)
グラビアアイドルでショートへアの天然女子・りん(28)
◇モデル・女優・DJで、リベンジメンバー・せりな(29)
◇男女5人組ユニット「Jump up Joy」のメンバーのたくみ(19)
 ※こちらも、ファンの心情をお察しする経歴の持ち主

 そして、“おごたん”ことゆうきが加わり、9人での番組がスタートした。

 教会での登場シーン、「付き合った人数 1人」というファンにとっては爆弾に近いテロップはスルーするとして、

「皆様と素敵な時間を、そして素敵な相手が見つかればなと思っています」

 と挨拶をしたゆうき。スタジオMCの木下優樹菜や女性メンバーたちから「かわいい!」「女の子みたい!」「本物の王子みたい!」とキャーキャー声が上がる。



 お互い自己紹介をした後、早速執事から「1泊2日の旅の中、王子は気になった女子1人に赤い糸を渡せ」と司令が。さらに、王子が女子を選び2ショットトークをすることに。

 ゆうきが第一印象で選んだのは、最年長のとっきー。「喋ってみたいなと思って」というゆうきに、とっきーもうれしそうにはにかむ。

「年の割には若く見られるんだけど、見た目と中味とギャップがすごいから……」
「お酒とか好きで、飲まなそうって言われるけどめっちゃ飲む」

 ワイン5本空けることもあるというゆうきに、酒好きなとっきーのテンションが上がる。

「今までわたしが喋ってきた王子の中で、一番大人っぽいかもしらん!」
「めっちゃしっかりしてる!」
「(自分と)似てるかもしれへん!」

 さらに、お互い美術館や絵が好きなこともわかり、意気投合する2人。


「初対面でこんなちょっとの時間でこんな話せるって変な感じ」と照れながらも、ゆうきがとっきーの核心に迫る。実は、彼女、前回気になっていたよねととしきの2人の王子に告白されたにもかかわらず、結局どちらも選ばなかった。

「実際付き合うってなると、もうちょっとしっかりしてほしいなみたいなところもあったりして。もっとこうしてよって言えたんやけど、そうするとその人じゃなくなるっていうか……」

「難しいところだよね。言い過ぎても(良くない)だし。ガマンガマンで結局耐えきれなくなるとか……」

「そうやねん! もうちょっとこうなってほしいなとか、こういうとこしっかりしてほしいなっていう気持ちが残ってるうちは付き合ったらアカンかなって」

「限られた時間でもあるし、その短い時間で……そう考えるとやっぱいろいろ難しいね」

「まだ始まったばっかりなのに、もうそこまで……(照)」

 きゅるんきゅるんなおめめでしっかりとっきーを見つめて、彼女の本心を引き出した聞き上手なゆうき。
童顔で幼い見た目と、意外にもしっかりしている内面とのギャップに、とっきーもすっかりハートを掴まれたようす。

 そんなゆうきに対し、「ちょっと喋り方占い師っぽくない?」というスタジオゲスト・青山テルマのツッコミも冴えていた。

■ワインの匂いがするとはしゃぐ女子2人に、テルマ「しねえだろ」

 その後、木下優樹菜いわく、「キャンプのレベル高いバージョン」のグランピングをするため、富士山のふもとにあるリゾート施設へ移動。テラスでくつろぐ男子メンバーに、執事から3:2で2つの部屋に分かれるよう連絡が。その頃、女子にも“ある司令”がくだる……。

 ゆうきはよねとそうと同じ部屋になり、そこへとっきーとせりながやってきた。そうが2ショットトークで選んだまあやは来なかったが、ゆうきとよねはお目当ての相手が来てくれた。

 お酒の話で盛り上がる5人。すると、「赤ワイン飲む人って血も赤ワインの匂いするの知ってる?」と、謎の発言をしてゆうきに近づき、おもむろに首元の匂いを嗅ぐとっきー。

 すかさず「しねぇだろ」と鋭いツッコミをみせるテルマ様だが、その声はもちろん届かず、とっきーは「ちょっとする」と照れ気味に言う。

「血の匂いがこっからわかんの!?」と戸惑うゆうきに、「間違えた、汗! 汗!」すっとぼけながら、楽しそうなとっきー。そしてそれになぜか乗っかるせりなが、テルマ様2回目の「しねえだろ」を無視してゆうきの匂いをくんくん嗅ぐ。

「するかも」「甘いお酒の匂い」というせりなの感想に「しねえだろ」ともはや食い気味のテルマ様。まるでコントのようだ。

 そして、楽しげな3人を見守るしかない、置いてけぼり状態の男子2人、「そうとよねだけが匂いを嗅がれなかった……」というテロップがなんとも切なかった。

 実は、王子には内緒で女子には執事から「相手にバレないように王子の匂いを嗅ぐ」という最初にしては過激な司令が出ていた。

 ちなみにもう一方の、とっしー&たくみの19歳コンビの部屋では、りんの提案で狭い部屋の中だるまさんが転んだゲームをし、鬼のたくみにタッチする際、りんがたくみに抱きつき匂いを嗅いでいた。さすがグラドル、やることが大胆。記念写真を撮る際、としきに接近して匂いを嗅いだまあやが少しばかりスマートに見えた。

 まぁ、素でこんなことする女子がいたら、そこそこヤバいやつだと思うので、男子は気をつけた方がいいと思う。

■匂いを“嗅がれた”王子と“嗅がれなかった”王子

 司令を終えて、男女それぞれ部屋に戻る一同。各部屋どんな話をしたか報告し合う男子メンバーに、執事からネタばらし。匂いを嗅ぐ=女子の意思表示であることを知った後の王子たちのリアクションがいい。

 匂いを嗅がれなかったよねとそうは悔しそうだし、とっきーとせりな2人に迫られたゆうきは戸惑いながら「嗅がれた」とポツリ。その様子がシンプルにかわいい。

 たくみは、りんにハグされたことのほうがインパクトが強かったらしく、「嗅がれたのか嗅がれなかったのかわかんない!」とテンパり、まあやのアプローチを受けたとしきは平静を装いながらも若干顔がニヤけている。男って単純だ

 その後、執事から恐怖の司令が。

「24時間後の夜、誰からも恋愛対象とされない可哀想な王子は強制リタイア」

■“演じてる”感の否めないゆうき

 現状を矢印で整理すると、

ゆうき→←とっきー
よね→←せりな←とっしー
そう→まあや→とっしー<たくみ→←りん

 といった感じ。最初の2ショットトークでりんとせりなの2人を選んだとっしーは置いておいて、気になるのが、よねととっきー。

 よねは第一印象でせりなを選んでいたものの、とっきーにまだ未練があるようだし、とっきーもとっきーで、告白してくれたよねが自分のところに来てくれなかったのがショックだったらしい。フッたはずなのに、女心は複雑だ。

 ちなみにせりなは、第一印象でゆうきの名前も挙げていただけに、よねとゆうきが残ったとき、4角関係がどう動くのか……、個人的には修羅場展開を期待

「相手の匂いを嗅ぐ」という合コンの王様ゲームにありそうなゲス展開はあったものの、「初めまして」の様子見的なトークが多かった今回。正直、おごたんにはまだ「ゆうき」を演じている感があった。もっとグイグイ攻めたり、必死になったり、そういう素の表情が見られるかは、とっきーやライバルになりそうなよねにかかっているのかもしれない。

 最後に「まあやさんの『ピュア(な年下男子)がいい』って言ってる27歳ってどうなの!?」と不満をぶちかましていたテルマ様の厳しいツッコミにも期待しつつ、現在進行形のゆうきの恋を見守りたいと思います。

(文=みんなの推しに幸あれ)