「お帰りなさいませ、ご主人様」「いってらっしゃいませ、ご主人様」と日々やさしい声で挨拶するメイド喫茶のメイドさんたち。どんなご主人様に対しても明るく元気な彼女たちの健気な姿にちょっと感動する。
そんな献身的な彼女たちだが、それはそれ一人の人間、正直言って嫌なご主人様、苦手なご主人様だってかならずあるはず。今回はズバリそれを聞いてみた。

以前のコネタ「メイド喫茶で時給800円で働くワケ」では「ご主人様(男性客)とお話ができて、18歳でもできるのがメイド。それが魅力です」と、風俗っぽい接客をするメイド喫茶でのコミュニケーションの楽しさを紹介した。だが、そのコミュニケーションが必ずしもスムーズでないケースもある。

一人目のメイドさんに聞いたところ、
「話が続かないご主人様は苦手です」とのこと。
女の子とのお話にあまり慣れていないご主人様がいるという。
「見詰め合っているだけで満足されているみたいです」
へ~、それはちょっと不気味。
「趣味を聞いても答えてくれませんでした」と二人目のメイド。
「話しかけても反応がない。話好きの私としてはとても辛いです」と三人目。
高倉健みたいに無口なご主人様は今どき流行らないし、メイドさんに敬遠されがちなのだ。


そうかと思えば、積極的にしゃべるご主人様でも嫌われる場合がある。
「下ネタは苦手です」と1人目。
「初体験はいつ、どんな感じ?」とか具体的なえぐいことをしつこく聞いてくるご主人様がいるという。
「処女だって言っても信じてくれません」ともこぼす。
他方、下ネタはそんなに苦手ではないと二人目。
「ちょっとそれは……と言いながらだんだん調子に乗ってきて、気がついたらご主人様と下ネタを話していました」
う~ん、そういうこともありますかね。


「デートに誘ってくるご主人様もちょっと……」(一人目)。何度も店内で話をして仲良くなってくると、とくに断りづらくなる。仕方ないので、「お店のルールで店外で会うのは禁止です」と説明して何とか切り抜ける。ただまあ、これもメイドによって違う。「仲良くなれば行ってもいいかな」(二人目)。
ほかに、セクハラ的な行為として、
・「隣座ってよ」としつこく言ってくる。

・突然、手の甲にキスをしてくる。
・お尻を触ってくる。
といったケースもある。これらの行為は明らかに行くお店を間違ってますよ、ご主人様!

それから、難しい話をするご主人様も苦手だそうだ。
「勉強の話、例えば、『英語できる?』と聞いてきて、『できません』と答えているのに、英語で話かけてくるご主人様がいます」(三人目)
おー、これは意地悪だぁぁ~。
「それと、今どきの若者論を説教されるご主人様。
『あいさつができていない』『社会常識に欠ける』とか、耳の痛い話を延々とされます。とても苦痛です」
40代以上のご主人様に多いという。これは40代である私も気をつけないと。

ほかに、料理が下手だったり、お酒の作り方がわからないことに対して、文句を言うご主人様も結構嫌われる。ただ、これ関しては私も同感。だって、炭酸が抜けたソーダ割りとか出されると確かに文句を言いたくなるも~ん。


全体に共通して言えるのは、「話が苦手なご主人様」がメイドさんたちにとって苦手で嫌われやすいということ。まぁ、人と接しない仕事を続け、オタクのような生活を日々過ごしているうちに、いつの間にか話ができなくなってしまうのだろうか。彼らの心の病を癒してやってください、メイドさん!

やっぱりメイドさんって大変なお仕事なのだと分かりました。
(羽石竜示)