(桃園中央社)清代末期に建てられた町屋を修復した北部・桃園市大渓の私設博物館「源古本舗」で16日から、日本の工芸作家とコラボレーションした「台日物産交流展」が始まっている。

大渓は、近隣で産出される木材や樟脳などを水運で台北に運ぶための集散地として清代から栄えた内陸の町。
今でも当時の名残をとどめる建物などが残り、桃園有数の観光地の一つとなっている。桃園市政府や文化部(文化省)の資料によると、源古本舗の築年数は180年以上で、台湾の町屋の特徴とされる間口が狭く、奥行きが深い造り。日本統治時代に家主となった古氏一家が代々、雑貨店、菓子店などを経営してきた。文化的な価値があるとして2009年に桃園県(現桃園市)の歴史建築に登録された。文化部などの補助を受けた修復工事が今年7月までに完了し、同市初の私設博物館に生まれ変わった。同展では、古色蒼然とした家屋の中で、加賀市を拠点に活動する漆器木地師、田中瑛子さんらの作品を見ることができる。


交流展は、第五代当主、古正君さんのコレクションを中心に漆器や茶器、小皿などを300点余り集めた「幸福器味特展」との同時開催。映像や音楽など異分野のアーティストとのコラボによって身近な食器の新しい使い道を提案し、生活の中で感じる幸福感を伝える。

参観は毎週金、土、日曜のみで、予約制。12月10日まで。

(邱俊欽/編集:塚越西穂)